表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した鏖殺姫は今日も仲間と共に楽しく暮らします  作者: 骸崎 ミウ
憤怒の暴虐帝
15/120

魔王降臨〜2

"憤怒龍(ラース)"ナザール・テンペスト。



最初に大罪スキルを習得し、ギルド『七大罪龍(セブンズドラゴン)』の発足者にして"最強"の剣士。



そして、私の実の姉。義姉とかでは無く、本当に血の繋がりがある姉である。



そんなナザール()が物凄く威圧感たっぷりに私を見下ろしている。



………………………正直きつい。



「あ、姉上は帝国に召喚されたみたいじゃが………どうしたんじゃ?」



「…召喚?……あぁ、あれか。お前を殺した女神を切り刻んで魂を削り取っていたら巻き込まれてな。耳障りな連中だったから殲滅した」



ナザールは無表情でうんざりとした声色で言った。ナザールは元々無表情がデフォルトな上に感情表現が人一倍苦手である。長く過ごしているとなんとなくわかるものだが。



今はかなり機嫌が悪い。



「………ルナティア、手を前に広げてじっとしていろ」



「なんじゃ急に?こうかの?」



私がナザールの指示に従い、手を前に広げるとナザールは私をヒョイっと抱き上げて、私の腹に顔をつけて思いっきり吸い込んだ。その得体の知れない感覚に背筋がぞわぞわとして身を捩ろうにもガッチリ固定されて動けない。



「な、なんじゃあ!?何をするんじゃ姉上っ!」



160センチと少ししかない私と2メートルは超えるナザールとではかなりの体格差であり、加えて力も彼女の方が上である。そのため、私はされるがままである。



「………………ふむ、変わらぬ匂いだ」



ナザールは満足げにムフーっと鼻息荒くしてそう言った。無表情のその顔には満たされたと言わんばかりに緩んでいた。………僅かに。



「おまっ、ほんと変わらんなぁ!?いきなり突拍子もなくするか普通!?」



「私にとっては半年ぶりの香りだ。なにぶん、お前が使っていた寝具では匂いが薄れていてな。こうして補給しているんだ」



「ここに変態がおるぅ!?いやじゃーー!!」



ナザールの発言に全身に鳥肌が立った。



ナザールは昔からそうだった。極度の人間不信なわりに一度信用すると距離感が全く無くなり、かなり激しいスキンシップを取る様になる。今の私にしているように。



「お久しぶりですナザールさん。元気そうで何よりです」



「…リュウエンか、久しいな。その様子だと問題ない様だな」



ナザールはそう言うとリュウエンの頭を撫でた。



「…………………………」



……私に対してもそれぐらいで充分では?と私は撫でられているリュウエンを見てそう思った。



「…ところで、あの泡吹いている連中はなんなんだ?」



ナザールに言われてふと周りが静か過ぎると気づいた。そして辺りを見渡すとアリシアを除いた面子は泡吹いて気絶していた。アリシアもあと少しで気を失う寸前であった。



「ナザールさん。もしかして、『覇王の威圧』をオフにしていないんですか?」



『覇王の威圧』とは特定のクエストを決まった手順でクリアすることで手に入るスキルで効果は相手が自分よりも低いレベルであればあるほど、相手が弱体化するという非常識なものだ。ただ、入手するのに手間と実力がいる上に味方にも影響するスキルである為使い勝手が非常に悪い。



「…………あぁ、切り忘れていた。猿どもを黙らせるのに使ったからな」



ナザールはそう言うと何か集中する様に目を閉じた。すると、先程から感じていた威圧感が薄まった。



「ーーーーがはぁッ!!ーーーーハァ………ハァ……ゲホッゲホッ!」



ナザールが『覇王の威圧』を解除した途端、アリシアは荒い息と咳をしながら起き上がった。



「…耐えたか。最低限の実力はあるというわけだなあの吸血鬼は」



ナザールは感心した様に頷いた。



「ハァ……ハァ………、死ぬかと思ったぞ。して、貴殿は?」



まだ息が荒いアリシアはナザールに向かって聞いてきた。



「…私か?私は『七大罪龍(セブンズドラゴン)』第一席"憤怒龍(ラース)"ナザール・テンペストだ。"暴食龍(グラトニー)"ルナティア・フォルターは私の妹だ。妹達が世話になった」



「わ、私はアリシア・ブラッドエンフィ。イスチーナ様の眷属で魔王をやっている者だ。しかし、凄まじい威圧であったな。貴殿らの世界ではあれが普通なのか?」



「いや、姉上が異常なだけじゃ。姉上のが沢山いたら世界が崩壊してしまうのじゃ」



それだけは勘弁してほしい……。



「…ルナティア。流石のお前の言葉でも傷つくぞ……。私は破壊神ではないのだ」



「単身で神の領域に行って、邪神の首を土産に持ち帰ってくる者を破壊神と呼ばずしてなんと言うのじゃ?」



「……………………………………眠い。布団はどこだ?」



あ、逃げた。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ナザール・テンペスト


種族:破壊神龍


カルマ:クリフォト


職業:龍剣神

レベル:100

HP:78万

MP:65万


称号:背信者・堕ちた龍・神を喰らいし者・神殺し・魔王・覇者・剣の頂・人類の絶望・破滅を作りし者・破壊神・七つの大罪 《憤怒》・剣に愛されし者


加護:邪神の加護・英雄神の加護


【固有スキル】

龍の金剛体・天龍眼・龍滅魔法・破壊魔法・龍化・剣神・神眼・覇王の威圧・暴虐の憤怒


【スキル】

翻訳・アイテムボックス・剣神術・剛力・豪脚・破壊伝播・破壊特化・MP変換【力】・纏闇・危機察知・予測変換・未来予知・眷属召喚 ・精神汚染完全耐性・状態異常完全耐性・魔法ダメージカット【特】・物理ダメージカット【特】


頭部:『覇王の剣花』【常戦体制】・【破壊不能】


胴体1:『冥界神の闇光』【魂魄奪吸】・【破壊不能】


胴体2:『凶星龍の願い』【闇夜の癒し】【破壊不能】


メイン武器:『十神剣・邪悪の樹(クリフォト)』【十ノ悪徳】・【破壊不能】

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ