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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第15章、モンスター以外の脅威
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安全地帯を求めて

16人もの人数に完全に包囲されながらも、何とかその場から逃れることが出来た。

しかし、結構範囲攻撃ってのは強いもんだな、あれだけの人数を倒せるんだから。

それにしても、あいつらは無事か? NPC達が救助していたと思うが。


「次は何処に行くの!?」

「とにかく、あの正面にある倒れたビルに行くぞ!」

「分かった! 正面だね!」


俺と真野は必死に走って、何とか正面のビルに逃げ込むことに成功した。

戦闘の後に逃げるのは結構しんどいもんだな。


「はぁ、はぁ、何とか逃げられたな」

「うん、でも、結局食べ物を食べれなかったね」

「あぁ、やっぱり人数が多いギルドだと、手回しも良い」


まぁ、今回はかなり運が悪かったって感じだけどな。

でも、少ししたら街で沢山買い溜とかないと駄目か。

さっきのであそこの全員に顔を知られたし、長い間隠れるにはそれしかないからな。


「少ししたら買いだめに行くために街に行くからな」

「分かったよ」


俺達がこのビルに身を隠して、少しして、周囲を見渡したが、変化はない。

よし、今のうちに買いに行くか。


「よし、じゃあ、買いに行くぞ」

「分かった」


俺達は周囲を警戒しながら、出来た食べ物を買いだめした。

料理スキルがあるんなら、日持ちする食材を買えば良いんだろうが、ないからな。

でも、本当に作ってある物が置いてあって良かった。


「ふぅ、これで3日は持つな」

「でも、3日だけなんだね」

「仕方ないだろ? 保存が利くわけじゃないんだからよ」

「私の力なら、保存できる・・・かも?」


癒子が自信が無さそうにそう言った。


「そうなのか? じゃあ、試しにやってみてくれ」

「うん、腐敗を進めないように、適度に力を込めて」


癒子は俺達が買って来た弁当の上に乗っかり、力を込め始めた。

すると、その弁当が少しだけ光り始めた。


「お? 良い感じか?」

「うん、あと少し」


そして、少しすると、弁当の中身の食べ物の周りに緑色の淡い光が出てきた。


「ふぅ、出来た」

「これで腐敗を止められるのか」

「うん、私、頑張った! 修介! 頑張ったよ!」

「あぁ、ありがとうな」

「そ、それだけ?」


癒子が何かをねだるような表情でそう言った。

もしかして、撫でて欲しかったのか?


「あ、撫でて欲しいか?」

「うん、撫でて!」

「分かった、よく頑張ったな」


俺は癒子の頭をいつものように人差し指で軽く撫でた。


「えへ、えへ、えへへ」


すると、癒子は目を瞑り、嬉しそうに笑い出した。

何か、癒子には小動物見たいなかわいさがあるな、大きさも手のひらサイズだし。


「さて、それじゃあ、今日はこっちの方を食うか」

「うん、そうしよう」


俺達は癒子が腐敗しないように処置してくれた奴以外の弁当を食った。

それから2日が経過した、すると、少しだけ周囲に変化が出始めた。

周辺の探索者達が結構慌ただしく何かを探している様だ。

恐らく、探しているのは俺達だろう、正確には分からないが、そういう風に考えた方が良いだろう。


「少し周りが騒がしくなり始めたな、こりゃぁ、降りられそうにないな」

「そうだね、多分目的は私達なんだろうし、見つかったら困るかも」

「かもじゃなくて、普通に困るな、結構な数だし、出来れば戦いたくない」

「修介なら大丈夫、20人に囲まれた時みたいに倒せるよ」

「でも、あれは結構しんどいんだぞ? て言うか20人? 16じゃないか?」

「うん、16人だよ」

「あ、あれ? 20人だったような・・・もしかして、髪の毛と間違えたのかな?」

「多分そうだろう」


癒子はいっつも俺の頭の上に居るからな、俺の髪の毛を見間違えたんだろう。


「ま、しばらくは息を潜めておこう」

「そうだね、それが良いよ」


俺達はそのまま少しの間息を潜め、見つからないようにしていた。

もしも見つかったら、戦闘になるのは間違いないからな。

そうなったら、俺達の方が不利だ、一気に来るんならまだしも

恐らく相手は人海作戦を行なってくるだろう、そうなると、スキルの再使用時間に攻撃される。

アースクエイクは長いからな、再使用時間が。

俺がそんな事を考えていると、何処からか声が聞え始めた。


「おい! 今度はここを探すぞ!」

「こんな場所にいるんっすか?」

「知らん! だが、片っ端から探せ!」

「はいはい、ったく、下っ端が攻撃されたからって俺達総動員なんて」

「下っ端でも一応シルバーバードの連中だ、そいつらが攻撃されたって事は

 攻撃をした奴は俺達全員を馬鹿にしてるって事だ! 舐められたままで良いわきゃねーだろうが!」

「はいはい、そうですね、じゃあ、探しますか」


随分大きな声だな、この会話は外からか? ヤバいな、この場所を探し回るつもりだ・・・

どうする? 何処かに隠れて身を隠すか・・・何処が良いか・・・

そんな事を考えていると、下の方から何かが爆発するような大きな音が聞えてきた。

あいつら、まさか1階の物を吹っ飛ばしたのか!? 無茶苦茶しやがる!


「これ、ヤバい気がする・・・」

「あぁ、俺もそう思う・・・」


ここは3階だ、このままだとこの階まで来る・・・

しかし、多分2人だけ何てことは無いはずだ・・・

多分、外にも見張りは置いているだろう・・・どうする?

状況は最悪だ・・・こっから下に降りるのは出来ないし・・・

そんな事を考えていると、上の方からも何かが爆発するような音が聞えてきた。


「まさか・・・上からも来たのか!?」

「これは本当に大変かも知れない・・・」


どうする・・・どうする!? 上下からの同時なんて・・・ヤバいよな、間違いなく・・・

そんな事を考えていると、上下から同時に馬鹿でかい音が聞えてきた。

次はこの階だ・・・間違いなくな・・・


「うっさいですね、上でドンドンと」

「同時だからな、うるさいのは当然だ」


上下から階段を上り下りしている音が聞える。


「全く、なんで何処のアホの為にあたしが出張らねーとなんねーんだか」

「お前が怠けてるからだろう?」

「そうっすね~、あたしは怠けもんっすから、あぁ、別動部隊の皆さん、下がってくだせぇ

 まとめて吹っ飛ばすと面倒なんで」


・・・あの会話から考えて、いま、この場所に全員がいる・・・なら、仕掛けるしかない!


「早く下がってくれと言ってるのに、強情な人達だ、じゃあ、まとめて吹っ飛ばスっすよ」

「よし{アースクエイク}」


俺は急いでアースクエイクを発動させた、地面を震動させる技、この場所でも使える!


「な! 地面が!」

「おわっと、どうやら当たりだったようで{ウイング} そこっすね、面倒なんで

 さっさとくたばってくだせぇ」


さっき話していた女の子が自分に羽を生やして飛んでいる。

あれじゃあ、地面の震動でダメージを与えるアースクエイクは効果が無いな。

だが、空を飛ぶ生き物の脅威は結構ある、例えば、急な突風とかな!


「くたばれと言われて、分かりました何て言うわけ無いだろ!?{ストーム}」

「くぅ! 面倒な!」


俺はストームでその女の子の動きを封じた。


「壊れろ!{ホーリースタンプ}」


そして、俺は後方の壁を破壊し、逃げ道を作った。


「真野! しっかり掴まれ!」

「う、うん!」


そして、俺はその壁から外に飛び出した。

結構な高さだな、でも、手はある!


「おらぁ!」


俺は落ちている最中に壁に向って刀を思いっきり差し込み、落ちるのを止めた。

後は少し落ちる度に刀を差し、抜きを繰り返し、何とか降りることが出来た。

幸いなことにあいつらの仲間は入り口方面しか警戒はしていなかったようで、後方には誰もいなかった。

その後、俺達は必死にその場所から逃げだし、別の安全そうな場所を探すことにした。

全く、一時はどうなることかと思ったが、なんとかなって良かったぜ。

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