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ダンジョンのある世界でサキュバスになったからえっちな配信して経験値を稼ごうと思う  作者: 大崎 狂花


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第1話 サキュバスになった男

 ある日のことであった。この世界にダンジョンとかいうよくわからないものが出現したのは。ちょうど四十年ほど前、世界各国に全く何の前兆もなくダンジョンなるものが出現したのだ。中には魔物が溢れ、今の地球の技術では作れないような不思議な魔道具の入った宝箱があって、そこはファンタジーな場所だった。


 で、まあそのダンジョンが出現したことで世界の理も色々と変わって・・・・・・えっとまあ何やかんやあって・・・・・・とにかくこの世界にはダンジョンへ潜って魔物を倒し、手に入った魔道具を売って生計を立てる探索者っていう職業が生まれた。


 そして、ダンジョンを探索する様子を配信することで人々から人気を集める探索配信者というものが誕生したのだ!


 ・・・・・・なんで一般人がダンジョンなんかに潜って戦闘するのか。そしてなぜその様子を配信するのか。そんなこと知らねえ! とにかくこの世界はそういう世界なんだよ!


 で、そんな世界で主人公の31歳男性、宮沢久みやざわきゅうは探索者をしていた。配信はしていない。そういうのは苦手なのだ。大体、くたびれた感じの冴えない、大してメロくもないおっさんが配信しても需要ないだろう。話もそこまで上手くないわけだし。


 1人でダンジョンに潜ってコツコツ魔物を倒しながら宝箱を探すのが一番性に合っているのだ。人とワイワイするのも苦手なので、パーティとかも組んでおらず基本1人で潜っている。


「よっと! ふう、ようやく倒せたな・・・・・・」


 久は王冠を被ったゴブリン、ゴブリンキングを激闘の末に倒し、肩で息をしていた。久は主に殴りで戦っている。もちろん素手ではなく、メリケンサックをつけている。


「はあ・・・・・・ゴブリンキングを倒すのに結構掛かっちゃったな・・・・・・」


 魔物の強さには段階があって、F、E、D、C、B、A、Sの七段階になっている。Fが一番弱くてSが一番強い。ゴブリンキングはDなので、そこまで強い魔物ではないのに久は苦戦した。


「やっぱりまだまだだな、俺」


 久はそう呟くと、自身のステータスボードを開いた。ダンジョンが出現してから、人は任意にステータスボードを開くことが出来るようになったのである。透明な板みたいなものが空中に出現する。そこに攻撃力やら防御力やらのステータスが書かれてあるのだ。


「まだレベルが足りないのかなあ」


 レベル。モンスターを倒すと入ってくる経験値を集めると上がっていくものだ。レベルが上がると攻撃力防御力のステータスも上がって強くなる。まあダンジョンが出現してから、世界はRPGみたいになったのだ。そういうもんだと思ってもらえばいい。


「おっと、こんなことをしてる場合じゃない! 宝箱の中身だ中身!」


 しばらくステータスボードを見て唸ってたわけだけど、久はそう言って顔をあげてゴブリンキングが守っていた宝箱へと駆け寄った。


「中身は何だろなー」


 そう言って一応専用の魔道具で罠じゃないかどうか確認してから、意気揚々と久は宝箱を開けた。


 そこには、ハート型のペンダントのようなものが入っていた。ピンク色の何かわからない宝石が、銀色のハート型の枠に嵌め込まれている。専用の魔道具で調べたけど、これもどうやら別に危険性はなさそうだった。


「何だろう? 体力増強系の魔道具とかかなあ?」


 初めて見る魔道具で、よくわからない。危険はないみたいだから、久はとりあえずそれを手に取ってまじまじと観察しようとした。


 すると──


「うおっ!? なんだ!?」


 その魔道具が突然ピンク色に光り始めた。突然のことに対応できない。何が何だかわからぬまま、久はぎゅっと目を瞑った。


 ・・・・・・


「・・・・・・あれ?」


 そして久は目を覚ました。どうやら気を失っていたらしい。ダンジョンの地面の上に仰向けになって寝ていた。ダンジョンの固くて冷たい地面を背中に感じる。


「何だ? 調べた時には危険性はないって出たのに・・・・・・魔道具の故障とか──」


 そう言いながら体を起こそうとすると


「えっ、何!? 胸おもっ!」


 なぜか胸の辺りにずしっとした重さを感じた。


「なんか声も変な感じがするし・・・・・・調子悪いのかなあ俺」


 そう呟きながら自分の胸を見た。


「・・・・・・えっ?」


 胸があった。いや胸はあるんだ。胸は元からある。そうじゃなくて、おっぱいがあるのだ。かなりデカくて柔らかそうな女の子のおっぱいが、自分の胸についているのだ。


「え・・・・・・え?」


 よく見たら、さっきまで着ていた服がぶかぶかになっているし、髪の毛も何だか伸びている気がする。


 そして──


「んっ!?」


 股間に感じる違和感。そこに感じるはずのものがないという感覚。久は慌ててダボダボになったズボンを捲ってそれを確認した。


「ない! ・・・・・・ない! あれがなーい!!」


 男の象徴、男の剣。男たるものの証。それが綺麗さっぱり無くなっていたのだ。


 それに・・・・・・


「何だこれ・・・・・・紋章?」


 ピンク色ハート型の何やら紋章のようなものがお腹の下、下腹部の辺りに刻まれていたのである。


「え・・・・・・? は?」


 久はスマホのインカメラで自分の姿を映してみた。


 ところどころピンクの混じった、流れるような長い黒髪に白い肌、やや暗めのピンクの目、整った顔立ち。そして、大きな胸。


 そこに映っていたのはそんじょそこらの美人では、いや、一流アイドルすらも凌ぎそうなほどの超絶美少女だった。


「お、お・・・・・・」


 ダンジョン内に、久の絶叫が響き渡った。


「女の子になってるー!!!!」


 ◇


「なるほど。そのハート型の魔道具を手に取ったら光り出して、気づいたらそんな姿になってたと」


「そうなんだよ・・・・・・」


 久は男だった時のダボダボの服を何とか着て、目の前の女性にそう言っていた。そんなダボダボな服でも今の久は光り輝いている。ここへ来る途中もすれ違う人全員からめっちゃ凝視された。


「でもまあ、ちゃんと本人確認が出来てよかったじゃないか。声も指紋も目の虹彩も顔も変わってたけど、魔力の波長は変わってなくて何とか宮沢久本人だと証明出来たんだろう? 嘘判定の魔道具でも嘘をついていない、本人であると出たわけだし。よかったじゃないか」


「よくないよ! ・・・・・・いや確かによかったけど! そもそも女の子にならなきゃわざわざそんなことまでして本人の証明なんてしなくてよかったんだから!」


 久は叫んだ。目の前の女性は笑った。


 今、久は知り合いの女性へ相談に来たのである。白衣を着て、長い茶色の髪をポニーテールに結んだ眼鏡の女性である。美人だが目の下にクマが出来ていて、綺麗な茶髪もお風呂に入っていないせいかややボサボサしていて少し匂う。


 彼女の名前は中山イア。魔道具の研究者をしていて、久とは旧知の仲だ。ただ、付き合っているとかではなく、腐れ縁の幼馴染というだけである。


 イアは魔道具の研究者なので、元に戻る方法とかも知ってるんじゃないかと思って今回相談したのである。


「ハート型の銀色の枠の中に、ハート型にカットされたピンクの宝石が嵌め込まれている・・・・・・」


「うん。そのあとすぐに光り始めたんでじっくり見る余裕はなかったんだけど、大体そんな感じの見た目だった」


「で、その光が収まったらそうなったと。ふうん・・・・・・まあ、君と同じように魔道具で性別が変わったという事例がないことはないんだよ。魔道具に触れたら性転換してしまった例はそこそこある。性別が変わるだけで本人に危害が加えられたり、命が危うくなったりするわけじゃないから、危機察知の魔道具には反応しない。なので、割と起こりやすい事故と言えなくもない」


「じゃあ・・・・・・!」


「でもな。形状が違いすぎるんだよ。ほれ」


 イアは分厚いファイルを久に見せた。そこには写真付きで魔道具の特性とか効果とか名前とかが記されている。そこに載っている『性転換の魔道具』とされているものは指輪型。確かに、久が見たのとは似ても似つかない代物だった。


「ほんとだ。確かに違うな。・・・・・・でも、形が違うだけで効能が同じ魔道具ということはあるんじゃないのか?」


「まあ、そういうこともあるかもしれないが・・・・・・ただ、私には一つ心当たりがあってね」


「心当たり?」


「そう。私が前に人型の知性ある魔物を生け捕りにして尋問した時のことなんだが・・・・・・」


「物騒なことしてんな・・・・・・」


 イアも一応探索者として活動しているのだ。もちろん、魔道具研究のためである。


「その時、ある魔道具の話を聞いたんだよね。銀色のハート型の枠の中にピンク色の宝石が嵌め込まれた魔道具の話だ」


「え? まんま俺が見た魔道具じゃん」


「何でも、その魔物の証言によるとその魔道具は『サキュバス変化の魔道具』と言って、触れた者を無条件でサキュバスにしてしまうらしいぞ」


「・・・・・・」


「十中八九それだろうな。君が触れたのは、『サキュバス変化の魔道具』で間違いない」


「マジかよ・・・・・・」


「だろうね。下腹部に淫紋もあるわけだし」


「なんかそれっぽいなとは思ってたけど、やっぱこれって淫紋なんだ・・・・・・」


 急にあなたはサキュバスになったんですよ、とか言われても頭が追いつかない。


「いやー、もったいないね。未発見の魔道具だ。実物がここにあって調べられたらよかったんだけどね。その魔道具は消えてしまったんだろう?」


「ああ。辺りをすっごい探し回って・・・・・・探知の魔道具までレンタルして探したんだけど、見つからなくてさ・・・・・・」


「ふうん。一回消耗型の魔道具だったのかな。惜しいことをした・・・・・・」


 で、まあ久はイアに色々と体を検査されることになった。


「はい口開けてー」


「あー・・・・・・」


 まずは口内の検査だ。


「ふむ・・・・・・」


「? どうしたイア。何かあったか?」


「いや、特に何があったというわけではないが・・・・・・サキュバスになったお前の口内はいかがわしいな」


「は?」


「お前の口内いかがわしいな」


「悪口だろ。・・・・・・いや悪口にしても何それ? 口内がいかがわしいってどういうことだよ」


「なんというか、長くて固くて黒光りするやつを突っ込みたくなる口をしているな。なんかねっとりしてる」


「セクハラじゃねえか!!」


 どセクハラされた。


 さて、次。


「次は体に関する数字を測定していくよ」


 そう言って、イアは手袋をした。何か紋章のようなものが描かれている手袋だ。


「・・・・・・何それ?」


「測定の魔道具だ。この手袋をしてお前の胸を揉むことで胸のサイズがわかる」


「はっ? 今なんて言った?」


 久は思わず聞き返す。イアは淡々と言った。


「これをしてお前の胸を揉む」


「嘘だろ・・・・・・」


「嘘じゃない、大マジだ。色々とデータが欲しいわけだし、それにお前は今は性別女だ。なら、ブラとかも必要だろう。だから、どっちにしろサイズを測る必要がある」


「ブラって・・・・・・しなきゃダメなのか?」


「ダメだろ。いいから大人しく測られろ」


 そういうとイアは素早く背後に回って、久の胸を鷲掴みにした。


「ひゃっ!? ちょ・・・・・・」


「おっ、なかなか可愛らしい声を出すじゃないか。・・・・・・そうだな。ついでに感度も見ておいてもいいかもしれないな」


「ちょ、おま、何言って──んっ!」


「ちゃんと感覚はあるし、感度は良さそうだな・・・・・・」


「や、やめ・・・・・・ん、ぁっ・・・・・・あっ」


 久の顔はだんだん紅潮してきて、目を瞑り、立ち昇る快感を必死に耐えようとしている。


「ふむ・・・・・・」


「んんっ、はっ・・・・・・あっ・・・・・・」


「おお・・・・・・」


「だ、だめ・・・・・・やめっ・・・・・・あ・・・・・・」


「うむ・・・・・・」


「い・・・・・・つまでやってんだバカ野郎が!!」


「おおっと」


 ついに耐えきれなくなった久がイアを殴り飛ばそうとしたが、イアはするっと避けてしまった。このセクハラ研究者は・・・・・・


「やれやれ・・・・・・でも、ずいぶん長い間大人しく揉まれてたじゃないか久くん」


「うるせえ!!」


 さて、揉んだ末に出た測定結果をイアは紙に記していく。


「うおでっか」


「ネットの住民みたいになってるぞイア」


 この物語はサキュバスになった男、宮沢久の物語である。どうなるかわからないが、よろしく頼む。

読者の反応、評価を見て続けるかどうか決めようと思います。微妙なようなら撤退しようと思います。


あと、もし何かネタ被り等あれば教えてくださると嬉しいです。

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