8, 僕達の関係?
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僕の住むアパートから南陵高校迄は徒歩20分。近くもないけど遠くもない距離にある。
学校の近くっていうか、駅の近くには幾つかアパートが有るのだが、学校の生徒が住んでいる確率が高い事もあって、僕は少し離れたこのアパートを選んだ。
お陰さまで僕の学校や、他の学校の生徒も住んでいない。
登校は歩いて通っている。自転車も悪くないけど、僕は歩くのが好きなので歩いて登校している。
ここ一年、通いなれた通学路だけど、今日はいつもと違う。て言うか人生始まって以来いつもと違う。
僕の隣には陽菜穂さんがいて、しかも手まで繋いでいる。朝から心臓ばくばく、昨夜も心臓ばくばくだから、僕の心臓は耐久レースへと突入している。
僕の心臓さん大丈夫ですか?
目立ちたくない陽菜穂さんには、昨日購入した黒縁メガネに加えて、地味娘の鉄板髪型の三つ編みおさげにしてもらっていた。ボッチ道に於いて見た目は重要だからね。
アパートを出た頃の陽菜穂さんはニコニコ顔だった。しかし学校が近くなるにつれ生徒も増え、対人恐怖症の陽菜穂さんからは微笑みは消えていく。今では僕の腕にしがみつき俯いていた。
そんな僕らに声をかけてくる女の子がいる。
「おはようー、八雲君」
学校で僕のボッチフィールドを掻い潜って話しかけてくる人が先生を除いて二人いる。そのうちの一人、長い髪をポニーテールにしているクラスでも可愛い系人気女子の時村 楓さんだ。一年の時も同じクラスで、彼女はクラス委員長をしていた。
「(ぼそっ)……おはよう」
楓さんは僕を……? 僕らを見て止まっているよ?
「……彼女さん?」
「ああ~。こちら菱川 陽菜穂さん。転校生だよ」
「え、あっ、そうなんだ?……で彼女さん?」
「違うよ?」
「えっ!」
(え~!八雲君の腕におもいっきり寄り添っていますけど~! 彼女じゃないのぉ?)
「陽菜穂さん、楓さんは大丈夫だよ」
陽菜穂さんは僕の腕に顔を隠していたが、チラリと楓さんを見てペコリと頭を下げた。
「菱川さん、時村 楓です。宜しくお願いします」
「(ぼそっ)……ひ、菱川……陽菜穂……です」
「陽菜穂さんは、僕と同じで人見知りするタイプなんです」
陽菜穂さんは対人恐怖症だ。グレードて言ったら①対人恐怖症>②コミュ症>③人見知りって感じで、人見知りとは全然違うんだけどね。
ちなみに僕は人見知りでもコミュ症でも対人恐怖症でもない。自ら進んでボッチの道を進んでいるのだ。
「……で転校生の菱川さんと八雲君とはどういう関係?」
どういう関係? どういう関係だろう?
「さぁ?」
「さぁあ?」
(えっ、えっ、何で『さぁ』なのよ)
そういえば、僕と陽菜穂さんとの関係はなんだろう?
友達?彼氏彼女?知り合い?ではないよね?
陽菜穂ワールドの僕は何やらフィアンセらしい?んだけど、楓さんに『フィアンセだよ?』とは言えないよね?
……そう言えば……。
「弟子です。八雲流ボッチ道の弟子です」
陽菜穂さんは僕のボッチ道の弟子だったような?
「弟子? 八雲流ボッチ道って?」
(え、何?弟子?ボッチ道?はぁあ?)
「だよね?陽菜穂さん?」
あれ?違った?陽菜穂さんは頬をぷくって膨らませて、上目遣いで僕に何か言いたげにしているんだけど?
あれれ? 僕達の関係ってなんだっけ?
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