第六話 8
新宅正司と神崎美波がココ捜しをしていたその頃、僕は、加賀美佐助に頼まれて、パソコンに取り込まれた大量の写真のデータと戦っていた。実際に外回りの調査は、三週間先の来月からでいいと言われていたが、加賀美佐助の事務所が何をやっているのか知るためでもあるのだろうが、暇な時にこっちの作業をやってみてくれと、加賀美佐助からSDカードを手渡されていた。デジタルカメラで撮影された写真データをCDに収めて顧客一人一人に渡すのだという。写真は膨大な量があったが、それを全部CDに収めるのではなく、厳選しろと言われていた。つまり、決定的瞬間を捉えた写真を選べということだった。
写真のデータは、浮気現場を撮影したものだった。浮気相手の自宅に入るところや、ラブホテルに入るところ、寄り添って腕を組んでいるところ等、決定的瞬間を捉えた写真を厳選するのだから、否が応でもじっくり見なければならず、見るたびに虫唾が走った。
どうして配偶者がありながら、浮気などするのだろう? 僕には全く理解できない。まぁ、僕にとって結婚すること自体が到底理解できないことではあるのだが……。
しかし、男は女がいると頭がおかしくなるのは確かで、この世に女がいなければ随分平和だろうにと、写真を見る度に何度も確信した。けれども、加賀美佐助によると、妻から夫への浮気調査依頼と夫から妻への浮気調査依頼は、昔はどうだったか知らないが、今はほぼ半々だそうである。つまり、男も女も馬鹿者は半々ということで、人間全体のうちで馬鹿者は一体どのくらいの割合になるのだろう?と、写真を見ながら思いを巡らせていた。




