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鬼のようなモンスター

あの、モンスターの方は準備万端、でも、こっちはまだ準備は整っていない。

後ろで役に立たない奴らはビクビクしてるし、嫌になるな。

俺がそんな事を思っていると、真央はさっきとは違い、本気の表情を見せた。


「ち、話してる暇はねえか、シノ! そこのヘタレ共を下がらせろ!」


そして、後ろに少し下がっていたシノに強い口調で指示を出した。


「へ! 4人だけで戦おうっての!?」

「馬鹿いえ、そこまで自信家じゃ無い、足止めをするだけだ」

「無茶よ!」

「うっさいなぁ! あまり時間が無い! 1回しか言わない! しっかり聞け!」

「はい!」


さっきまで反発していたシノだったが、真央の剣幕に押され、返事をした。


「お前はその役立たず共を下がらせて! 役に立つ仲間を引き連れてこい!」

「は、はい!」


シノは真央の指示通りに、後ろの方でビクビクしている部隊員を急いで立ち上がらせた。


「愛、少し時間稼いでくれ、俺は急いでりえるさんに連絡する方法を探す」

「分かった、出来るだけ速くしてよね!」

「んあ? 何だ、じゃあ、連絡の方は任せる、私は連絡する方法知らねえし」

「あぁ、分かったよ、じゃあ、さっさと探す!」


俺は急いでステータス画面を開いて、連絡する方法を模索し始めた。

そして、ようやく無線という項目を発見した、これでりえるさんに繋げて。


「な!」


俺が急いで無線を起動すると、目の前に、馬鹿でかい拳が飛んできていた。

俺はハッとその事に気が付いた。


「く!{影走り}」


俺は間一髪で飛び上がり、その攻撃を回避することが出来た、そして、シルスの背中に着地した。

しかし、危ないな・・・あと少し、反応がおくれてたら、あの腕で思いっきりぶん殴られていた・・・

それにしても、あのモンスターはあんなに離れてるのに・・・なのに、どうやって俺の近くまで拳を!? 


{どうしたの? あなたから連絡なんて珍しい}

「りえるさん! いま、色々とヤバいんですけど!?」

{どうしたの!? 奇襲でもうけたの!?}

「えぇ、モンスターのですけど! うお!」

{え? 何!? 戦闘中なの!? 普通相手の目の前で連絡はしないでしょ!?}

「違います! ここは結構後方なんですよ、でも、相手の拳がたまに飛んできて、おわ!」

{はぁ!? 拳が飛んでくる!? そんな馬鹿な話があるわけないでしょ!?}

「事実飛んできてるんですよ! とにかく、何とか援軍を下さい!」

「がう!」

「え? 何だ? 真野が居ないから分からない、うお!」


シルスが吠えて、少ししてから拳が飛んできた、まさか、こいつ、分かるのか?


{あぁ、もう、訳が分からないわ!}

{りえる! モンスターだ、モンスターが出たぞ!}


俺とりえるさんが話をしていると、横からバーンソニックの倫次の声が聞えた。

恐らく、これは無線だろうな、倫次が無線でりえるさんに話しかけてるのか。


{はぁ!? モンスター!? ちょっと! 今度は何よ!}

{シルバーバード本体と、バーンソニックの攻勢部隊の中心にモンスターだ! かなり強い!

 だから、お前の所の手練れを援護に出してくれ! 修介とか言う男もだ!}


倫次の口調は、結構切羽詰まった感じだった、それだけヤバいって事だろう。

下手したら、今俺達が戦ってる奴よりも強いのかもな。

しかし、俺も今この場を離れるわけにはいかない、こいつを止めないといけないからな。


{残念ね、修介君はいま別のモンスターと交戦中よ、こっちもかなり強いみたい!}

{そんな馬鹿な!? どうなってやがる!}


どうやら、他の場所にもモンスターが出てきたみたいだな・・・あぁ、もう、さっきっから拳がうざい!

シルスのお陰で何とか回避できてるが、こんなの普通は回避できないっての!

て言うか、愛達の方には飛んできてないようだな、厄介な。


{あぁ、聞えてると思うけど、こっちも厄介ごとよ、とりあえず、そっちには明美を送るわ}


明美は後衛職だ、こいつの攻撃を考えると、明美は不味い、光の拳による攻撃は俺にしか飛んでこない。

恐らく、あの攻撃は後衛を狙う攻撃だ、そうじゃなければ、俺だけを狙う訳がない。

あんなに強力そうで、速く、巨大な攻撃をな、あいつは多分後衛キラーだ。


「ちょっと待ってください、明美は不味いかも知れない!」

{え? 何で? あの子じゃ力不足とでも言うの?}

「そうじゃない、多分、推測ですけど、っと、今戦ってるモンスターに後衛は不味いんですよ!」

{どういうこと?}

「俺を襲っている、よく分からない拳は、今、後ろに居る俺の方にしか飛んできてない!」

{そうなの?}

「くぅ、はい、俺はシルスのお陰で回避できてますが、回避は恐らく普通には不可能!

 もしも、明美が来たら、狙われる可能性が高いです!」

{・・・じゃあ、仕方ないわ、ミミをそっちに送るから、正確な場所を教えて頂戴!}

「分かりました!」


俺はりえるさんにこの場所の正確な位置・・・は、無理だから。

街の西から出てきて、その近くに大きな石がある事を告げた。

そもそも、この場所は目立つはずだし、すぐに分かりそうだけどな

街の西から出てきたって事が分かれば。


{分かったわ! じゃあ、ミミが到着するまで、何とか堪えなさい!}

「はい!」


俺は通信を終わらせると、あの鬼のようなモンスターの方に近寄っていった。

その際に2回ほどあの拳が飛んできたが、それはシルスが回避してくれた。

本当に、こいつが仲間になっててくれてよかった。

そして、鬼のようなモンスターの攻撃のあの拳の攻撃は、ある程度近寄ると飛んでこなくなった。

やっぱり、予想通りだったな、あの攻撃は、後衛限定だ。

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