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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第16章、ギルド戦争
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迷って迷って

第3遊撃部隊に合流し、遭遇したプレイヤー達を撃破はしたが・・・

さて、これからどうするか、それは、ここで怯えている部隊長さん次第だな。

さっきはあんなに男勝りに指示を出していたのに、やれやれ、変わるもんだ。


「で、真央、これからどうすんの? ここでダラダラしてるのもね」

「うん・・・そうなんだけど、私、指示とか苦手だから・・・」

「戦闘の時は変わるのに・・・何でギルマスは真央を戦闘部隊に配備しなかったんだろう」


確かに、戦闘の時に思いっきり覚醒するなら、普通に戦闘部隊の方が向いていそうだな。

でも、さっき戦ったときの指示や作戦をみてみると、奇策が好きらしい。

俺が目眩まししている間に、仲間を隠し、一斉攻撃だからな。

それなら、少数で動く遊撃部隊の指揮が適役のような気もする。


「うーん、じゃあ、あんたがそいつの代わりに指示をすれば良いんじゃないか?」


俺は真央と会話をしていた女の子に、そう言ってみた。

この子なら、活発に動けそうだしな。


「え? 私が?」

「あ、良いかも、私の代わりに指揮官やってよ」

「い、いや、でも私は、ほら、指揮って苦手で・・・特に戦闘の指揮なんてさっぱり分からないし」

「じゃあ、基本的な行動を真央から聞いて、行動すれば良いんじゃないか?

 それで、戦闘の時は指揮権を戻すとか」

「そ、それなら、まだ私にでも出来るかも?」

「うん、それが良いよ!」


そして、真央は偵察の女の子を呼び、地図を広げ、なにやら話をしている。

きっと、大まかな指示を伝えているんだろう。


「うん、分かった、ここだね」

「そう、ここ」

「じゃあ、皆、私に付いてきて!」


そう言うと、あの女の子は近くの建物の壁をかなり簡単に上っていき、すぐに屋上に上った。


「よし、こっちだね!」

「ちょっと! シノちゃん! 何で上がってるの!?」

「え? だって、こっちだって言ったじゃんか」

「そんな事あなた以外殆ど出来ないよ! 私達の部隊は偵察者はシノちゃんくらいしか居ないんだから!」

「え? 大丈夫だって、偵察者じゃ無くっても、壁ぐらい上がれるっしょ!」

「無理だからぁー!」


・・・これは、大丈夫なのか? いや、駄目な気がする。

まぁ、別に俺らは上れるんだけどさ、でも、他は無理だし。

特に愛なんて絶望的だ、防具が重いし、武器もかなり大きいからな。


「私達は武器が重いんだから! シノちゃんみたいな軽装じゃ無いよ!」

「じゃあ、鎧を捨てれば良いじゃん」

「役割果たせなくなるよ!」

「そうだ! 流石にそれは無理だぁ!」

「私達後衛なんて登れるだけの筋力無いし!」

「ちぇ、文句が多いなぁ、分かったよ、普通に行くよ、全く、これが1番の近道なのにさ」


シノと呼ばれていた少女は小さく文句を言いながら、屋上から降りてきた。

かなり慣れた手つきだな、流石は偵察者、でも、同じ偵察者でも、あいつとは大違いだな。


「じゃあ、こっちだね、分かったよ、えっと地図ではこうだね」


シノは降りてくると、地図を広げ、目的の場所に歩き始めた。

俺達はそのシノの後を付いていくことになったが、何となく不安だ。

そして、その嫌な予感は、まぁ、見事的中してしまった。

何故だか知らないが、俺達は街から出てた。


「あれ? 何で街から出たんだろ?」

「・・・・・・はぁ」

「てへ、いつも屋根の上ばかり飛んでたから、道間違えちゃった!」

「てへ、じゃねぇよ!」

「で、でもほら、あそこに沢山倒れてるじゃん、丁度良いよ」


シノがそう言い、指を刺した方向を見てみると、かなり遠くで見えにくいが、確かに誰かが倒れてた。

だけど、俺が確認できたのは1人だけ、でも、彼女は沢山という。


「1人しか見えないよ?」

「え? 皆、目が悪いなぁ、近寄ったら分かるよ」

「あ、あぁ」


俺達はシノの後に付いていき、その場所に近寄ってみた。


「これは・・・確かに沢山だな・・・」

「・・・え? こんなに倒れてたの?」

「・・・怖いです」


その場所では沢山のプレイヤー達が倒れていた、数は数え切れない、全員瀕死の状態だ。

それにしても、こいつらは・・・シルバーバードか?


「お、おい、お前ら」


俺達はその状況に驚愕して、ゆっくりと近寄った。


「やめ・・・ろ・・・来るなぁ・・・」


俺達が近寄ると、1人、意識が残っていた男が、俺達を制止した。

しかし、それと同時に、その男が黒い何かに飲まれた。


「う・・・がぁ・・・!」

「おい!」


そして、連鎖的に、周りに倒れていたプレイヤー達も同じ様に何かに飲まれ始めた。

その様子を見ていた俺達の仲間は当然ながら、恐ろしいほど動揺した。

それは仕方のないことだ、普通はあり得ない・・・人が黒い光にのまれるなんざ・・・


「にげ・・・ろぉ・・・」


プレイヤー達は不自然に動き始め、中心で1カ所に集まった。

そして、全員が中心に集まると、地面から出てきた大きな腕がその人達を掴んだ。


「何だぁ!?」

「これは・・・どうなってるの!?」

「がグガががぁあぁ!」


その腕がプレイヤー達を掴み、強く握りしめると、そのプレイヤー達は一気に姿を消した。

そして、その後すぐに、その腕から、大きな鬼のような化け物が出てきた。


「ひぃ・・・」

「どうなってやがる・・・」

「これは・・・ヤバいよね、絶対に」

「え? 何? あんだけ居たのを倒した化け物を、私達この人数で戦うの?」

「うぁ・・・」


俺達6人以外は全員怯え始めた、もう、戦えそうには無いな。

となると、え? 5人だけであんな化け物と戦うのか?

後衛も居ない状況で? それはヤバいぞ・・・かなり不利だ。


「ヤバいよこれ、一旦逃げるべきじゃ無い?」

「本気で言ってんのか? 私達が逃げたら、街にこいつが突っ込んでくるぞ?」

「そうだな、ここは何とか抑えねぇと・・・てか、あんた、やる気だな、人変わってるし」

「こんな状況で引けるかよ、で、あんたらは怯えてないが、何でだ? お前らも

 後ろでビクビクしてる役立たずみたいに怯えるかと思ったが?」

「あたしたち、これでも、結構死線をくぐってるから、なれてるんだ」

「ま、そういうことだ」

「グガがらぁぁ!」


俺達が会話をしていると、あの鬼のようなモンスターは馬鹿でかい声で叫び始めた。

どうやら、向こうは準備が出来たらしい。

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