後衛無しの総力戦
ミミさんも合流した、しかし、その影響で、相手は攻撃力上昇だな。
面倒極まりないが、やるしか無いんだろうな。
それに、あまり時間は掛けられない、時間を掛けすぎると、愛が持たない。
あいつは俺達とは違って、回避能力が高いわけじゃ無い、防ぐことしか出来ない以上
攻撃力が上昇した相手に時間を掛けてたら削りきられてしまう。
後衛のヒーラーとかが居ないと、これだけ厄介な事になるなんてな。
ダメージも低いし・・・これは、俺が何とか削ってかないと。
でも、その前に、ミミさんにHPを消費するスキルを使わないように言わないと。
「ミミさん、一応釘刺しときますけど、HP消費するスキルの使用は止めてくださいよ」
「はいはい、分かってるさ、回復が居ないんだ、不利になることはしない{クラッシュ}」
ミミさんはちゃんとMP消費の方のスキル、クラッシュで相手を殴ってくれた。
この様子なら、あまり心配することはないだろう。
「ぐがらぁ!」
俺にめがけて、外れた方の腕が飛んできた、本当に、何か気持ち悪から止めて欲しい。
「舐めんなよ!」
俺はその攻撃を回避し、攻撃を仕掛けようとしたが、止めた、少し、嫌な予感がしたからだ。
「がらぁ!」
「くぅ!{カマイタチ}」
嫌な予感は的中して、鬼のモンスターは本体の方の腕で攻撃を仕掛けてきた。
俺はその攻撃を急いで迎撃したが、止まらない!
やっぱ、カマイタチじゃあ、削りきれないか? ヤバい気がする。
「せーの!」
「がうあぁ!」
「お前ら!」
俺の方に飛んできた本体の攻撃を、横から走り込んできた真野とシルスが弾いてくれた。
あ、危ないな、あの援護が無かったら、確実に食らってたぞ!
「ありがとよ!」
「援護は、任せてよ!」
「がう」「死なれては困るからな」
真野、自分の言葉を話した後に、すぐにシルスの翻訳をした。
そして、真野はその翻訳の言葉を話すときに、何故かキリッとした表情をした。
もしかして、シルスの演技か? 何か、あいつのキリッとした表情は、何か似合わないな。
いや、今はそんな事どうでも良いか、さっさと間合い詰めて、追い打ち仕掛けないとな!
「しゃぁ!」
「遠隔で飛んでくる腕はあたしが止める! 先輩はドンドン行っちゃって!」
「ヤバくなったら、ちゃんと言えよ、愛」
「勿論、報告は大切だから」
「そうなったら、私が、回復する」
「ありがとう、でも、今は大丈夫だから! 先輩、行っちゃって!」
「分かった!」
俺は合いにそう言われて、一気に間合いを詰めることにした。
しかし、左の後は、右の拳が俺を捉えて、攻撃をしてくる。
これは、完全に警戒されてるな、俺。
まぁ、実際この中で1番ダメージ稼げるの俺だし、狙われるのは当然なんだよな。
「うちの相手も、して欲しいね!{ダウンショック}」
「がぐぁ!」
しかし、丁度近場に居たミミさんが、ダウンショックで腕を叩き付けた。
そして、その勢いに引っ張られて、鬼のモンスターはバランスを崩し、地面に膝を突いた。
確か、ダウンショックは引っ張る力が強いから、モンスターがダウンしやすいんだよな。
この状況下では、最高の攻撃だ。
「流石ミミさん」
「あまりこういう戦い方は好きじゃ無いんだけどね、仕方ないさ、ほら、追い打ち!」
「分かってますって!」
俺はそのまま一気に鬼のモンスターの間合いを詰めていった。
そして、ある程度接近した一瞬、黒い影が左足の方に接近しているのが見えた。
多分、あれは真央だ、影に隠れて、攻撃のチャンスを見計らってたんだな。
じゃあ、最初のダウンの時と同じ様に攻撃を仕掛けるかな。
俺は右足の方に接近することにした。
「行くぞ!」
「合わせますよ!」
「じゃあ、合わせな!{フェイタルスタン}」
「はい!{焔斬り}」
真央は鬼のモンスターに短刀をぶっさし、そのまま上に高く飛び上がった。
俺は、それに合わせるために、焔斬りを地面を少し切り裂き、モンスターを打ち上げるように切り裂いた。
そのせいで、少しだけ威力が弱くなった気がするけど、それでも、普通に足を斬るよりは痛いはずだ。
「がぐあぁぁあ!」
「相当痛いみたいだな! じゃあ、トドメだ、楽に死ね!{フラクチャー}」
鬼のモンスターの足を引き裂き、ながら高く飛び上がった真央が1回転して
上空で短刀を突き刺す体勢を取った。
「合わせる{稲妻斬り}」
「もう、節約は良いね{グランドアックス}」
「行っちゃえ! シルス!」
「がらぁ!」
「当れぇ!{ホーリースピア}」
そして、その攻撃に合わせ、全員が一斉に攻撃を仕掛けた。
ミミさんと愛は自分たちが押さえていた腕に対して。
そして、俺達は本体に向けて同時に攻撃を仕掛けた。
「が、がらぁあぁぁあぁ!!!」
「大人しく」
「「「「「くたばりやがれぇ-!!」」」」」
「ぐがらららっぁぁあぁ!!」
鬼のモンスターは最後に大きな叫び声を上げ、爆発するように消滅した。
何か、戦隊物の怪人みたいな最後だったな。
まぁ、怪人とか以上に、多分こっちのが厄介な気がするけど。
「っしゃぁ!」
「あぁ、疲れた」
「そうだね、本当にそろそろ危なかったよ」
「回復する? 回復できるよ?」
「いや、大丈夫、もう、戦いは終わったし、ゆっくりしてたら治るから」
「分かった・・・むぅ~、私、何もしてないや」
癒子は結構ふてくされてるな、声しか聞えないけど、それだけで判断できるほどにな。
でも、こいつが働かないでも良い方が俺達としては良いんだけどな、ダメージ受けてないって事だし。
「お前は居るだけで良いんだ、それだけで安心出来るからな」
「修介・・・分かったよ」
俺の言葉で、あいつは納得してくれたようだ、ま、本当の事を言っただけだけどな。
こいつが居るお陰で、もし大ダメージ食らっても、回復できるって安心して戦えるし。
こいつは絶対にここに居ると言うだけで周りを癒やしてる、流石は癒やしの妖精、癒子だ。
「なぁ、ずっと気になってたが、その妖精は何なんだ?」
「こいつは癒やしの妖精ですよ、いざという時には回復してくれる」
「本当か!? それは凄いな・・・そんな奴が居るなんて・・・」
「でも、1日3回だけですよ、それ以上は無理ですね」
「それでも凄いさ、いやぁ、私達も欲しいもんだ」
「駄目だよ、私は修介の物、修介や、ギルド? の、皆が回復して欲しい人だけ回復するの」
「くぅ、一切迷い無く言い切りやがった、この妖精、小っこい癖して意思がハッキリしてやがる」
癒子はああ言ってるが、何だかんだで、怪我した奴をすぐに回復したがるんだよな。
俺達がちゃんと見てやらないと、すぐに力を使い切っちまうだろうな、こいつは。
優しすぎるのも、時には足を引っ張るもんだな。
「・・・所で、戦闘以外だと口調が戻ると思ってましたが、変わりませんね」
「ん? あぁ、本当だ、どうしてだ?」
俺達がそんな事を思っていると、再び周囲の雰囲気が変わり始めた。
「あれ? これは、もしかしてもう一戦ある?」
「・・・癒子、その、回復してくれる? 流石にこんな短期間で回復は無理」
「分かった、回復する、やっと私の出番!」
癒子は愛に近寄って、回復をした、そして、愛が完全に回復した直後に
再び地面から腕が出てきて、地面から今度は馬鹿でかい金棒を持ってさっきの奴が出てきた。
あれだな、きっと鬼に金棒って奴だな・・・これ、さっき以上に強くなってるよな、絶対に。
「もう1回戦か、良いじゃないか! 面白い!」
「面白がってる場合ですか・・・状況、かなりヤバいですよ?」
「ま、結局やらなきゃならねえんだ、面白がってようが何だろうが戦えるんなら文句はねぇ!」
「あはは、シルス、もう1回だって、大丈夫?」
「がう、がぁ」
「大丈夫なんだ、それにしても、私の心配をしてくれるなんて、余裕だね」
「先輩、あたしはあなたを守る、だから、あなたもあたしを守ってよ」
「勿論だ、お互い前衛職だからな、さぁ、動けるなら一気に行くぞ!」
「分かった、やってやるよ!」
「ががらぁぁ!」
まさかのもう1回かさっき以上にヤバそうだよな、攻撃力とか。
それに、愛ではあの金棒を受け止めるのは厳しいかも知れない。
いや、愛だけじゃ無くて、全員か、恐らく、あの言葉はそう言う意味だろう。
じゃあ、あまり攻勢には出られない、でも、活路はあるはずだ。




