情報の確認
作戦会議から3日ほど時間が経過した、今はクロナの情報の報告待ちだ。
情報が無いと、動くことが出来ないからな。
「さてと、いつの来るかしらね」
「そろそろじゃないですか?」
そんな事を話していると、扉の方からノックの音が聞えてきた。
噂をすれば影とは言うが、本当にその通りだな。
「入ってきて良いわよ」
「失礼します」
俺達の返答を聞き、扉がゆっくりと開き、クロナがやって来た。
「来たって事は、情報が手に入ったのか?」
「はい、一応は、ですけど、全部ではありません」
「それでも良い、話してくれ」
「分かりました」
クロナはそう言うと、手に持っていた紙を出し、俺達の方に見せた。
ここに情報が記載されているのか?
「これは?」
「ここに情報が、まず総戦力ですが、推定で1000以上、相当な数です」
「確かにかなりの数だな、だが、1000もいたか?」
「結構広いですからね、一カ所に集まるとは思えません」
「色んな場所に潜んでいるって事か」
やれやれ、1000もいるなんてな、じゃあ、戦うとなると1000対15か・・・ヤバいな。
「正面からぶつかるのは無謀ね、何とか指揮官を沈めないと」
「そうですね、ですけどシルバーバードは色んな小さなギルドを吸収しているという話です
なので、他にも100越のギルドも傘下に加えていたりしてるんですよね」
「傘下に? そんな真似が出来るなんて・・・」
「はい、それに、恐らくこの街の殆どのギルドを吸収していると思います」
「冗談じゃない・・・そんな真似が・・・」
ギルドの殆どを傘下に加えているとしたら、俺達はかなり不利な立場になっているだろう。
色んな場所に潜んでいる、やっぱり、この街その物を敵に回したもんだな、これは。
「不味いわね・・・こんなの、私達だけで対抗できる規模じゃ無さそうよ・・・」
「はい、恐らくあなた達ホーリーアップルだけでは不可能です」
「こいつはヤバいな・・・」
「ですけど、手はありますよ」
そんな会話をしていると、奥の方の扉が開き、そこからグロウブさんが姿を見せた。
この人、ここまで来ていたんだな。
「手って、何かあるんですか?」
「はい、そうです、私達は情報収集の際にもう一つ、探っていた物がありました」
「何を探していたんですか?」
「それは、シルバーバードに参加していないギルド、嫌気が差しているギルドです」
「あったんですか?」
「はい、結構な数ですよ、その方達を説得して、味方に付いて貰えば、戦力は恐らく500にはなります」
「それでも、不利なのには変わらないんですか・・・」
「はい、そうですね」
仮に説得が成功した場合、戦力は2倍、それも分かっている戦力だけ
他を総合した場合、明らかに不利だ。
状況は少しだけ有利になるだけ・・・もう、モンスターを相手にしていた方が楽だったな。
「説得が成功しても不利、でも、やらないと勝ち目はない・・・」
「そうなりますね」
「じゃあ、やるしか無いっすね」
「えぇ、と言っても、どうやって接触するか」
「私達が何とか引き合わせますよ」
「出来るの?」
「はい、我々は戦闘能力はありませんが、数だけは沢山いますので」
「じゃあ、お願いするわ」
「はい」
そう言うと、グロウブさんは扉を閉め、外に出て行った、あの人は頼りになるな、本当に。
「それでは、そっちはグロウブさんにお任せして、私は説明を行ないますね」
「お願いするわ」
「戦力はもう良いですね、後はかなり戦闘能力が高い危険人物のお話しを行ないますね」
「どんな奴が居るんだ?」
「まずは口コミですけど、まずは魔法をいくらでも使える少女です、彼女はあまり目撃証言はありません
ですので、詳しいことは分かりませんが、魔法をいくらでも使っていると言う事は分かりました」
「あの子か」
恐らくMPがほぼ無限、俺と同じカンスト能力の持ち主だな。
「次にどんな攻撃も聞かない男の方です、彼は良く目撃されているそうで
色んな攻撃を真っ向から受けても問題ないみたいです、ですけど、1人だけでの行動は無いらしいです」
「恐らく、精神力と防御力を変動させる魔法がないと駄目なんでしょうね」
「そんな魔法があるんですか?」
「えぇ、他にも攻撃力と魔力を入れ替える魔法もあるわ」
「なるほど、そんな物があるんですか・・・じゃあ、その男は防御か精神力ですね」
「えぇ、戦うとすれば、1人でいるときの攻撃ね」
1人でいる場合は、防御と精神力を入れ替えられないから、撃破が可能と言う事か。
防御だった場合は魔法で、精神力だった場合は直接攻撃でダメージを与えられるからな。
「あと、もう1人凄い能力の持ち主がいると聞いたんですけど、詳しくは分かっていません」
「どういうこと?」
「それが、見たと言う人が居ないんですよ、ただ、1人だけ恐ろしい物を見たって言ったんですよ」
「恐ろしい物? 何だか分からないが、ヤバそうだよな」
「そうね、警戒はしておきましょ」
「以上が我々が集めた情報です、あ、傘下のギルドはこちらの紙に書いていますので、目を通してください
数が多すぎて、読み上げるのはしんどいので」
「分かったわ、ありがとうね」
「いえ、気にしないでください、私達はシルバーバードを潰したいだけなので」
「そう、分かったわ」
「それでは」
そう言うと、クロナは部屋から出て行った。
さて、次は仲間を増やす努力をしないとな・・・さて、グロウブさんが来るまで待つか。




