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とある抑うつの事務系女子

作者: michi

 最近熱暑くなってきた。今は六月の初め。

 2014年3月、私は精神科の病院で事務をし始めた。今人気の職業、医療事務というやつだ。


私は高校時代に、医療系か事務系の仕事をしたいと思っていた。

高校卒業後、2013年3月、歯科医院で歯科助手として働いていた。内定はもらったものの、高校在学中にも毎週土曜日には研修があった。3月から仕事をし始めたが、それは過酷なものだった。

 「はい、集合」

 診療中にも関わらず、医院長はスタッフ全員を集めた。この、集合というのは、まあ医院長がお怒りの時のことである。医院長室に入っていくと

 「お前たちは馬鹿なのか!」

 医院長の怒鳴り声。それはもう患者さんにまで聞こえるくらいの声。そんな毎日が続いていた。

 私は高卒で就職したということで、歯科助手などという専門的な資格は持っていない。だがここの歯科クリニックはそんなことなんて関係ない。資格を持っていないとしてはいけないことをやらされる。こっちとしてもいくら練習したって自信はつかない。逆にこんなことしてもいいのかという罪悪感ばかりだった。医院長は金の欲しさに患者の予約をどんどん入れる。その役目は私たち。誰がどれだけの患者さんを予約リストにいれたかチェックする。少ないスタッフは給料を減らすそうだ。1日100人を超えることなんてあたりまえのことだった。それはもう全部金のため。医院長の嫁はブランド品ばっかり、医院長は高い外車に乗っている。まだ5歳の息子を塾やバイオリン教室に通わせている。休診の日、スタッフは仕事。医院長はゴルフ。これが日課になっていた。

 とある日、医院長は長期休診をとった。その間ハワイへ旅行するらしい。なにもかもに私は腹を立てた。高卒っていうこともあり、社会の在り方なんてさっぱりだった私だが、我慢の限界だった。



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