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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
プロローグ、ランクタワー
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世界が大きく変わる日

大人気MMORPG、ランクタワー、今、日本で最も人気があるゲームと言っても過言ではない。

そのゲームの内容は他のプレイヤーと協力して、塔を制圧し、最強を目指す内容となっている。

世界でもユーザーは多く、各地に現れた塔を攻略するという内容だ。


基本的にPKはなく、初心者に優しい設計になっているとあるが、実際は大きな欠陥が2つある。

その欠陥の1つは、新たな塔に入るにはランクを上げなくてはならないと言うこと。


そして、そのランク上げの内容が闘技場でのPV戦だという事だ。

更に、もう1つの欠陥の影響もあり、初心者には厳しいゲームとされる。

そのもう1つの欠陥とはランク上位になればなるほど強力な力がもらえるという物だ。


ランク上位の人間を倒し、上を目指そうとも、その欠陥の影響でのし上がるのは難しい。

それに、上位になれば、高レベルの塔に入れ、更にレアな素材を手に入れることが出来る。

その素材を使い、更に強い武器を、確かにゲームとしては良いが。

初心者からするとかなりの鬼畜ゲーでもある。


しかし、そんな欠陥があっても人気なのには変わりは無い。

俺はこのゲームに興味があったわけではないが、友人が始めたと言うことで、俺もすることにした。


「これがランクタワーか、キャラメイキングが面倒くさそうだなぁ」


俺はとりあえず自分似のキャラを作ることにした。

しばらくの間、PCの画面とにらめっこして、ようやくキャラを作った。

まさかスタートで1時間も格闘するとは思わなかった。

ただ、それだけ時間をかけた甲斐もあり、かなり自分に似ているキャラが出来た。


「良し、始めるか」


俺はエンターキーを押し、ゲームにログインした。

すると、突如目の前が暗くなり、目が覚めるとそこは家ではなく、草むらの上だった。


「なんだ!? どうなってる!?」


そこは明らかに日本の風景じゃなかった、いや、正確には日本の面影はある。

しかし、どの建物も倒れ、草が張り巡らされている。

そして、少し遠くに大きな塔があった。

俺は、ここは現実の世界じゃないと、すぐに理解できた。


「なんだここ!? タイトルで出てきた背景と同じじゃないか!」


このゲームのタイトル画面は大きな塔と、その周辺の町並みが写っていた。

その背景と、今のこの世界が瓜二つなのだ。


「・・・もしかして、ゲームの中に入った? いや、そんなはずはない! そんな非現実的な事が!」


俺は頭を抱えて色々と考えた。

しかし、触感もリアルで、風も気持ちいい、もうここがリアルだとしか思えない。


「・・・さ、最近のゲームは進んでるなぁ」


俺は少しだけ現実逃避を始めた。

まず、あり得ないことだが、この世界がゲームの仕様だと思い込もうとした。

しかし、そんなのはあり得ない、人間をゲームの世界に飛ばす技術なんて

流石に今の世界の技術力では不可能だ。

仮にあったとしても、それをたかがゲームで実践するなんてどうかしている。


「・・・」


俺は困惑しながら色々としてみた。

この世界がゲームなら、ステータス画面とか出てくるんじゃないかと思ったからだ。

俺が色々と手を動かすと、ステータス画面が出てきた。


「おぉ、出てきた、こうやって出るのかすごいな」


俺は自分のステータスを見てみた。


【ステータス】


{名前、柳葉やなぎば 修介しゅうすけ

{職業、剣士}

{HP、570}

{SP、247}                   

{攻撃力、300}

{防御力、436}

{魔力、119}

{精神力、120}

{練度、10}

{運、9999}



このゲームの基礎ステータスの最高数値は2000が最高と説明書には書いてあったが

俺の運のステータスはそれを越えていた。


「この数値だけバグってるぞ、なんだよ、運だけ9999って」


このゲームで運の役割は、クリティカルの出やすさ、アイテムのドロップ率

装備を製造、強化した時の能力値の上昇、その他にも色々な機能がある。

正直俺はこの数値を信じていなかった、絶対にバグだろうと思っている。


「まぁ、良いか、とりあえず、あの崩れてない建物が多い場所に行くか」


俺は崩れていない建物が多くある場所に向かった。

ここは確か俺達プレイヤーの活動拠点となる場所か。

塔の近くや、ダンジョンの近くに存在しているらしい。


「なんだこれ!」

「まさかゲームの中に入れるなんてな!」

「どうしてこんなことに!」

「よっしゃー! この世界でエンジョイするぜ!」


俺は、この人達もプレイヤーなんだなと理解した。

がっかりしている人、喜んでいる人、暴れている人と色んな人がいる。

俺は、友人と落ち合う約束をしていた場所に、鞄の中に入っていた地図を頼りに向かった。


「ここか」


友人と落ち合う約束をしている場所は、人も少なく、よく待ち合わせに使われるという場所だ。

大きな1本の木に、それを囲うように置かれた沢山の切り株。

俺はその切り株の1つに座り、友人が来るまで待った。

しばらくの間、その場所で待っていると、奥から1人の男が走ってきた。

その男の容姿は申し訳程度の防具と、動きやすそうな服装だった。

恐らくスカウトだろう。

その男はどこかで見たような顔をしていた。


「おぉ! 修介!待っててくれたんだな!」

「当然だ、こんな状況で1人で動き回れるかっての」

「確かにそうだな」


勇次(ゆうじ)だった、俺はこいつのせいでこんな目に

まぁ、小学の頃からの付き合いだし、責めるつもりはないが、ただ、すぐ調子に乗るのはやめてほしい

だが、その性格のお陰でこいつはムードメーカーなんだろうがな。


「それで、お前はこの状況、分かるか?」


俺は勇次にそう聞いてみた、勇次は少しだけ間を開け、口を開いた。


「あれじゃね? 女神様が奇跡を起こして俺達をゲームの世界に飛ばしたとか」


勇次は真剣な顔でそう言った。

普通なら即反論だが、状況が状況だ、強く否定は出来ない。

しかし、1つだけハッキリしていることはある。


「別に俺達だけじゃないだろ? 他の人達も飛ばされたみたいだし」

「やっぱお前もそう思う? やっぱ俺達だけじゃないのか」


勇次は思いっきり笑いながらそう言った。

きっと、若干くらい空気を変えたかったんだろう、こいつはそう言う奴だ。


「まぁ、あれだ、とりあえず、魔物退治してみないか?」

「あ? 魔物退治?」

「あぁ! このゲームってレベルとかあるじゃん、あれが上がったらどうなるのか知りてぇし!」


こいつは速くもこの世界に馴染み始めたようだ。

まぁ、否定する理由も無し、ウジウジしても始まらないしな。

俺は勇次の誘いに乗り、魔物が出る場所に向かうことにした。

その道中、小さい女の子が俺に激突してきた。


「あ、ごめん、大丈夫か?」

「痛た・・・すみません、急いでたので」


その女の子は茶色の髪の毛で大きな髪留めで後ろの髪をくくっている。

服装は白と黒のチェック柄で、下は赤のロングスカートだ。

確か、この服装は魔法使いだったと思う。


「あの、もしかして、始めたばかりの方ですか?」

「あぁ、そうだけど」

「よかった! ぶつかったのも何かの縁です! 私とパーティーを組んでください!」


女の子は俺達とパーティーを組みたいと行ってきた。

このゲームでは仲間が1人でも多い方が戦いやすいそうだ。

この申し出は俺達にとっても願ってもないことだった。


「あぁ、喜んで、人数は多い方が良いからな」

「ありがとうございます!」


俺達は女の子をパーティーにいれ、俺達が魔物を倒しに行くと言うことを伝えた。

女の子はそれを聞いても付いくと言ってくれた、ありがたいもんだ。

その道中、俺達は自己紹介をした。


「俺は柳葉 修介だ、職業は剣士、レベルは1だ」

「俺は西岡 勇次だ!職業はスカウトで、まぁ、こいつと同じでレベルは1だ、よろしく!」

「私は芦田あしだ 明美あけみです、職業はメイジです、レベルは1です」


どうやら俺達はレベル1の完全新人パーティーの様だ。

この状態で魔物なんて倒せるのか不安だが、まぁ、3人もいるんだ、多分大丈夫だろう。


「俺達は皆レベル1か」

「そうだな、でも大丈夫だろう、きっとなんとかなるって!」


全員がレベル1という不安な数字だが、パーティー構成としては悪くない。

俺が前線で攻撃を凌ぎ、その間に勇次と明美が攻撃をすればいけるはずだ。

俺達はしばらく歩き、魔物がよく出てくると言う場所に着いた。


「ここですね」

「あぁ」


俺達は鞄の中に入っていた武器を取り出し、警戒しながら奥に進んだ。

ある程度進むと、小型の魔物が現れた。


「うし、これくらいならいけるだろ!」

「きしゃ!」


小型の魔物は尻尾と口から砲撃の様な物を放ってきた。

かなりの速さだ、しかし、何故か避けられるような気がした。


「この!」


俺は魔物の攻撃を回避し、一気に近寄った。


「援護射撃を開始します、えっと、{ファイヤー}」

「ぎゃう!」


後ろから飛んできた熱い弾は魔物に直撃し、魔物にダメージを与えた。

しかし、そこまで大きなダメージではなかったか、だが、魔物がひるむくらいはあった様だ。

ファイヤーはメイジの初期スキルだ、確か、説明によると、メイジは炎、氷、雷の3属性を初期に選び

その選んだ属性によって覚えるスキルが変わるらしい、詳しくは知らないがな。


「次は俺だ、えっと、こうか? {ポイズンナイフ}」

「ぎぎ!」


ポイズンナイフを食らった魔物は再びひるんだ。

確か、ポイズンナイフはスカウトの初期スキルだったか。

攻撃力は低いが、対象に異常状態を引き起こす。

スカウトの初期スキルはこれだけではなく、他にもいくつかあるらしい。


「とどめは俺だ!{カマイタチ}」

「ぎゅぅ・・・」


俺が放った技は魔物にクリティカルをして、倒した。

カマイタチは剣士の初期技だ、説明によると、基本的に近距離攻撃のスキルしか覚えれない剣士の

数少ない遠距離攻撃手段と書いてあった。

攻撃力は低いが、それでも最後まで扱える貴重なスキルでもあるそうだ。


「うし、倒したな」


俺達が魔物を倒すと同時にレベルが上がった。

俺は新しいスキルを覚えたとかはないが。


「新しいスキル、フラッシュを覚えました!」


フラッシュは魔物の目つぶし効果がある。

あくまで魔物用なので対人には使えないそうだ。


「よかったな」

「まぁ、低レベルの魔法なので、あまり使えませんけどね」

「良いじゃないか! 使い方次第だって!」

「ですね」


そして、俺達は魔物の素材を採取した。


「ん? 愚狼の玉?」

「おぉ! 確かそれってレアじゃなかったか!?」

「そうなのか?」


俺はしれっとレアを引いたようだ。

勇次の話では、この玉は1%以下の確立ででる超レアアイテムらしい。

勇次の情報では愚狼の剣を作るのに必要らしい。

こいつも初心者の筈だが、攻略サイトとかをはしごして情報収集は完璧だそうだ。

その熱意を他の事に向ければ良いのにと俺はいつも思っている。


「まぁ、とりあえずさっさと戻ろうぜ」

「そうだな」

「はい!」


俺達は街に戻った。

俺達が着いたときには暗くなっていた。

街の雰囲気は最初と殆ど変わっていなかった。

はしゃぐ人は少なくなり、嘆く人が増えている。

俺達はこの世界から脱出できるのか・・・いや、先を見るのはまだ速いか。

今はこの世界に馴染むしかないかな。

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