ルナティアorリバーサル〜2
「…………で?何か言うことあるじゃろ2人とも」
「「……申し訳ありませんでした」」
朝の騒動である程度落ち着いた後、私は主犯格の2人を床に座らせて説教をすることにした。
「アハハハッ!!!ルナまじで男になったんか!!アハハハハハッ!!」
「ティアムンク様の薬とはとても不思議なものですね………」
近くのソファには馬鹿笑いしているバルザックにティアの薬について興味津々な小鈴さん。
「るな姉…………なぁ姉みたいになってる」
「いいですねぇ………話のネタが尽きませんねぇ………」
そして、私の身体をペタペタ触っているスルースにいつも通り爆速で私をスケッチしているカグラ。
ちなみにナザールは只今遠征中で今日中には帰るそうだ。
「……で?何故こんな事したんじゃ」
「…………えっと、理由は……その〜〜………」
「リュウエン様からお姉様と子作りしたいからお姉様を男にせよと依頼されましたので作りましたわ」
「ティアちゃん!?」
私が理由を聞くとティアは清々しい表情でそう言ってリュウエンは顔を真っ赤にさせた。
なるほど。リュウエンは子供が欲しかったのか。
「なら、何故生やすという発想に至らなかったのかの?ほれ、そこに実例がおるじゃろ」
私はそこで未だに馬鹿笑いしているバルザックを指差してそう聞いた。
「一部分だけ変化させるというのは非常に繊細で難しいのですが、丸ごと全体となれば楽ですのでそうしました。バルザック様の場合ですと元々の性質ですのであまり参考にはなりませんわ」
「そういうものか……。それでこれは元に戻るのかの?」
「はい。何もしなければ1週間効果は続きます。すぐにでも元の可憐なお姿に戻る方法もありますが…………」
とここで不自然に言葉を切らしたティアムンク。
「なんじゃ、言ってみろ」
「えーー………、お姉様とリュウエン様がアレな事をすればいいのですが、その〜〜、あの薬の副作用として普段の性欲が倍になるというものですので………」
「あぁ〜〜〜…………、なるほど」
ティアムンクが言わんとしている事はわかった。つまり、リュウエンとナニすればすぐに元に戻ると。
ちらっとリュウエンの方を見てみると真っ赤になって固まっていた。
「………………リュウエン」
「……………… 」
「1週間、我慢しようか」
「……………… 」
自分で言うのもあれだが、私は性欲が強い方だ。それこそリュウエンが息絶え絶えでもう限界でようやく私は満たされるくらい。つまりは普段のやつは案外不足気味である。そこに倍化が加われば…………うん。
間違いなくタガ外れてブッ壊れるな。うん。
とここで玄関先で爆音が発生し、ガシャガシャと騒がしい足音がこちらに向かってくるのが聞こえて来た。
「ん?なんや、随分早かったなぁ。おーい、ナザール!すんごい面白いッブベラ!?」
バルザックが入り口の扉の方へ行き開けようとした時、ちょうど扉を破壊して入ってきたナザールに扉ごと吹っ飛ばされた。
「ルナティア大丈夫かッ!!」
と珍しく肩で息をして叫んでいるナザール。
「おぉ、姉上。別に我は問題ないぞ。これは1週間ほどで治るそうじゃ」
「…………そうか。それはよかった」
私がそう言えばナザールは安心した表情を見せた。
「………………それでスルース。いったいいつまで触ってるんじゃ」
と今も何故か私の背にしがみついて検分しているスルースに聞いてみた。別に触られることにはいいのだが、なんだかむず痒くなるのだ。
「……ん?るな姉がなぁ姉みたいだから」
「いや、理由になっておらんじゃろが………。というかそんなに似ておるのか?」
「そうやで。ナザールをそのまま男にして、細身で縮めて髪を銀にして、シャキッとさせた感じやな。性別とそれ以外ではほぼナザールや」
「…確かによく見れば鏡を見ている気分になるな」
「いやそこまでかの?」
「まぁまぁ、それよりも2人共並んでくださいよ。写真撮りますから。こんな機会、滅多にありませんし」
「…それもそうだな。1週間限りの弟だな」
「お、おい!勝手に撮るでない!あ、ちょっと、姉上!腕組むな!当たっておるじゃろが!」
「…別に構わんだろ」
そうしてしばらく私とナザールの撮影会となった。
『反転』という意味でリバーサルと入れましたが、もしかすると間違っているかもしれません。
間違っていたらできれば報告お願いします………




