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ねぶた師:鹿野章一 「関羽の馬投げ」

作者: ア煌

西暦202*年、人類は未曾有の危機に瀕していた!。


それは宇宙からの侵略者の襲来である。


宇宙からの侵略者に対抗するべく国際機関は世界各国に人型ロボットの建造を依頼するが、それに間に合ったのは日本の青森県にある青森ねぶたロボットだった。


某日の午後6時。


ピーピーピーピー(通信機の音)


弟子

「はいっ、鹿野工房です」


女性

「青森県むつ市脇野沢北海岬周辺の海岸にて宇宙からの侵略者の襲来が確認されました、ねぶたロボットの出撃を要請いたします」


工房から現場へは下北半島を北上する陸路では約2時間30分。


一方、津軽半島を陸路で北上して蟹田でフェリーに乗り下北半島に渡る手もあるが、蟹田からのフェリーは既に2便目が出向した後で海路が閉ざされている、どうする?。


鹿野

「平舘の海岸からジャンプせば届ぐんでねが?!」


弟子

「ジャンプってどうやって・・・」


鹿野

「なんもやぁ打つ手はあんね」


弟子

「あるんですかぁ~?」


鹿野

「いいはんで、行げてば」


弟子

「あぁ~、解りましたよぉ~」


弟子が乗車して関羽ねぶたロボット出撃。


鹿野

「んでや、馬っこ(まっこ)ねぶたロボットさ乗れじゃ」


弟子

「えええぇぇ!、馬っこって!、馬ですよねぇ!、私、乗馬経験も無いですよぉ」


鹿野

「良ってば、なんとかなるべ」


弟子

「もおぉ~」


鹿野

「馬っこだねっ、馬っこ!、誰がベゴ(牛)って言ったばっ」


弟子

「はいはい」


馬ねぶたロボットに乗馬?して平舘に向かう関羽ねぶたロボット。


弟子

「うわぁ~~、馬ねぶたロボットに乗馬する関羽ねぶたロボットに乗車するもんだからめっちゃ揺れる!揺れるぅ!!」


それもそのはず、操縦室の中にいる操縦者には高低差10メートルの激しい挙動に見舞われているのだった!。


走る事1時間、平舘に到着。


弟子

「うううううううぅ死ぬかと思ったぁ」


気を取り直した弟子は関羽ねぶたロボットを馬ねぶたロボットから降ろして対岸の脇野沢方面を向かせて凝視。


弟子

「良しっ、時間は掛かったが何とかなりそうだな」


脇野沢にはまだ宇宙からの侵略者がいるようだ。


弟子

「で、次はどうするんですか?」


鹿野

「座席ば外せばスイッチがあるはんで、それば押せじゃ」


弟子

「解りましたぁ、で、座席を外す・・・・・・・・・・・・・・・・・?!」


座席が思うように外せない?!。


弟子

「師匠、座席が外れないんですけど?」


鹿野

「んだがっ、んだばぁ~~、熱湯ば掛げで3分までじゃ、せばやっ、フレームが伸びで座席が外れやすぐなるはずだね」


弟子

「へっ!?」


とりあえず指示に従い熱湯を掛ける弟子。


3分後、無事に座席が外れてスイッチを押す事ができた。


すると、関羽ねぶたロボットは馬ねぶたロボットを持ち上げてハンマー投げの要領で馬ねぶたロボットを下北半島目掛けて投げ飛ばすのであった。


弟子

「うおっりゃっ!」


投げ飛ばされた馬ねぶたロボットが空中を舞う。


馬ねぶたロボット

「ひっひひ~~~~~ん」


ある程度の高さまでに到達した馬ねぶたロボットは突如として背中から翼を展開し、蹄を後方に向けエアースラスターを推進力として噴出させて下北半島を目指すのであった。


5分後、馬ねぶたロボットが無事に下北半島に着陸


弟子

「良しっ!、上手く行ったぞ」


鹿野工房から出撃してから早1時間20分!。


鹿野

「んだがっ」


弟子

「で、次、どうするんですか?」


鹿野

「ん!、次って?」


弟子

「いやっ!、現地に馬ねぶたロボットは到着しましたが、肝心の関羽ねぶたロボットはどうやって下北半島に行くんですか?」


鹿野

「あっ!、そごまで考えでねしたじゃ」


弟子

「師匠っ!」


弟子

「師匠おぉ~」


やたらと弟子の声ば響く!?。


弟子

「師匠っ!!」


鹿野

「あぁ!、あっ、おはよっ」


弟子

「おはようじゃありませんよ師匠、いい加減に食事中の居眠りは止めてくださいよ、子供じゃないんですから」


鹿野

「たげ食ってからだはんで良べな」


弟子

「良くありません、それに、フォークの刺さった牛ステーキ肉が部屋の片隅に飛ばされていますが、また寝ぼけて投げ飛ばしたんでしょ?」


鹿野

「なんもや、投げだのはベゴでねくて馬っこだね馬っこ」


弟子

「なんですか?、今度は??、馬投げの夢でも見ていたんですか???」


鹿野

「んだっ」


弟子

「はぁ~~、あなたって人はぁ~」


ねぶた師:鹿野章一、彼はねぶた師でもあり自他共に認めるロボットオタクでもあった。


鹿野

「やっぱやぁ、ねぶたさジェットエンジンば付けて・・・」


弟子

「師匠っ!」



終わり


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