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肉体


「なるほど、僕が呼ばれた理由が何となくわかったよ。ところで、最後の質問なんだけど、、、」


「何でございましょう。」


僕は、じっと相手を見つめ、真剣なまなざしを向けた。


あたりの空気が一瞬ぴりつく。


「ご飯ってどこかな?お腹すいちゃって」


ぴりついた空気の中、僕のお腹が鳴った。


先ほどまで、無表情に僕のことを見ていた老人も、そのほかのモンスターたちも、大声で笑った。


「お食事のご用意はできております。一度食事にいたしますか。」


腹が減っては何も考えられぬ。僕は、食事場へ向かおうと立ち上がろうとしたが、なぜだか立ち上がれない。おかしい、もう一度試してみたが、やはり同じ結果に終わった。


そうこうしていると、なんだかくすぐったいような柔らかいような感触が僕のわきを撫で、そして軽々と僕を持ち上げた。


「ひゃん」


なんだか変な声が出てしまったが、その手は、僕を持ち上げたままゆっくりと僕をもっとモフモフしたところまで連れて行った。


そこが狼男の胸元だと気づいたのは、それから少したってからだった。


何をするんだという言葉は、その胸元の気持ちよさによってかき消された。が、どうしてこんなに簡単に持ち上げられたのかがわからなかった。


「おい、よく僕を持ち上げられたな」


狼男は言った。


「いやいや、これだけ小さかったら大したことごぜーやせんよ。」


小さい?僕が小さいだろうか?確かに小柄ではあっただろうが、それでもこんな簡単に抱っこされるほど小さくはなかったはずだ。まさか、、僕は、自分の手足を見た。まるで人間の赤子のような手足が、僕のものだと気づくには少し時間がかかった。


「えっ、もしかして、僕、赤ん坊になってる??」


周りのモンスターたちは一斉に頷いた。


僕は、少し、状況を理解することができなかった。


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