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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第1章、お風呂の為に!
10/201

第2ダンジョン、最後の番人、クリムゾン・ホムンクルス

クリムゾン・ホムンクルス、図体が大きく、HP、防御が高い

更にやっかいな寄生攻撃まで仕掛けてくる面倒な化け物だ。

俺達は、今、その化け物を相手にする事になった。

こんなグロゾーン、さっさと終わらせたいぜ。


「さっき説明した作戦は覚えたわね?」

「はい、あいつが範囲攻撃のモーションを見せたら一気に攻撃を仕掛けるんですよね」

「えぇ、最悪当てれなかった場合は明美ちゃんがフラッシュを仕掛けてね」

「はい!」

「よし、いくわよ!」


俺達は一斉に壁の影から出て、クリムゾン・ホムンクルスと対面した。

そいつの容姿はおぞましく、豚のような巨大な容姿に、あのキモいモンスターが

色んな場所に埋まっているという気持ち悪い見た目だった。

何か、ホムンクルスと言うよりもキメラだな。


「気持ちわる!」

「そうね、ランクタワーの中でもキモいランキングの上位3位にランクインしてるからね」

「え?と言うことはこれよりもキモいのがまだ2体もいるんっすか!?」

「らしいわ、まぁ、私も見たことないんだけど」

「ぐごぉぉぉぉ!」


クリムゾン・ホムンクルスがそのキモい腹を揺らしながらこっちに走ってきた。

あの腹には水でも入ってるのか?と言うくらいに揺れている。

何か、ベチャベチャ音も聞えるし。


「こ、こんな奴に俺は近寄らないといけないのか!?」

「あなたが近寄らなかったら私達全滅よ?」

「あぁ、分かった!分かりましたよ!」


俺は自分の中にある、近寄りたくないと言う気持ちを吹っ切って一気に近寄った。

近寄れば近寄るほど、キモさが増している、何か、臭いし。


「くぅ、斬りかかりたくない!、仕方ない!「カマイタチ」近寄れないならこうするしかない!」


俺は現状、唯一使える遠距離攻撃のカマイタチでせめることにした。

こいつに効果的なのは火炎斬りとか2重火炎斬りとかなんだろうが、そんなに近寄りたくない。

それだけおぞましい見た目なのだ。


「ぶごぉぉぉぉ!!」


当然、俺が使った攻撃はクリティカルだ、まぁ、俺はそれが最大の取り柄だからな。

ただ、当然あんなでかいのが一撃で倒せるわけもなく、クリムゾン・ホムンクルスは

ゆっくりと立ち上がった。


「動けないくらいにしてやるわ!皆!一斉に攻撃!」

「はい!「ファイアーネット」これで足止めです!」

「ふごぉぉぉ!!」


まずは明美のファイアーネットがクリムゾン・ホムンクルスの頭に被さる。

こいつは火が弱点だし、これは相当痛いはずだ。


「追撃、「フォース」」

「そらそら!「ポイズンナイフ」「バインドナイフ」「スロウナイフ」3連続だぜ!」


スカウトは素早い攻撃も出来る、更に激しい連続スキルだって可能だ。

まぁ、一発の威力は低いが。


「ふごぉぉぉ!!」


激しい連撃は確実にクリムゾン・ホムンクルスにダメージを与えていった。


「それ「チャージショット」威力1,000の弾丸の威力を味わいなさい!」

「がぐごぉぉぉぉ!!!!」


りえるさんが放ったスキルは、こいつの体に埋まっていたモンスターに炸裂し

そのモンスターが吹き飛んだ、流石の威力だ。

しかし、その吹き飛んだ直後、またその場所にあのモンスターが湧いてきた。


「はぁ!?復活にタイムラグ無し!?」

「おかしいわ、確か、復活には時間が必要だったはずだけど」


そんな事を考えていると、クリムゾン・ホムンクルスは立ち上がり、身を震わすという

露骨に怪しいモーションを取り始めた。


「不味い!範囲攻撃!修介君!いけそう!?」

「近寄るのはあれですけど、やってやりますよ!」


距離はそこまで離れていない、これ以上近づくのは嫌だが、カマイタチの再使用時間はまだ先だ。

ここは近寄るしかない!


「おらぁ!止まりやがれ!「2重火炎斬り」焼き切る!」

「ふごぉぉぉ!」

「うし!」


俺の攻撃は間に合ったようで、クリムゾン・ホムンクルスは大きく尻餅をついた。

最初はどうなるかと思ったが、この様子ならいけそうだ。


「ごぉぉぉぉ!!」


しかし、クリムゾン・ホムンクルスは倒れた状態で周囲に攻撃を始めた。


「ぐぅ!」


殆ど不意打ち状態だったため、避けきることは出来ずに、俺はその攻撃に当っちまった。

かなり痛い、こういうゲームに入っちゃった系だと痛みはあまりないと思うが、ここは違うようだ。


「痛ぇ、クソが!」


ただ、普通ならあの一撃であの世逝きだろうが、結構まだ動けた。

やっぱりゲームのキャラになってるんだなと、この時に再び痛感した。


「修介さん!回復します!「ヒール」」

「あぁ、ありがとう」


回復の感覚は妙な物だ、まるで体の底から何かが湧き上がるような爽やかな感覚。

普通はこんな感覚は味わえないだろう。

まぁ、こんな薄汚い場所で爽やかとかあれだけどな。


「こんな技を使ってくるなんて、今まで見たこともない」

「そうなんっすか?」

「えぇ、それにしてもやっかいな攻撃ね、モーションもないし

 RPGなら問題ないけど、今みたいな場合だとかなり厄介よ」

「あぁ、それ分かります、アクションゲームでモーションがないのは脅威っすよね」


奥で2人が話をしているようだが、この状況でゲームなんて思えないっての。

まぁ、確かにモーションがないのは恐ろしい、某ゲームでもモーションがないのは恐ろしいからな。

尻尾とか、タックルとか、距離が近かったらヤバいっての。


まぁ、あの攻撃の対処法は分かった、簡単な事だ、近寄らなければ良い。

特にダウンの時にはな、それさえ守れば、ダメージは食らわないだろう。


「まぁ、この世界がゲームのままじゃないのは前回のオークで証明されてるわ

 大まかな弱点とかは同じのままでも、動きが違うから、油断しないように動いて!」

「分かってますよ!まぁ、そもそもゲームだった時の攻略法なんて知りませんけどね!」

「そう、まぁ、そこは私に任せて、大まかな情報は知ってるから」

「はい!」


俺は再びクリムゾン・ホムンクルスの前に立った。

しかし、こいつはまだ動いてない、あの大暴れの後はすぐに立てられないようだ。


「隙だらけね!明美ちゃん!炎の渦よ!動かない相手なら、そっちのが稼げる!」

「はい!「炎の渦」」

「ごがぁぁぁぁ!!!」


クリムゾン・オーガは明美のスキル、炎の渦に完全に包囲された。

炎の渦は展開場所から動かせず、狭い範囲しか攻撃出来ないため、小さな敵や

すばしっこい敵には効果は薄い。

しかし、その範囲内の攻撃力は高く継続的に大ダメージを与えられる為

クリムゾン・ホムンクルスのような動きが遅く、図体がでかい相手には効果が大きい。

さらに、今は動けない状態、この状況なら炎の渦程適正な魔法はそう無い。


「うし、じゃあ、俺は怪力の丸薬でも飲んで、一気にせめるか!」


怪力の丸薬、スカウトのスキルだ、この丸薬を飲んだ相手の攻撃力を大きく上げるスキル。

短い間だが、その間だけ強力な力を扱えるようになる。


「さぁ、強化された攻撃を食らえ!「ポイズンナイフ」「バインドナイフ」「スロウナイフ」」


勇次の投げた3本のナイフは、炎の渦の中にいるクリムゾン・ホムンクルスに直撃した。

最初の攻撃と比べるとかなりの差があり、大きなダメージを与えれた。

これが怪力の丸薬の力か、予想以上だ。


「それじゃ、炎の渦でくたばる前に、私が潰してあげるわ!「パーフェクトスナイパー」」


パーフェクトスナイパーはスナイパーのだけが扱えるスキルだ。

このスキルは弾丸関連の攻撃を必ずクリティカルにする大技だ。

ただし、スキル再使用時間が延びるという弱点も存在する。


「まだまだ!「バレットパーティー」これで押しつぶす!」


バレットパーティーはガンナーのスキルだ、その上位職のスナイパーでも扱える。

このスキルは、スキル使用時のSPの消費を大幅に上げる代わりに

再使用時間を待たずにスキルを使えるという物だ、更に弾丸の消費もない。

パーフェクトスナイパーと組み合わせると驚異的な威力を誇る。

その為、かなり使い勝手が良いスキルとも言える、SP消費量が激しすぎるのは仕方ない。


「さぁ、弾幕の始まりよ!「パワースナイプ!」10連発!食らいなさい!」


りえるさんはとんでもない速度で狙撃攻撃を仕掛けた。

しかし、スナイパーの射撃スピードじゃないな、まぁ、異世界だし問題ない。

それにしても恐ろしいな、これじゃあ、あのでかいのもくたばるだろうよ。


「どう?結構効いたんじゃない?」

「俺達が攻撃しないでも行けたんじゃないっすかね?」

「それは無理ね、結構な威力はあるけど、そんなに距離があるわけじゃ無いし」

「そういえばスナイパーって距離があればあるほど威力が上がるんでしたっけ?」

「そうよ、この距離だと最大ダメージの半分くらいしか出ないわ」


最大はあの威力の2倍かよ、恐ろしいな。


「まぁ、距離が遠ければ遠いほど当りにくいし、正直、この距離が丁度良いんだけどね」


パーフェクトスナイパーは必中だったはずだし、間違いなく距離があった方が強いだろうな。


「それに、普通はあんなエグい威力は出ないのよ?弾丸の威力が1,000だったから出ただけ

 あなたのお陰よ、修介君?」

「当然のことをしただけです、偶然「運」が良かっただけです」

「ふふ、そうね」


俺達は完全に警戒を解いていた。

しかし、それを後悔することになった。


「ぐぉぉぉぉぉ!!!!」

「な!」


クリムゾン・ホムンクルスは倒れていたのに、いきなり立ち上がった。


「マジかよ!あの弾幕でも生きてやがる!」

「ぐおぉぉぉぉ!!!」


あれほどの弾丸を受けているのに、まだ元気だと!?

一体どんな体をしているんだよ!


「くそ!」

「・・・もしかしたら、首を落とさないと駄目なのかもしれないわ」

「え?」

「クリムゾン・ホムンクルスの設定上の倒し方は、首を落とした後

 胴体のモンスターを同時に潰すこと、ゲームだった頃はプレイヤーが攻撃のたびに

 勝手にしてくれてたけど、この状態だと、自力でしないといけないのね」

「なん、だか、大変、そうね」


この中でクリムゾン・ホムンクルスの首を落とせるような奴は俺位だ。

勇次はナイフで、刃渡り的にも首を落とすのは不可能。

りえるさんも弾丸では頭を吹き飛ばせない。

ただ、俺の剣でも根元まで入れないと首を斬れる前は行かない。

つまり、それだけ接近しないと行けないって事だ・・・


「分かってると思うけど、この中で首を落とせるのはあなただけよ?」

「畜生!やってやりますよ!こんな奴にやられるなんてごめんですからね!」

「全力でサポートする!」


あぁ、まさか第2ラウンドに突入するとは・・・はぁ、こんなんなら

前衛職なんて選ぶんじゃなかった。

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