運命のベルトダウン
たくさんのベルトコンベアーが、たくさんの方向にゆっくりと動いている。
そのどれかは、きっと何処かへ辿りくんだろう。
その不安と恐怖の裏腹に、僕の好奇心はそれを上回るかのように、足が勝手に動いた。
片方の足が、動いてるベルトコンベアーに差し掛かろうとした時、ベルトコンベアーは、逆方向に動いた。
「え?」
予想もしない動作に戸惑う自分。
しかし、どこへ到着するか分からないコンベアーに、戸惑いもなく足をのせて身を任せた。
(好奇心、恐怖、動向、その全ての終着点は、必ずとも良い方向に向かうとは限らないが、それもまた楽しいんだろう)
僕は何故か、自然とそういう風に思ってしまった。
そう思いを寄せてるうちに、僕の体は、ゆっくりと前進していくのでした。