援護行動
ふぅ、一通り治療が終わったな、しかし、30も持ってた薬草がこれで結構減ってしまった。
でも、2桁あるのは変わってないな、やっぱり、買いすぎたんだろうか。
だけど、薬草は安いからいくらでも手に入るんだよな。
「・・・・・・」
しかし、こいつらの体力は殆ど完全に回復した筈なんだが、未だに起きないな。
「起きないな、どうしたんだ?」
「シノ! いい加減に起きろって! 寝たふりは良いからさ!」
真央は必死にシノを起こそうとしているが、起きる気配は無い。
後ろで弱ってた奴らは1人ずつ目を覚まして行ってるんだけどな。
「なんで起きないんだ?」
「私が知りたい! 起きろ! シノ!」
真央は必死にシノを揺さぶって起こそうとしているが、やっぱり起きない。
「シノ! シノってば!」
流石にそんな状況で最悪の事態を想定してしまったのか、真央が少しずつ泣き始めた。
そして、戦闘時の性格も変わり、ゆっくりと普段の性格になっている。
だけど、それでも必死にシノを起こそうと揺さぶっている。
「シノちゃん! 起きてってばぁ!」
全然起きないシノを見て、真央は完全に泣き出した。
それだけ、仲がよかったって事か。
「・・・・・・う、うーん・・・耳が痛い・・・」
その必死の呼びかけに寄ってか、シノが目を覚ました。
「シノちゃん! シノちゃん! 良かった!」
「え!? 真央!? 何? 何でここに!? てか、なんで抱きしめてるの!?」
「うわぁぁぁぁ!」
「泣いてたら分からないってばぁ!」
シノが無事だったことがとても嬉しかったのか、真央はただひたすらに泣いた。
それはもう、この建物全体に響くほどにだ。
「無事で良かったね」
「そうですね、にしても、かなり大きな声だ」
「こりゃぁ、あのシノって子、相当耳が痛いだろうね、あんな至近距離で泣かれてちゃね」
「確かに」
そして、真央の泣き声が止んだのは、それから10分ほど経過したときだった。
「さて、泣き止んだね」
「うぅ、真央、泣きすぎだよ・・・少し耳が痛いよ」
「あ、あはは・・・ごめん、嬉しすぎて、つい」
「全く、嬉しいんなら泣くんじゃ無くて笑ってよ・・・前も言った気がするけどさ」
「本当に心の底から嬉しかったら、私は泣いちゃうんだ、前にも行った気がするけど」
そして、少ししてから2人の笑い声が聞えてきた。
本当に、仲が良いんだな、あの2人は。
「おい、お前ら、さっさと移動するぞ、早く援護に行かないと」
「う、うん、分かったよ」
「援護? 何処に援護に行くの?」
「俺達はそうだな、シルバーバードとギルド同盟の主力が戦ってる場所に行くぞ」
「ふーん、面白そうだね」
「面白いって・・・まぁ良い、それと、そこはモンスターが出てるって話だぞ」
「あぁ、だから援護に行くのか、ようし! じゃあ、私に付いてきてよ!」
「いや、お前は迷うじゃん、とりあえず、俺が先導するから」
「ぐぬぅ・・・わ、分かったよ、私達は強い人に従うよ、そう言う方針だから、ジャッチメントは」
「じゃあ、付いてきてくれ」
そして、俺は第3遊撃部隊のメンバーを仕切って、激戦区の方に移動することにした。
確か、ここからあの目的の場所はそこそこ離れてるはずだ。
出来るだけ急いで合流しないと、何があるか分からないし。
「まぁ、とりあえず急ぐぞ、あぁ、シノは先に進んでくれ、そんで何かあったら報告頼む」
「はいは~い、任せてよ、上を通れるんなら、私は迷わないし」
そう言うと、シノはすんなりと近くの少し大きめのビルの上に乗った。
やっぱり、いつ見ても凄いな、まさに偵察者って感じだ。
「それじゃあ、先に行ってるよ、あ、皆の場所はちゃんと見てるから」
そして、素早く先に移動してった。
「それじゃあ、俺達も行くか、もしかしたら道中にシルバーバードの連中がいるかも知れないし
一応警戒しながら移動していこう」
「分かったよ」
「真央さんもしっかりと付いてきてくださいよ」
「分かってるよ・・・うん」
真央が俺の言葉に対して、結構ハッキリと返答してくれた。
少しだけ俺になれてくれたのか? ありがたいもんだ。
「よし、移動するぞ」
俺達は周囲を警戒しながら移動していった。
その道中で、潜伏しているシルバーバードの奴の姿も見えたが、攻撃はしてこない。
先手必勝で仕留めるかどうか悩んだが、敵対心を見せていない奴を攻撃するのはな。
「どうするか・・・」
「シノちゃんがいる、から」
真央のその言葉の通りで、その潜伏していた奴らの方に近寄ってみると、拘束されていた。
「拘束されてるな」
「シノちゃんだね、瀕死で、生かしてるみたい」
「敵対心を見せなかったからか?」
「多分・・・そう・・・」
まぁ、拘束されてるならトドメを刺すことも無いだろう。
とにかくさっさと目的地に移動しないとな。
その後も俺達はシルバーバードのメンバーに当ったりしたが、基本的に敵対心は無かった。
「なんであまり攻撃してこないんだ?」
ふと気になり、俺は1人のシルバーバードのメンバーに話を聞いてみることにした。
「今は、それどころじゃ無いんだ、仲間が何人もモンスターに狩られてる
もう、事はギルド間の戦争所じゃねぇ、指示も来た、モンスターを優先的に狙えってな」
「お前らとしては、この状況は良いんじゃないのか?」
「馬鹿言え、モンスター共が俺達を狙ってるのに、良いも何もねえよ!」
ふーん、モンスターが湧いてきたから、交戦を避けることにしたか。
確かに賢明な判断だな、お互いの戦力を消耗するのは良くないし。
それに、このギルド戦争に参加してるギルドが壊滅すれば、そのモンスターに対抗できる様な
勢力はもう無いと行っても良いだろうしな、全く、面倒なタイミングに出てきやがったよ。
「とにかくだ、俺達は今はあんたらと戦うつもりは無い」
「そうだろうね、少なくともお前さん方がうちらに戦いを仕掛けても勝てないだろうしね」
「・・・そうだよ、それもある、この戦力差で勝てるわけ無い」
この男の部隊は僅か10程度だ、多分少数部隊って奴か、もしくはモンスターに襲われたか。
どちらにせよ、この戦力じゃ俺達には勝てないだろうな、例え、奇襲を仕掛けようとも。
「さてと、それじゃあ、さっさと目的の場所に行こうか」
「そうだな」
そして、俺達は急いで主力部隊が戦っている場所に移動した。
それから、ようやく到着した俺達の目の前に現われたのは、あの鬼のモンスターの時よりも
酷い惨状だった、殆どの主力部隊は壊滅、一部の強者達が協力して戦っている状況だった。
そして、その中には当然、りえるさん達の姿もあった。
「りえるさんだ!」
「ヤバくないかい? かなり押されてるよ!」
「急いで援護しないと!」
俺達は急いでりえるさん達の方に援護に向った。
「はぁ、はぁ、何この状況? 何で私達生きてるのかしら?」
「そりゃあ、同盟の主軸のマスターが同時に戦ってるんだ、そうそう簡単にくたばるかよ・・・」
「あはは、でも、このままだとヤバくない? 前衛2人に後衛2人? ヤバいって」
「その上、何だあの亀は・・・全くダメージが入ってるようには見えない」
「ぎゃぎゃぁ!」
「く、来るぞ!」
「迎撃出来るかな?」
「やるしか無いでしょう!」
何だかよく分からない亀のようなモンスターがりえるさん達の方に突進して行ってる。
「シルス!」
「がう!」
俺はシルスに乗っかり、最高速度でその亀のモンスターの方に接近していった。
それにしても、あの亀はかなりヤバそうだ、りえるさんの弾丸も弾いてるし。
魔法もはじき返している、これは相当だろうな。
でも、だからといって怯みはしない!
「やっぱり駄目! 弾かれてる!」
「仕方ない! 俺が受け止めて!」
「うおぉぉぉぉ!!」
「こ、この声・・・修介君!?」
「この、亀が!{焔斬り}」
俺は何とか亀のモンスターがりえるさん達に当る前に接近して、焔斬りで攻撃した。
そして、確かに攻撃は当たり、そこ攻撃には確実な手応えを感じた。
「ぎゃがぎゃぁ!」
「っしゃぁ!」
その手応えは確かに本物で、その亀のモンスターは派手に怯んだ。
「あいつ・・・あの亀にダメージ与えやがった!」
「・・・助かったわ」
「りえるさん、これはどういう!?」
「説明は後よ、あまり時間に余裕も無いし! さっさと倒すわよ!」
「了解しました! 速攻で仕留めます!」
俺はシルスにまたがったまま、武器を構えた。
こいつもあの男と同じタイプで完全防御型だろう、だが、俺の能力の前では、無力だ!




