表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第16章、ギルド戦争
108/201

奇襲

奇襲作戦、今回の戦力差をひっくり返すには、かなり重要な立ち位置だ。

この奇襲が成功すれば、相手の戦力をかなり削ぐことが出来る。

だが、そのそぎ落とすが出来なければ、圧倒的に不利な戦力差で戦うしか無い。

そうなれば、勝ち目が更に薄くなるからな。


「何だ! あいつらは!」


やっぱり、バレずに接近するのは至難の業だよな。

いやはや、一斉にバレちまったか。


「魔法部隊! やれ!」

「了解!」


魔法使いの部隊も居るのか、でも、魔法部隊は中心に集まっているな。

まぁ、確かにあそこが1番安全だからな、だけど、そうなると攻撃するときに隙は出来る!


「急いで射線を開けろ!」


周囲を固めていたメンバー達が、急いで魔法使いの射線を開けるために移動を始めた。

その少しの間に、絶対的な隙がある、でも、俺達は接近しているし。

そうなると、周りの部隊が道を開けるわけ無いよな。


「前衛共! 奴を止めろ!」

「はい!」


やっぱり、周りの前衛達は俺を止めるために走ってくる。

確かに数は多いし、処理するのは厄介だろうが、手はある。


「シルス!」

「がう!」


シルスはある程度兵士達の方に接近して、斜めに飛び下がった。

そして、その飛び下がった場所には大きめの建物がある。


「なに!」

「ぐらぁ!」


そして、そのマンションを蹴り、俺達は一気に敵が集まっている場所の中心まで移動した。

これが、かなりの不意打ちだったようで、周りの奴らは一瞬だけ固まった後

俺達の方に武器を向けようとした、でも、もう遅い、あの一瞬が無ければまだ何とかなったろうに。


「食らえ!{アースクエイク}」

「は、範囲魔法だ!」


中心まで移動すると同時に、アースクエイクを放った、範囲は相当だ。

それに、その範囲内にいる奴ら全員にぶち当てることが出来る。

本来火力が低いこのアースクエイク、でも、確定クリティカルでかつ多段ダメージ。

この魔法を回避するには空に逃げるしか無いが、そんな余裕は無いだろうよ。


「うわぁ!」

「何だ! このダメージ!」


こう言うときに、俺の幸運能力は大活躍だ、数が多い相手を殲滅する

普通の範囲魔法は威力が低いせいで、プレイヤー相手ではあまり機能しない。

そのプレイヤーの魔法に対する防御次第では雀の涙程度のダメージしか与えられないからな。


「やっぱ、あんたは厄介っすね! 面倒でさぁ!」

「おわ!」


上空から何処かで聞いたような声と、魔法が俺の方に飛んできた。

あの時、俺と真野を攻撃してきた少女はここに居たのか。


「おま! ここでそんなぶっ放したら! ここら辺の奴も巻込まれるぞ!」

「知ったこっちゃねぇですよ! あんたを仕留めにゃ、私らは不利だ! なら、多少の犠牲を

 払っても、私はあんたを仕留めてみせやしょう!」

「くそ!」


あの少女は、空から容赦ない魔法攻撃をぶっ放してきた。

その攻撃を回避すると、地面で寝転んでる奴らに当る。

これは、あいつのせいで被害が広がってるんじゃ無いか!?

一応まだこいつらはくたばっちゃ居ない! トドメを刺したわけじゃないし。


「とにかくこの場から逃げるぞ!」

「がう!」「しょうが無いな」

「逃がすわきゃねーでしょうが!」


少女はずっと上空からの攻撃を仕掛けてきた。

あの魔力量は本当にヤバい、それにしても、やっぱ空ってだけあって移動も速い。

地上と比べて、妨げる物が無いからな、あぁ、もう、しれっとストームの射程外だしよ!


「シルス! とにかく走れ! 攻撃が来た場合は言うからよ!」

「がう!」「任せたぞ!」


俺は手綱を持って、落ちないようにすれば良いだけのことだ。

その間、俺はあいつの攻撃を伝えないと・・・ん? あいつ、何だか口を動かしてる

大きな声じゃ無い、小さく呟いているようだ・・・これは・・・嫌な予感がするな。


「どりゃぁ!」


その口を小さく動かすのが終わると、少女は魔法を放ってきた。

そこは別れ道で、左の方の道を塞ぐように放ってきている。

これは、少しだけ嫌な予感がするが、考えすぎか?

当然と言えば、当然だが、その攻撃があって、シルスは逆の方に走っていった。

攻撃された方に逃げるなんて、基本的にそんな真似はしないからな、その場に狙いが定まってる訳だし。


「大人しく当ってくだせぇ!」

「がう」「厄介だな、あやつ」


そして、ひたすらに進み続けて、次の別れ道だ。


「癒子、少し代わりに後ろを見ておいてくれ」

「え?」


俺は癒子に代わりに後ろを見ておいてくれとお願いし、俺は前を見る事にした。

ここは十字路だ、正面、左、右と移動する場所がある。


「逃がさねえですよ!」


そして、少女は正面を狙って攻撃を仕掛けたようだ。

魔法の軌道から、そう考えるのが妥当だろう。

このまま突っ走れば着弾するかな。


「シルス、正面狙いだ、でも、そのまま走れ!」

「がう?」「なに?」

「良いからいけ」


シルスは俺の指示通り、そのまま真っ直ぐ走っていった。

そして、当然ながら、俺達はその魔法の射線上に入る事になった。


「うし{ストーム}」

「くぅ!」


俺はその魔法をストームで打ち消し、シルスはそのまま真っ正面に走っていった。


「なぁ!? 面倒ごとを!」


その様子を見て、あの少女はかなり動揺を見せた。

やっぱり、誘導をしようとしていたんだな。

そして、今は再び小さく口を動かしている、恐らくこの事を伝えているんだろう。


「さて、狭い道に来たな」

「がう」「あぁ、行くぞ」


必死に何とか逃げ、俺達は狭い通路に突入した。

そして、シルスはその狭い通路の壁を何度も蹴り、上がっていった。

そのついでに移動もしながらだ、これは速いな。

これが壁キックだな、でもシルス位だろう、人を2人も乗せた状態で、壁を蹴って上れるのは。

しかし、壁キックって、乗ってる方も意外としんどいかも知れない、右に左に振られるし・・・


「うえ・・・き、気持ち悪い・・・」

「真野、我慢しろ、ここで吐くなよ」

「うん・・・」


そして、俺達はビルに上ることが出来た。


「な、み、見失った!? あいつら・・・一体何処っすか!」


移動も兼ねての行動だったためか、あの少女は俺達がビルの上に移動したと気が付いていないようだ。

そうだよな、自分だけが空を飛ぶのが当然と感じている奴が、上に敵が居るなんて思わないだろうな。


「く、ここはもう少し上昇して・・・な!」

「驚いただろ!{焔斬り}」

「あぐ!」


少しだけ上昇してきた少女に対し、俺はシルスに乗った状態で接近し、攻撃を仕掛けた。

その攻撃は少女にとってかなりの奇襲だったようで、彼女は回避することも出来ず、当った。

そして、彼女が背に生やしていた羽は消え、彼女は地面に落ちていった。


「う・・・ぐ・・・」


俺達は落下した彼女の元に、ゆっくりと近寄った。

彼女のライフは1だ、もう、動くことも魔法を撃つことも出来ないだろう。


「や・・・やっぱ、り・・・あんたは、厄介っすよ・・・」

「そりゃどうも、じゃあ、お前から情報を聞き出すとするかな」

「で、きると? 私から・・・情報を引き出せると?」

「そうだ、やらなきゃな、お前の仲間の情報、知らなきゃならねぇし」

「あ、あはは・・・わ、私は・・・確かに、怠け者っすよ・・・でも、仲間を売るくらい・・・腐ってはいやせん」


少女はボロボロだと言うのに、仲間を売る気は無いという・・・

この状況でテレポートは出来ない、仲間が来ないと駄目だという状況だ。


「テレポートも出来ないのに、どうするんだ?」

「こうするんっすよ・・・今度は何処で会えるっすかね」


少女はそう言い残すと、自ら命を絶った。

確かにそう言う機能はある、もう、助かる見込みが無い場合はプレイヤー自らの手で自分を殺せる。


「な・・・」


そして、少女の姿は消えていった。

まさか・・・仲間のために、自分の命を捨てるなんてよ・・・

あんな気力の無い目をしているのに、意外と仲間思いなんだな・・・


「あの子・・・死んじゃったの?」

「・・・そうなるな、でも、また復活するだろうよ、俺達、探検家は・・・」


あれが、3回目じゃなければだがな・・・でも、記憶の中にあの少女がいるって事は

まだ、あの子は3回目じゃないのか・・・じゃあ、また戦わないと駄目なのかよ・・・


「嫌になるな・・・でも、仕方ない、報告済ませて、合流するか」

「うん」


俺は一息吐いて、りえるさんに奇襲が成功したというのを告げた。

本当はすぐに報告すべきだろうが、あんな状況で話すのは難しかったしな。

さてと、さっさと合流しないとな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ