表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した鏖殺姫は今日も仲間と共に楽しく暮らします  作者: 骸崎 ミウ
平和?な日常
33/120

獣王国タルザリア

獣王国タルザリア。



獣人を中心に栄えた国であり、 国の雰囲気はどこか日本の様な和の国である。そして、私が滅したキース王国と同じくらい精霊と密接な関係にある国でもある。



私たちはアリシアに合わせて馬車に乗って移動した。まぁ、長旅で疲れたがゆっくりと流れる景色は新鮮で面白かった。



和風な建物が立ち並ぶ道を通り、人々の好奇心の目を集めた馬車は中央にある一際大きな建物まで辿り着いた。



「…やれやれ、やっと着いたか」



「まぁ、仕方ないやろ。ルナティアの戦艦やウチらの飛行とはわけが違うんや」



「そうじゃな。馬車の旅もなかなか良いではないか」



「そうだねぇ。いつもは上から見ているからねぇ」



「会話はそこまでだ。そろそろ降りるぞ」



アリシアが言うとそこでちょうど馬車が止まり、ひとりでに扉が開いた。まずはアリシアが降りて次に私たちが降りた。もちろん、リュウエンには夫である私がエスコートして。



ちなみに私たちは完全装備である。



馬車を降りて目にしたのは私達の到着を待っていた大勢の武士の様な風貌の兵士らしき人達。そして、彼らの前にいるのは気品あふれる着物を着た初老の白狼の獣人だった。



「遠方から遥々ご苦労でありました。私はこの城の当主、銀鉄と申します。以後お見知りおきを」



「挨拶をどうも。私はイスチーナ様から魔王の称号を授かっているアリシア・ブラッドエンフィという。今回はお招きありがとうございます。そして、私の後ろにいるのが『七大罪龍(セブンズドラゴン)』の4人であります」



「…魔王アリシア・ブラッドエンフィより紹介に預かった『七大罪龍(セブンズドラゴン)』だ。…私は組織のリーダーを務めている"憤怒龍(ラース)"ナザール・テンペスト。後ろにいるのは右から"暴食龍(グラトニー)"ルナティア・フォルター、"嫉妬龍(エンヴィー)"リュウエン・フランメ、"強欲龍(グリード)"バルザック・セレストだ」



アリシアの紹介の後にリーダーであるナザールが私たちの紹介をする。(お願いした時、非常に嫌そうな顔をしたが)



「おぉ、貴女方が………。話は精霊達から聞いております。彼の国から精霊を救っていただき、ありがとうございます」



銀鉄さんは顔を綻ばせると私たちに礼を述べた。



私が単独でやった事だが、後々『七大罪龍(セブンズドラゴン)』に有利な方向に向かう可能性がある為、ここは黙っておく。



「入り口ではアレですので、さぁどうぞ。案内しますぞ」



そうして私たちは銀鉄さんの案内で城の中に入っていった。




***



城の中は天井の高い古き良き日本の城のような構造で多くの人がいた。そして、精霊もまた沢山いた。



ーーージョオウダ。ジョオウガキタ。



ーーーーホノオノリュウノセイレイ。ソレニチギンノテンリュウモキテル。



囁く様な喋り声が辺りに響いている。



ーーーーケイヤクシタイナァ。



ーーーーーーーデモ、リュウセイオコル。ヤッチャダメ。



私たちの周りをふわふわと浮いているのは以前、見た事のある子供の精霊だ。今回はマリモ塗れにはならずに済んでいるが、少しばかりくっついてきている。ちなみに翼には小人型の精霊が遊具の様に遊んでいる。



「…どうやら、ルナティアとリュウエンの契約が効いているみたいだな」



ナザールは肩や頭に紫や黒などのマリモが引っ付いている。その色の精霊は闇や雷の属性を司る精霊である。そのせいかパチパチと音を鳴らしている。



「ふふっ、やっといて良かったね」



一方でリュウエンは赤やピンクなどの暖色系のマリモがふわふわと周りを浮いている。炎の龍精である彼女にはそれに準じた属性の精霊が集まっている。



「な、なぁ。これ…………どうしたらいいんや?」



バルザックはというと以前の私と同じ様にマリモダルマになっていた。違う点は私の場合、様々な色のマリモダルマだったが、バルザックの場合は青や水色といった寒色系のマリモが大量に引っ付いていることだ。



加えて、マリモから成長した小人型の精霊も混じっており、しっちゃかめっちゃかやっている。



「………………なんでそんなに好かれるんだお前たち」



「どうやら、精霊に好かれる魔力の波長をしておられる様ですな。羨ましい限りですよ」



前方を歩いているアリシアは呆れた様子でそう言い、銀鉄さんも笑いながらそう言った。



すれ違う人も主にマリモダルマ状態のバルザックに対して目を剥いて驚いている。



そうして、私たちは晩餐を楽しみ、与えられた客室へと行き、旅の疲れを癒した。



ちなみにアリシアが事前に連絡していたのか私とリュウエンは同室であった。



よくやった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ