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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第15章、モンスター以外の脅威
102/201

襲撃者

街中を逃走し、俺達は何とか数日過ごせそうな場所を発見した。

と言っても、そこは何でも無いただの宿だ、でも、隅っこだし、意外とバレない。

その証拠に、もうそこに泊まって3日ほど経つが、バレてはいないからな。

やっぱり、あまり街中に出る必要が無いから、バレる確率も低いんだろう。


「3日間も過ごせるとはな」

「そだよね、逃げ回っていたのが馬鹿みたいだよ」

「だな」


このままほとぼりが冷めるまでこの宿に滞在しておくかな。

でも、冷めるんだろうか、あいつらはずっと追いかけて来そうだしな。

それに、もしかしたら宿をしらみつぶしに探してくるかも知れないし、安心は出来ないか。

そんな事を考えていると、部屋の扉をノックする音が聞えて来た。


「もしかして・・・シルバーバードの人?」

「いや、ノックしてるし、多分違うはずだ・・・」


シルバーバードの連中がご丁寧に部屋をノックするとは思えないからな。


「一応癒子は俺のポッケの中に入ってくれ」

「うん」


俺は癒子がポケットの中に入ったのを確認して、扉に近寄った。


「あと、真野はいつでも逃げ出せるように窓の近くにいてくれ、でも、外から見られる

 可能性も十分あるから、窓の前じゃなくて、窓の横だからな」

「分かった」


真野は俺の指示を聞き、窓のすぐ近くの壁に寄った。

そして、それを確認した俺は、ゆっくりと扉を開けてみた。


「あぁ、修介様ですね、お客様がいらしています」

「お客様? 一体誰だ?」

「それが」


店員がそこまでいうと、後ろの窓が割れるような、大きな音が聞えた!


「なんだ!?」

「見つけたッスよ、今度こそ逃がさねーっすよ!」


窓から入って来たのは3日前に俺達を襲撃してきた女の子だった。

どうやってこの場所に気が付いたのか知らないが! ヤバい!


「まとめて吹っ飛ばしてやるっすよ! 消し飛んでくだせぇ!」

「安全確認は大事だよ!」


窓の近くに寄っていた真野が女の子に向って飛びかかり、強力な一撃を当てた。


「なぁ! ぐぅ!」


その不意打ちを受けた女の子は、部屋の壁に激突した。

あの勢いでぶつかったんだ、少しの間は動けないはず!


「よし! 逃げるぞ!」

「分かった!」


俺と真野は窓からの脱出した、下の方に他の奴らがいるという危険もあったが、誰もいない。

あの女の子が単身で部屋に突撃してきたって事だな。


「とにかく逃げるぞ!」

「分かってるよ!」


俺達は着地と同時に、街から出る道に向って走って行った。

捜索の手が回っているであろう街に逃げるのは危険だったからな。


「逃がさねーっすよ!」


しかし、女の子が起きたのか、部屋の窓から飛び出てきた。

そして、素早く俺達を認識した・・・クソ、空を飛ぶ魔法ってのは厄介だな!

それに、結構な高さで飛んでるから、ストームが届かないかも知れないし!


「行くっすよ!{ファイアー}{サンダー}{アイス}」


女の子は空を飛びながらも、射程の長い魔法で俺達を攻撃してきた。

ファイアーとかは威力が低いけど射程だけは長い、それにスキルの再使用時間も短い。

普通なら大したことのない魔法でも、空からの攻撃ってだけで厄介きわまりない!


「クソ! 厄介な! おわ!」


目の前に降ってきた魔法のせいで、俺と真野は怯んでしまった。


「捉えたっすよ! これで終いでさぁ!{ホーリーレーザー}」


ヤバいぞ、確実に狙いを定められた!

回避する方法は無くはないが・・・それで回避できるのは俺だけ! 真野は回避できない!

あぁ、クソ! 俺が何とかして真野を助けないと!

しかし、魔法が放たれる瞬間、何処からか大きな銃声が響いた。


「な!」


そして、俺達に狙いを定めていた女の子の腹部を弾丸が貫いている。


「うぐ・・・ふ、普通なら死ぬっすね、これ・・・」

「死なないでしょ? こっちでは結構頑丈だからね、私達って」


俺は急いで銃声をした方を見てみた、そこにはりえるさんが立っていた。


「何で!?」

「久し振りね、1週間位かしら? 早めに帰ってきなさいって言ったのに、随分遅いじゃない

 だから迎えに来ちゃったわ」

「お、お仲間さんっすか・・・こいつは分が悪い、それに他にもいる見たいっすね」


りえるさんが銃撃を行なって、少ししたら、宿から皆が出てきた。

しかし、勇次の姿はない、あいつは何処に行ったんだ?


「まぁ、一応忠告しとくが、そこのカワイコちゃん、抵抗はしない方が良いぜ?」

「あぁ、そんな所にも・・・」


勇次が近くの建物から、あの女の子を弓で狙っていた。

いつの間にあんな場所に・・・やっぱり早い奴だ。


「さぁ、どうしましょうかね、私達の仲間に攻撃をした以上、覚悟は出来てるんでしょ?」

「それはこっちのセリフっすよ、あたしを攻撃した以上、あんたらはシルバーバードを敵に回した

 そこの2人だけじゃなく、あんたら全員っすよ、それがどういう意味か、わかってるっすか?」

「大丈夫よ、正直言って、今更ただのプレイヤー相手に苦戦する気はしないし」

「ふ、そうっすか、でも、1つ忠告はしてやりますよ、シルバーバードはただのプレイヤーじゃねー奴が

 何人かいるんで、まともに戦っても勝て無いっすよ、それじゃあ、あたしはこれで下がらせて貰いやす」

「逃がすわけ無いでしょ!」


りえるさんが引き金を引き、弾丸を放った。

すると、女の子はすぐに姿を眩ませた、あの一瞬で、一体何が・・・


「あぁ、逃がしたわね、ギルドに逃げたのかしら、まぁ、それは良いわ」


りえるさんはそう言うと、俺達の方に歩いてきた。

これは怒られる気がする・・・


「さて、問題はあなたね、何で私達に黙っていたのか、それは大体想像着くけど、一応理由を言って」

「えっと、出来ればホーリーアップルに迷惑を掛けたくなかったから・・・ですね」

「あぁ、やっぱりそうよね、予想通り、あなたはそう言う人だから、でも、ハッキリ言うわ

 黙ってどっかに行かれる方が、私達としては良い迷惑よ、探さないといけないし」

「そうそう、それによ、そんな理由で離れたらよ、俺らが頼りない見たいじゃないか」

「修介先輩、1人で抱え込みすぎ、全く一緒に死線を抜けてきたのに、いなくなるなんて酷いって」

「修介さん、真野ちゃん、私達に相談してくれれば良いのに、いくらでも力になりますよ」

「そうだよ、それに、1人で戦うなんてずるいじゃないか、うちだって戦いたいし」


皆が俺達を取り囲むように集まってきて、色んな事を言ってくれた。

本当に、ホーリーアップルのメンバーは良い人ばっかりだよな・・・


「本当に、みんないい人ばっかりだな・・・でも、だからこそ・・・皆を巻込みたくなかった・・・

 自分でまいた種だし・・・それが理由で皆を危険な目に遭わせたくなかった・・・」

「兄ちゃん! 俺達に連携って言うのを教えたのは兄ちゃんじゃないか!」

「そうですよ! 修介先輩! 2人だと連携も上手くいかないじゃ無いですか!」

「そうそう、生き残る可能性を自分で下げてるだけだから」

「お前ら・・・あぁ、そう言えばそんな事を教えたっけ」


まさか、遥人達に説得されちまうなんてな・・・先輩としてどうだか・・・

まぁ、そうだよな・・・2人じゃあ生き残れるもんも生き残れないかも知れない。


「私達はいつもあなたを頼りにしている、だから、たまにはあなたも私達を頼りなさい

 あなたは確かに凄い能力の持ち主よ、でも、1人で出来る事なんてたかが知れてる

 だから、誰かと協力する、それはこのゲームでは当たり前のこと

 今は現実だけど、その本筋は変わっていないわ」

「りえるさん・・・」

「さて、ギルドに戻るのは今は危険ね、出待ちされたら勝てないしと言う事で

 良い感じの隠れ家を用意して貰ったわ」

「隠れ家ならお任せください、いいえ、隠れ家以外でも、情報のことなら私達にお任せです」


りえるさん達が出てきた場所から、クロナが姿を現した。


「クロナ? も、もしかして、りえるさん達に俺達の場所を教えたのって・・・」

「はい、私達、民間ギルドです、そもそも、あんなに派手に暴れていたら、誰でも分かりますが」

「民間ギルドの情報網は凄いわよ、本当はもっと早くに合流しようと思ったのだけど

 隠れ家を探すのに時間が掛かってね、それでこれだけ時間が掛かったのよ」

「なるほど・・・それで、その隠れ家も民間ギルドと協力してなんですか?」

「そうです」

「でも、なんでまた」

「私達もシルバーバードの連中に迷惑してましてね、だから、ホーリーアップルの

 皆さんと協力して、本格的に潰すように動くことにしました」


クロナは少しだけ笑いながらそう言った・・・しれっと潰すように動くってよ・・・

それに、この口振りだと、俺達を利用するって言ってるようなもんだよな。


「苦笑いしたわね、一応民間ギルドの意思は分かるわよね」

「はい、俺達を利用しようって事ですよね?」

「はい、そうですよ、利用させていただきます」

「隠しなさいよ・・・少しは・・・と、言う事で、私達も民間ギルドを利用しようって事よ」

「利用して利用されての対等な立場です、安心してください、情報はすぐに渡しますから、その代わり」

「私達はシルバーバードを潰せ、そういうことね」

「はい、流石はりえるさんです、察しが良い、それでは、私達は仕事をしましょう

 私に付いてきてください、隠れ家に案内します」


俺達はクロナに付いていき、これは中々バレないだろうなという感じの隠れ家に案内された。

普通、隠れ家は狭い物だが、ここは隠れ家の割には広い、それに、快適そうだ。

やっぱり、民間ギルドはかなり凄いな、これならしばらくは安心出来そうだ。

 

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