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転生した鏖殺姫は今日も仲間と共に楽しく暮らします  作者: 骸崎 ミウ
鏖殺の喰人姫
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転生して〜3

*注意*



当作品はカニバリズムを推奨するものではありません。


食事中又は食後に非常に不快になる場合がありますのでご注意を。


味に関してはネット検索を参考にしております。

ミラを呼んでから少し経つと私の前には大量の人間共が積み重ねられていった。



私の今の感覚からすると元人間だったというのが完全に他人事の様になり、目の前にいる人間は美味しそうな肉の塊にしか見えなかった。



(たった数刻でここまで変わるもんじゃな。やはり、精神が肉体の方に引っ張られておるのかのぉ?)



しばらくそう考えていたが、別にどうでも良くなり私は"食事"を始めることにした。今はどうしようもなく腹が減っているからね。



手始めにその辺の奴の腕を引きちぎって骨ごと喰べてみる。



………………なんか豚みたいな感じだ。前に見たテレビ番組でも豚みたいな味だと言っていたが、その通りの様だ。それに不思議と美味い。人間を食べた野生動物がその後も定期的に人間を捕食する理由がわかる気がする。



あーーー…………ギャアギャア喧しいなぁ。丸ごと喰べるか。



私は《暴食の骸》を発動させてパ○クマンの如く肉を貪った。すると豊潤な旨味が突如として口いっぱいに広がりました。



「うぉ!?なんじゃこれ!?急に美味くなったのじゃ!」



『それは魂の質が良いからかと』



私が驚いているとミラがそう補足してくれた。



「やはり生息区域によって変わってるのかの?家畜も住む環境や餌によって同じ種でも味が変化するものじゃからな」



私はそのままバリバリムシャムシャグチャグチャと丸ごと喰べていく。部分的よりも全体の方が味が良かったからだ。



とここで不愉快な気配がした。



その不愉快な気配がする方を見ると何やら強そうな人間の一団がこちらに向かって走っていた。



先頭に煌びやかな白い鎧に身を包んだ美青年が険しい表情をしながら走ってきて、私を視認するとスピードを上げていきなり斬り掛かってきた。



音すらも置いていく様な疾風斬りは寸分違わず私の喉元を捉えていたが私にはその動きがスローモーションに見えた。



手足が普通に動くから走馬灯ではないのは確か。怖いとも脅威とも感じないことからこの美青年はその程度の実力。私は飛んできた剣を摘んで止めた。



「なんだとッ!?」



美青年が酷く驚いた様にそう言った。まぁ、それはそうか。自分よりも見た目が非力そうな"美少女"(ここ重要ッ!!)に渾身の一撃を指で止められて動けないからだ。



「なんじゃ?人が食事している時に斬り掛かるのがこの世界のマナーかの?」



とりあえず私は苦言を申し出た。流石にこれはないからね。



「その人達を今すぐ解放しろッ!!魔族ッ!!」



………………魔族?誰だそりゃ?



美青年がいう魔族を探して辺りを見渡したが、目に入るのは私のメイド長で魂喰いの王ソウルイーター・ロードであるミラと10人の妹達(魂喰い達)と2体の屍龍(デスドラゴン)、あとは美青年一団とご飯しかいない。



ちなみに私が知る魔族は青い肌に山羊みたいな角があるだけで基本的に人間と変わらない見た目をしている。



「魔族なんざおらんぞ?ミラよ、この場に魔族はおるか?」



『いいえございません。主様は天魔邪龍でございますし、我ら一同はアンデッドでございます。その低脳な猿が叫んでいる様な魔族は半径500メートルに存在しません』



「やはりか。………しっかし、お主は人間が嫌いか?ずいぶんと棘のある言い方じゃぞ?」



さっきのミラの物言いはなんだか冷え込んでいる様に聞こえた。



ゲームだった頃、契約したモンスターのステータスや見た目、テキストログの細かな設定など全て自らの手で組み替えることができた。



元となる種族から大樹の枝分かれの如くの量の設定を組み合わせて自分だけの契約獣を作る。これも『nightmare(ナイトメア) memory(メモリー)』の醍醐味の1つだ。



ミラは私が始めて契約したアンデッド系の契約獣だ。最初は骨犬(スカルドッグ)だったが、アイテムや装備を駆使してアニマルアンデット系最強格である魂喰いの王ソウルイーター・ロードにまで強化できた。



人型については課金要素のテクスチャ変更で銀髪美少女メイドにしてテキスト設定で『人間嫌いで物静かなメイド長』とした。



…………ギルド仲間にはやり過ぎだと言われたが後悔はない。



『はい。人間は野蛮で低脳で自らの欲望のままに命を奪い搾取し、人間以外の知性ある者を無意味に見下しています。世界の膿であるが故に早急に排除する必要があります』



「お、おぅ…………そうであったか。して?子綺麗な猿よ。魔族であるなら向こう側に沢山おる。我は食事に戻る故に邪魔するでない」



そうして私はペイッと美青年をデコピンで弾き飛ばした。すると面白い様に吹き飛んでいった。




『消し飛びましたね』



「そうじゃな。よし、食事の続きといくか。お前たち!今日は我の奢りじゃ!ここにおる奴ら全員喰ってよし!」



『『『『『ーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!』』』』』



私がそう叫ぶと10人の魂喰い(ソウルイーター)屍龍(デスドラゴン)は歓喜の叫びを上げて人間共に群がった。



宙を舞う肉片と血飛沫に苦痛と絶望に満ちた悲鳴。そこに地獄ができた。




「ところでミラよ。お主も喰っても良いぞ?」



『……………………ダイエット中なので』



(アンデッドってダイエットするのか………)


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