鬼のモンスターVS第3遊撃主力部隊
りえるさんに話をした後、俺は鬼の様なモンスターにシルスに乗って近寄った。
後方から、前方に寄ったため、あの攻撃は来なかったが、こいつの攻撃はキツいな。
「ぐあらぁ!」
「っと」
一撃一撃が、確実にヤバい、まだ1発も攻撃を受けてないが
当ると相当キツそうだな、やっぱり、攻撃特化なんだろう。
「がらぁ!」
「くぅ! せ、先輩が来て、少しだけ強くなったような・・・」
「ん? どういうことだ?」
愛が気になることを呟いた、俺が来て、少しだけ強くなったようなって、どういうことだ?
「ぐらぁ!」
「おわ!」
しかし、そんな事を考えてる暇は無いようだな、こいつの攻撃が激しすぎるし。
一撃一撃で、地面をえぐってくるって、どんな攻撃力だよ。
てか、もしかしたら、シルスは別で戦ってくれた方が良いのかもな。
「シルス、お前はお前で攻撃してくれ」
「がう!」
俺は次の鬼の様なモンスターの攻撃に遭わせて、シルスから飛び降りた。
そして、シルスは素早く鬼のモンスターに突進して、攻撃を仕掛けた。
やっぱり、単体で動いた方が、あいつは強いのかもな。
「だっしゃぁ!」
「ぐがぁあ!」
俺は鬼のモンスターの腕に攻撃を仕掛けて、ダメージを与えた。
だが、腕だと言う事もあり、あまりダメージは稼げないな。
「ぐがらぁ!」
「ちぃ、もう一度俺かよ!」
「先輩! 任せて!」
2発目の攻撃がきて、俺は少しヤバかったが、その攻撃は、愛が受け止めてくれた。
流石は純粋な前衛役だな、やっぱり、頼りになるな。
「ありがとよ! これで、一気に懐に入れる!」
俺は愛が受け止めてくれたお陰で、一気に鬼のモンスターの懐に入る事が出来た。
そして、それと同時に、真央が一緒に走り込んできた。
「一気に! 行くぞぉ!{致命の一撃}」
「了解!{焔斬り}」
俺と真央は同時に鬼のモンスターに攻撃を仕掛けた。
今更だが、この人はアサシンだったんだな、その割にはガンガン前に来てるけど。
「じゃ、後は頼むぞ{シャドウロード}」
そう言い残すと、真央は黒い影に呑み込まれて、姿を消した。
アサシンのスキルだったっけ、いや、これは最上位職のシャドウビーストだな。
影から確実に相手を仕留める、かなり難しい職業だ。
多大なMP消費こそあれど、攻撃力は最高レベルで、周りと美味く連携すれば最強クラスの職業だ。
ただ、燃費が悪く、1人ではかなり厳しい状況になる職業でもあるな、防御も低いし。
「ぐがらぁぁ!」
当然、1人になった俺の方を狙ってくるだろうさ、でも、それは分かっていることだ。
「じゃ、こうだな{影走り}」
俺は後ろに居た真野の方を少しだけ見て、影走りを発動させた。
そして、俺から見て鬼の右の方に移動した。
「がぐぁ!」
「さぁ、食らえ!{黒疾風}」
「倒れちゃってよ!」
真野が、俺の攻撃と同時に、反対の足に攻撃を仕掛けてくれた。
やっぱり、あの後ろを向いたときに、俺がして欲しいことが分かったんだろうな。
「ナイスだ!{影縫い}」
そして、シャドウロードから姿を現した真央が鬼に影縫いを当てた。
確か、この技は相手の移動を少しの間完全に無効化する技だ。
これで、こいつはただの案山子になるわけだ。
「よっし!」
「後は、一斉に攻撃を仕掛ける!」
「よっしゃぁ!」
そして、動きが止まっている鬼に対して、俺達が一斉に攻撃を仕掛けた。
ここでファイアートルネードとかを撃ちたかったが、それだと周りの妨害になるからな。
ここは普通に攻撃あるのみだ。
「行くぞ!{疾風連撃}」
疾風連撃は単純に高速で連続攻撃を叩き込む技だ。
攻撃力は低く、あまりダメージは無い。
しかし、ここに幸運能力が加わると、かなり化ける。
防御無視で威力も上昇する、そして、クリティカルが発動する度に、この攻撃は威力を増す。
単体相手で、相手が動けない状態なら、これ以上恐ろしい攻撃は無いほどの破壊力だ。
「ぐががあぁぁ!」
「これは、あたしも参加した方がよかったかも、でも、回復が優先かな」
どうやら、愛は攻撃には参加せずに、回復をするようだな。
あまり距離も離れてないし、あの拳が飛んでくる距離でもないだろう。
そして、少しして、拘束時間も終わり、俺達は後ろにのけぞった。
「ぐぅ・・・がぁぁ!」
「あんなに攻撃しかけたってのに、まだやろうってのか、頑丈な奴め」
「結構行ったと思うがな・・・」
「でも、動かないよ、多分そろそろヤバいんじゃ無いかな?」
「がう、がぁ」「油断はするな、私の堪が言っている、こいつは、まだ動ける!」
シルスがそう言うと、鬼の様なモンスターは姿が変わり始めた。
まず、自分のあいつの腕が外れだした、あり得ないけど、外れた。
肩から、すんなりと、人の形をしてるのに、どうなってるよ。
「外れちゃってるよ・・・血は出てないけど」
「だから、なおのこと気持ち悪いな、それに、動く回ってるし」
そして、外れた腕は自主的に動き回っている。
更には外れた場所から、再び腕が生えてきやがった。
割とマジに、こいつ、気持ち悪いんだけど・・・
「ぐがららぁあぁ!」
「ま、まだまだ何だ・・・回復しといてよかった」
「本体の攻撃+あの腕の遠隔攻撃・・・嫌らしい奴だな」
「がらぁ!」
「来た!」
鬼の腕の1つが、俺達に向って飛んできた。
「えりゃぁぁ!」
「は?」
しかし、その腕は、横から走ってきた誰かの攻撃によって、弾き飛んだ。
「いやぁ、結構強そうじゃ無いか!」
「ミミさん!? もう来たんですか!?」
「意外と、うちは足早いからさ!」
もしかして、結構近くに居たのか? この人。
気が付かなかったが、仲間が増えるのはありがたいな。
「がらぁぁ!」
しかし、ミミさんが到着すると、鬼の攻撃はさっき以上に素早くなった。
「おっと、は、早いね、随分」
「さっき以上に加速してるぞ? どうなってる!?」
「くぅ・・・こ、攻撃力も上がってる!」
「あぁ、何となくそんな気はしてたけど・・・こいつは、こっちの仲間が増えると、強くなるタイプ・・・か」
「あはは、知ったこっちゃ無いね! 強くなってくれる方がむしろ、面白い!」
ミミさんはそう言うと、更に鬼の方に走り込んでいった。
相変わらず、あの人は戦闘が好きなことで・・・
「まぁ、強くなろうと、上手く戦えば何とでもなる! 全員、気合い入れろやぁ!」
「最初から、気合いは入れてますよ!」
「守るのは任せて、あたしは壁役だから!」
「じゃあ、私も攻撃する」
「がう・・・」
結局、相手が強くなろうが全力で戦うしか無いしな。
俺達は一斉に鬼のモンスターに接近した。




