最後の大罪
どうも私はルナティア・フォルターです。
顔も知らんクソ女神の勇者召喚に巻き込まれて死んで転生して、邪神の眷属になった普通の女の子。
異世界でのんびりしようかな〜、と思ったがあいにく世界は戦争真っ只中。どうしようかと悩んでいたら、私の嫁とよく共に冒険した仲間が私を追いかけてやってくると邪神から聞いたから魔王と協力して人間をテキトーにプチプチ潰しながらみんなを探しています。
嫁はすぐに再会できたし、残りの仲間も残すところあと1人。非常に順風満帆な日々を過ごしています。
……………………って、このくだり前もやったか。
今、私はアリシアになんとも言えない表情で見下ろされている。
なんでかって?それは私がマスコットモードの状態で子供達にぬいぐるみよろしく抱っこされているからだ。
腹をくの字に曲げられてるからきついんだけど…………。
ちなみにリュウエンは3メートルほどの赤いヒヨコになって枕になっているし、ナザールは5メートルほどの大蛇になってブランコになっている。
バルザックは水がないと出来ない為、普段通り仕事をしに行き、スルースは自分の洞天に引きこもっている。
ティアムンクは某劇場版人造人間ロボアニメで有名なみんなのトラウマ、ゼ○エル様みたいな見た目にちっこい翼を生やしたマスコットモードでふわふわと浮いて子供達と遊んでいる。
「…………なるほど。状況は理解した」
「何を思って理解したんじゃ?」
「いや、おおかたそこのぷかぷか浮いているティアムンク?が連れてきたんだろ?しかもその子達は色々と訳ありでどうするか困っている、そういう事じゃないか?」
アリシアは私に目線を合わせる様にしゃがんでそう言った。アリシアの行動に驚いたのか私を抱えている子の腕の力が増した。
「まぁ、そんなところじゃ。託児所に預けるにも子供達はティアの所為で非常に怖がりになってしまっておるからな。我らもこの姿になってはじめてここまで接してくれる様になったのじゃ」
「そうか。いつもの姿はどうなんだ?」
「ティアムンクは論外でナザールも雰囲気から駄目。バルザックとスルース小さい子なら問題なくて我とリュウエンと小鈴さんは片言の会話くらいは可能じゃ」
「……………微妙だな。使用人の方は?」
「我のブラッドメイドは纏う死の気配で寄り付かん。バルザックの水の乙女達は似た様な姿故か多少は慣れている。天津は人気者じゃな」
パンダはどの世界でも人気者だ。
「あぁ〜〜〜……………、こんな時にカグラが居てくれれば、もふもふパラダイスを出して子供達の面倒を見てくれるのに…………」
私はこの場にいない最後の1人を思ってそう愚痴た。
カグラの召喚獣は犬や猫などの幻獣を中心に癒し系のものが沢山いる。それにカグラは子供好きだから喜んで引き受けてくれるだろう。
「無いものねだりだよールナちゃん。多分今頃、ダイミョウに乗って旅をしてる筈だよ」
私の愚痴にそう言うリュウエン。リュウエンの周りには数人の子供達が彼女のふわふわの綿毛に包まれて寝ていた。
……………………そこは私のだぞ。
とその時。
「カグラ様………ですか?それでしたらこの前見かけましたわよ?」
「「「………………………は?」」」
ティアムンクがおかしな事を言った。
「…ティアムンク。お前、どこで見たんだ?」
ずっとブランコ状態でぐったりとしていたナザールがティアムンクに聞いた。
「いや、本人には会いませんでしたが、お姉様と再会のご褒美を頂いていた時に、遠くの方にオオヤマトリデガニが歩いていまして。山甲殻の頂上に可愛らしい猫の旗がありましたから確かですわよ」
私たちは衝撃で言葉が出なかった。そして、私たちは同時に思った。
(((なんで、その時言わなかったッ!!)))
少々、体調を崩してしまいまして、更新を3日程お休みします。




