戦いの後の小休憩
俺たちは一旦ギルド管理所まで戻り、そこから再びあの場所に行き、また戻りを繰り返した。
そして、何とか生存者を集めてきたは良い物の、全員気絶をさせて連れてきたためか、まだ疑心暗鬼だ。
やっぱり気絶させての運搬はかなり無理があったのかもな。
「まだ少し疑心暗鬼が解けていないようだけど、一応救助は出来たわね」
「はい、じゃあ、今度は各々のギルドマスター達の救援ですか?」
「いや、それには・・・及ばないぜ・・・」
俺たちが反対方向に移動したギルマス達の救援に向おうとしたら
丁度そっちに行っていた奴らがボロボロで帰ってきた。
「随分とボロボロだけど、大丈夫?」
「へ、まぁな、これでも撃たれず良いからな」
「そう、良かったは・・・にしても、どうやって助かったの? あっちには動きが素早いモンスターが
居るって聞いたんだけど?」
「あぁ、確かに恐ろしいほど速かったな・・・でも、何とかなったぜ・・・」
「当身で攻撃してね、あれはキツかったよ」
なるほどな、相手の攻撃をわざと食らって、反撃を入れて戦っていたのか、通りでボロボロな訳だ。
「じゃあ、そこまで攻撃力が高くなかったって事か?」
「そうだな、攻撃力自体は本当に無かったな、耐久力も2発受けたら倒れたし」
「完全な素早さ特化だったわけだ・・・じゃあ、魔法でいけたんじゃ?」
「試したが、小規模の範囲魔法だとすぐに逃げちまう、だから厳しかったんだ」
「速いのは厄介だな」
まぁ、何がともあれ、東西南北に湧いてきた厄介なモンスター共は殲滅したって訳だ。
残りは、あの疑心暗鬼のモンスター共を撃破するだけって事か。
「じゃあ、残りはあの虫を始末すれば殲滅完了かしらね」
「虫? なんだそりゃ?」
「私達の姿を真似して、不意打ちしてくるうざいモンスターよ、生存者はある程度救出した
でも、虫を殲滅できたって言う確証が無いから、放置は出来ないのよ」
「ほぉ、だがよ、それじゃあ、殲滅にかなり時間が掛かりそうだよな」
「えぇ、姿を真似るんだから、そのせいで、生き残った人達はまだ疑心暗鬼で満足に動けないのよ」
「マジかよ・・・てか、お前らはどうやって救助したんだ?」
「この子達のお陰でね」
りえるさんは、近くに居た真野達の肩に手を置いて、そう言った。
その言葉を聞き、マスター達も真野の方を向いた。
「この子達なら見抜けるのよ、だから、分かったの」
「こんな子どもがか?」
「えぇ・・・そう言えば、奈々は何処に行ったの?」
「姉ちゃんは報告に行ったよ」
「あぁ、そうなの」
奈々は梨々に留守を任せて、1人で行ったのか・・・1人で行く理由は分からないが。
もしかしたら、ホムンクルスの方に敵意は無いと言う事を知らせるためかもな。
なんせ、今、この街はボロボロだし、ホムンクルス達が攻撃を仕掛けてくる可能性もある。
でも、こいつを残しておけば、人質になるから、敵意は無いと言う証明になるからな。
まぁ、そんなに深く考えては居ないかも知れないが。
「まぁ、良くは分からねぇが、こいつらのお陰で見抜けるって訳だな」
「そうよ、それだけ分かれば十分、さて、あなた達も少し休んだら?」
「あぁ、そうする」
マスター達はギルド管理所の中に入り、ゆっくりと休養をとるようだ。
「りえるさん、俺たちはどうするんですか?」
「少しの間、休んでいましょう、すぐに行って、怪我をしたら大変だし」
「もう何カ所も怪我をしているんですけどね・・・」
「それもそうね、じゃあ、酷くならないようにね」
「それなら納得です」
「じゃあ、俺たちは何か食ってくるっす、修介も来るか?」
「今、この街に一般人は居ないぞ? だから、店も開いてない」
「そ、そうだったぁ! くぅ・・・じゃあ、俺はこの空腹をどうやって満たせば良いんだよぉ・・・」
「はぁ、私が作るよ、修介さんも食べますよね?」
「あぁ、勿論」
「うちらも食いに行こうや、ギルマス」
「そうね、腹が減っては戦は出来ないからね」
俺たちは一旦空腹を満たすために、ギルドの中に戻った。
何だか、かなり久々だな、ギルドの中は。
やっぱり、ここが落ち着くような気がする。
「いやっふぅ! 久し振りの帰宅だ!」
「そうだな、俺たちは何週間ぶりかだな」
「やっぱり、ここが1番だよね、何だか落ち着くし」
「うん、ギルド、皆居るから楽しい!」
「それじゃあ、待っていてください、すぐに皆さんのお料理を作ります!」
「あぁ、分かった」
俺は久々に自分の部屋に戻った、部屋は何だか出て行く前よりも綺麗になっているな。
布団は整っているし、ゴミも無いし・・・しかし、俺がベットの下の落として取るのを諦めた本が
まさかの部屋の机の上に置いてある・・・まぁ、あっち系の本じゃ無いから良いんだけどさ・・・
これがもしもそれだったら、俺はきっとショックで少しの間動けなくなってるだろうな。
・・・俺の頭の上に癒子が居てくれて良かったと、心の底から思うよ・・・こいつが居るから買わないわけだし。
「お部屋! 久し振り!」
「あ、あぁ、そうだな」
「綺麗になってる!」
「あぁ、本当に綺麗になってるな・・・うん」
「これで、私は飛び回れる!」
癒子はかなり嬉しいようで、もの凄く満面の笑みを浮かべて、部屋を飛び回った。
俺のベットの上に乗って、飛べるだろうに、何故かぴょんぴょんと跳ねたり。
まるで小学生の子どもみたいだ、少し言葉が達者になったと思ったが、やっぱり精神はまだ子どもだな。
「随分と嬉しそうだな」
「うん! やっぱりここが1番落ち着く!」
「確かに、そうだな」
俺は癒子と会話をしながら、自分のベットの上に座った。
何か、この部屋には椅子があるのに、そっちよりも、ベットに座るんだよな。
まぁ、この部屋だけだけどな。
「あはは! あはは!」
「俺の髪を引っ張るな」
癒子の奴、今まであまり髪を引っ張らなかったのに、今日は随分と引っ張るな。
それだけ、テンションが上がっているって事か。
それから少しして、1階の方から大きな声が聞えてきた。
「皆さん! ご飯が出来ましたよ!」
「あぁ! 分かった!」
俺は部屋から出て、久々にこのギルドで食べる飯を堪能することにした。




