不利な状況下
俺達は全力で遥人達がいる場所に急いだ。
報告は無いが、こんな状況だ、いつ何があってもおかしくない。
「結構遠いのね」
「まぁ、それなりの距離がありますからね」
いくらグレンが速かろうと、俺達を乗せてるし、全力の移動は出来ないからな。
「あまり急がなくても良いんじゃないか? 本部近くなら何の問題も無いだろうし」
「そうだと良いんだけどね・・・」
ミミさんはそう言うが、少し不安なんだよな。
そして、しばらく時間が経ち、俺達は何とか本部付近まで近寄れた。
「な、まさか!?」
ようやく着いた俺達の目の前に現われたのは、かなりの被害を受けた本部だった。
「なんで本部が!?」
「報告とかは無かったんですか!?」
「な、無かったわ・・・全く、そう言えば、モンスターが出てきた時から何も・・・」
俺達がかなり困惑して、走っていると、目の前に美香が見えた。
「美香!」
俺は急いでグレンから飛び降り、美香に近寄った。
「おい、美香・・・どうし」
「ぐらぁぁ!」
「な!」
俺が美香にある程度近寄ると、グレンがいきなり美香を攻撃した。
「グレン! な、何してんだ! 勇次!」
「お、俺は何もしてない、グレンがいきなり美香を攻撃した!」
「わ、訳が分からない! と、とにかく美香! 大丈夫か!?」
さっぱりどういうことか分からないが、とにかく今は美香だ!
俺は急いで美香の方を振り向いて見た、しかし、そこにいたのは美香では無かった。
「な、何だ・・・この訳が分からない生き物・・・」
そこにいたのは美香では無く、気持ちの悪い虫の様な生き物だった。
「・・・・・・は?」
「ぐるるるぅ・・・」
グレンはその虫の様な生き物に対し、強く威嚇行動を取った。
そして、一気に近寄って、その虫を踏みつぶし、撃破した。
「な、何だってんだよ! 美香じゃ無いのか!?」
「・・・美香じゃ無いよ、グレンにはそれが分かってたみたいだね、一緒に居たし」
「ど、どういうことだ?」
「あれは美香じゃ無い、多分、あの虫が擬態した姿だったんだよ」
姿を真似るモンスター? そんなモンスターが居るのかよ・・・
「そ、そんなモンスターが居るのか?」
「少なくとも、私は知らないわ、そんなモンスター」
「私も知らない、でも、実際に居たんだから・・・多分、新しく出てきたモンスターだと思う」
あのホムンクルスの少年が言ってた感じのモンスターか・・・
新しく出てきた本来居るわけのないモンスター・・・
「あと、言っておくけど、あの亀のモンスターもモンスターをわんさか生んだ奴も私は知らない」
「じゃあ、あのモンスター達がホムンクルス達が言ってた・・・モンスターか?」
「多分ね、私も詳しくは無いんだけど、あまり聞いてないし」
真野はあの後すぐに俺達に付いてきたからな、詳しくは分からないだろう。
「とにかく、今は急ぎましょう、とりあえず知り合いに会っても警戒して近寄る方が良いわね」
「はい、そうですね」
「それじゃあ、グレンに乗って、本来は手分けして探すけど、こんな奴が居るんなら離れない方が良い」
「確かに」
俺はグレンの背中に再び乗った。
そして、それと同時に、後方から奈々と梨々と思われる人物がやって来た。
「うわぁ、お、遅かったね、お姉ちゃん」
「えぇ、もう少し早く来れば良かったけど・・・」
「お、お前ら・・・」
「あ、丁度良いところにいた! 伝えたいことがあるんだ!」
「・・・真野、あいつらは本物か?」
「・・・うん、本物だと思う」
「・・・やっぱり、あなた達は本物か、モンスターの気配は2つしか無いし、妖精も居るからね」
とりあえず、あいつらは本物らしいな。
「勇次君、大丈夫そうよ」
「はぁ、そう見たいっすね」
グレンは背中を降ろし、2人を乗せるための体勢を取った。
その行動を見て、奈々達はすぐにグレンの背中に乗った。
「よいしょっと」
「皆に言わないといけないことがあるんだ」
奈々達はグレンの背中に乗ってすぐに話を始めた。
「どんなことだ?」
「モンスター、こっちにヤバいのが沢山来てるんだよ、もう、分かってるだろうけど」
「あぁ、擬態する奴とかだろ?」
「うん、その他にも普通だとあり得ないけど、交戦相手が増えると強くなる奴
恐ろしく頑丈な奴、いくらでも増える奴、とんでもなく速い奴が居るんだよ」
「やっぱり、あいつらも特殊なモンスターだったのか」
「え? も、もう会ったの? 逃げてきたの?」
「いや、倒したな、とんでもなく速い奴と擬態する奴以外は」
俺のその言葉を聞き、梨々と奈々はかなりビックリしたようだ。
「うそ・・・そんな簡単に倒せる相手じゃ・・・」
「そ、そうだよ! 特に硬い奴なんて、私達はダメージも与えらられなかったんだから!」
「でも、倒したもんは仕方ないだろう」
「そうね、結構すんなりと倒してたわね・・・」
「こ、怖いわ、探検家怖いわ・・・」
「いや、あの亀は修介君だから倒せたんだと思うわよ、うん」
「・・・さ、流石は私とお姉ちゃんを苦戦させただけあ、あるよね、う、うん」
2人は俺の方を見て、少しだけ怯えた表情を見せた。
俺、そんなに怖いかな・・・何もあんなに怯えないでも良いのに・・・
「とにかく、それは良い、それよりもさっさと擬態する奴を倒さないと!」
「そうだね、速く、モンスターのことを教えて」
「あ、えっと、あのモンスターは何かに完全に擬態できるの、私達はそれを見抜けたりするんだけど
普通はそのモンスターの擬態は見抜けないんだよ」
「ふーん、所でお前らは何でここに特殊な奴が居るって分かったんだ?」
「仲間が監視してたんだよ、だから色んなモンスターの情報が分かったんだ」
ホムンクルスの仲間がここを監視していた? 何でだ?
「なんでだ?」
「重要だからね、協力者のあなた達が居るし」
「そうそう」
「じゃあ、どうやって伝達したんだ?」
「足が速いから、確認して移動ってらしいよ」
原始的だな、まぁ、通話機能とか無いし、それが普通なんだろうけど。
「で、その報告を受けて、お前らが来たのか」
「そうだよ、戦力は多い方が良いからって」
「なるほどな・・・まぁ、確かにお前らが来てくれたのはありがたい」
「そうね、あなた達は見抜けるのよね? そのモンスターを」
「うん、見抜けるよ」
「なら、ここに居るメンバーを分けて行動できる、そうすれば、速く遥人君達を見つけれるわ!」
「そうですね、急がないと不味いですし」
「3チームに分かれるんっすね」
「えぇ、じゃあ、軽くチーム分けするわよ」
りえるさんの指示で別れたチームは俺、真野、シルスの機動部隊
愛、梨々、リエさん、明美の部隊、りえるさん、勇次、ミミさん、奈々の部隊だ。
俺達のチームだけ2人だな、シルスが誰かを乗せて移動できるのは2人が限界だから仕方はないか。
「それじゃあ、このチーム分けよ、見つけたら一緒に行動よ」
「分かってますよ」
「それじゃあ、探すわ! 散開!」




