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転生した鏖殺姫は今日も仲間と共に楽しく暮らします  作者: 骸崎 ミウ
平和?な日常
29/120

リュウエンの嫉妬

レッドブル3本キメてハイテンションで書きました。



後悔はありません





とある日の朝。



「ーーーーぅむ?」



私はふわふわとした何かに鼻先をくすぐられる感覚に目が覚めた。というか全身がもふもふしている感じがする。



「むぅ、なんじゃ?……………ん?」



私は起き上がろうとしたが何故か起き上がれなかった。



「……ふ、ぁ……はぁ……。おはようルナちゃ…………ルナちゃん!?」



隣で寝ていたリュウエンが起きて驚いた声を上げた。



「ちょっとなにこれ!?ルナちゃん!?大丈夫!?」



「なんやなんや、朝から騒がしい…………なんじゃこりゃあ!?」



リュウエンの叫びにバルザックがやってきて彼女も素っ頓狂な叫びを上げた。



「な、なぁ?我、どうなってるのじゃ?動けないんじゃが……………」



重くはないが柔らかい何かに抑え付けられて力が入らないといった感じか。



と次の瞬間、尻尾を掴まれる感触の後に思いっきり下に引っ張られた。



「ふぎゅ!?」



ぞわぞわと得体の知れない感覚に付け根あたりが取れそうなくらいの激痛で変な声が出た。



身体を捩って見ると私の尻尾を鷲掴みするナザール。そしてぷらーんぷらーんと振り子みたいに揺れる私。



「…大丈夫か?」



「大丈夫じゃ。それより降ろしてくれ姉上。尾の付け根が痛いのじゃ」



「…それはすまない」



ナザールは申し訳なさそうに言うと私の尻尾を離してくれた。



そうして解放された私はついさっきまで寝ていた場所を見ると……



「うわぁ…………」



赤や緑や青といった様々な色のマリモみたいなのが山の様にいた。なんというか…………まっくろくろすけを更に可愛いデフォルトしてカラフルにした感じ?



恐る恐る尻尾の先で突くともこもこと私の尻尾に纏わりついて来た。…………うん、あったかい。



「というか、なんやこれ?まさかルナとリュウちゃんの子供?」



「そんなわけないじゃろ。もしそうだったら子沢山過ぎるし、できたなら報告するわ」



と言っている側から私の翼や肩や角にマリモ擬きがくっついてくる。



「……………見た感じだと子供の精霊みたいだよ?」



リュウエンはマリモ擬きをふにょふにょと捏ねながらそう言った。



「本当か?んー……、これはアリシアに報告じゃな」



そうして私達は朝食を食べて身支度を済まして魔王城へと向かった。




***




「…………………………今度はなにをしたんだルナティア」



アリシアは私を見て早々半目でそんな言葉をぶつけてきた。



「心外じゃなぁ。起きたらこうなっておったんじゃ」



今の私の見た目はいつもの血塗れエセ修道服に身体中にもこもことカラフルなマリモ擬きをくっつけている状態だ。角と翼と尻尾は隙間が無くなるほどくっついている。あとは肩とか頭とかに。乗り切らない分は自由気ままに私の周りをふよふよぷかぷかと浮いている。



道中、かなりびっくりされた。



そりゃあ、マリモの塊を纏わせてやってきたら私でも驚くわ。



「なんか精霊達が言うにはルナちゃんの側が1番安全で居心地がいいみたいですよ?それにこれ全部子供の精霊みたいですし」



「なぁ、アリシアよ。これどうしたら良いのじゃ?そろそろ我、羊になりそうじゃ」



もう既に目の前がもこもこで見えなくなっているし。



「知らん。それより、精霊達はリュウエンの方には行かないのか?」



「私は同じ精霊でも最高位の龍精霊のハーフですよ。例えるなら王様と平民って感じですかね」



「なぁ?助けてくれんかの?動けないんじゃが?」



私は完全に身動きが取れなくなり助けを求める。するとリュウエンでもアリシアでもない何かの気配がしたと思うとマリモが塊で次々と離れていった。



開けた視界に入ってきたのは霧旨に奴隷扱いされていたウンディーネだった。



「おぉ!ヌシか!もう傷は癒えたかの?」



私の問いにウンディーネは嬉しそうに頷き返した。どうやらまだ声を出せない様だが、傷が癒えたことには嬉しい限りだ。



するとウンディーネは光る何かを私に差し出してきた。それは水晶の様なものでできた指輪だった。



「む?くれるのかの?」



私が聞くとウンディーネはこくこくと頷く。



私はその指輪を手に取ろうと手を伸ばし…………、



『轟ッ!!』



青白い業火に遮られた。それはリュウエンの大罪スキル《嫉妬の業火》の炎だった。



「なんじゃあ!?熱ッ!?」



マリモとウンディーネは一斉に私から離れ、私は火だるまとなった。《炎熱完全耐性》を突き抜けるその熱さに思わず身体がよろけてしまい、後ろに倒れそうになる。



倒れそうになった私を炎の元凶であるリュウエンが受け止めてくれた。



「急にどうしたのじゃリュウエン………………リュウエン?」



抗議しようと後ろを見ると普段なら絶対にしない様な険しい顔をしたリュウエンがいた。どんぐりの様な丸い目をこれでもかと吊り上げており、紅玉の様に輝く瞳には轟々と燃え盛る炎が映り込んでいた。



「ど、どうしたんじゃ?急に《嫉妬の業火》なぞ使ってッむぐ」



黙り込むリュウエンは私の腰に自身の尾を巻きつけ、両腕を《龍化》の時の様に炎の翼にして私を包み込む。



【ーーーールナちゃんは私の物。次やったら焼き尽くす】



発する炎に対極する様に凍える様なリュウエンの声にウンディーネは怯えた様に頷くとマリモ達と共に虚空へと消えた。



「な、なぁ?リュウエン?我にはなにがなんだかさっぱり.......うむっ!?」



私がリュウエンに先の行動の理由を聞こうと振り向くといきなりリュウエンの顔が近づいてきて.......キスされた。



しかも、ちょっとした触れ合いではなく、夜にやる濃厚なやつだ。突然の事に逃げようにも、両手で頭を.......というより頭と身体を固定されて、逃げられない。



「ふぅっ.............あむ.............ん.............」



リュウエンの綺麗な紅玉の様な瞳以外は見えなくなり、目を閉じると口の感覚に体が支配され、反射的にリュウエンの体をつかんでしまう。何故か甘く感じるリュウエンの唾液により自然と身体の力が抜けていく。



抵抗という2文字はそもそもリュウエンに対して一切なかった。



自然と私も長い尾をリュウエンの身体に巻き付けて、翼も包み込む様に閉じていく。



数分の後に唇が離され、リュウエンは私の首筋に顔を埋めてまるで匂いをつける様に擦り寄った。



「…………さっきの指輪は契約の証だよ。ルナちゃん、精霊の契約は1人1体までの決まりなの。あそこで指輪を受け取ったらあのウンディーネと契約することになってた。……………それは駄目なの」



リュウエンはそこで言葉を切ると私に触れる程度のキスを繰り返してくる。私はリュウエンの桃の様な甘い香りを堪能しながら黙って聞く。



「他の魔獣や魔物はいいの。だって、アレはいくらでもできるから。でも、精霊とは一回きりなの。ルナちゃんは私のものだから、誰にも渡したくないから。心の底から大好きで、カッコよくて優しくて、閉じ込めちゃいたいくらい大好きで、だから………」



「…………ふ、ふふっ。そうか…………それはすまなかった。いくら知らなかったとはいえ、我は浮気紛いな事をしたんじゃな。お前がこんなにも愛してくれているのにな。嫌な思いをさせて悪かった………許してくれリュウエン」



私はリュウエンの愛らしい顔に手を添えて謝罪した。知らなかったとはいえ、愛するリュウエンに嫌な思いをさせてしまったのだ。リュウエンが許してくれるなら私はなんだってしようじゃないか。



「…………………今日から私が満足するまで一緒にいてくれたら許してあげる」



リュウエンは私を絶対に離さまいと尾の締め付けを強くして身体を密着させてきた。私はそれを抱きしめる事で返す。



「あぁ、わかった。お前が満足するまでいつまでも一緒にいよう。大丈夫、決して離れたりはせんよ」



「……うん。愛してるよ私の銀血(ぎんけつ)の天龍」



「我もじゃ…………我の紅玉の龍精」



そうして私はリュウエンを抱えて離宮へと戻った。













「なぁ?あの2人、ウチらいたの忘れておるよな?ハートと砂糖を量産しながら帰っていったで?」



「…自分達の世界を作り上げていたからな。あの様子だと最低4日は出てこないだろうな」



「マジかいな……。ラブラブっぷりが更に加速しておるな…………。って、魔王さん?大丈夫かー?」



「…駄目だな。ストレスで気絶している」



「あ、ほんまや。随分達観した笑顔で気絶しておるわ。ほな、帰るか」



「……覗きはするなよ」



「わかってるわ。覗きなんかしたらウチなんか殺されてしまうわ」



「……わかっているならいい」





百合って難しいですねー




というか運営さん。これは大丈夫ですよね?基準がよくわからないので…………………

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