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6, PTの罠

ブクマ&評価ポイントありがとうございました(//∇//)

 なんだかんだでアパートの僕の部屋に着いた時間は夜8時を過ぎている。


 僕と陽菜穂さんは洋室でクッションに座りお茶を飲んでいた。


 8畳間の洋室にはテレビとベッドと小さなテーブルしかない。

 逆にダイニングにはタンスや本棚などを置いている。


 陽菜穂さんの荷物は水色のスーツケースが一個。他は引っ越し業者が持って来るようだ。


「改めまして、本日より三日間お世話になります菱川陽菜穂です。宜しくお願いします」


 メガネを外した陽菜穂さんはご丁寧にご挨拶をしてくれた。やっぱりメチャメチャ可愛い!


「片山八雲です。宜しくお願いします」


「はい。宜しくお願いします(ニコニコ)」


「楽しそうですね」


「はい。今、人生で一番楽しい時間を過ごしていますから(ニコニコ)」


 今が一番楽しい時間? 僕と出掛けて食事をした事が?

 じゃあこの子は今までどんな人生を過ごして来たんだろうか?


「とりあえず、寛いでてよ」


 僕はお風呂の準備をして、洋室に戻り、クッションに座るとスマホでネット小説を読み始める。


「…………?」


 陽菜穂さんはクッションに座ったまま僕の顔を見ているよ?


 ま、そんな事もあるかな? 僕はスマホのネット小説に目を戻した。


「…………?」


 やっぱり僕を見ている陽菜穂さん?


「ごめん?」


 とりあえず謝ってみた?


「ん?」


 首を傾げる陽菜穂さん。その仕草もメチャ可愛いです!


「いや、あの……、お構い出来なくて……みたいな?」


「大丈夫だよ。八雲君の顔見てるから(ニコニコ)」


「テレビでも見る?」


「ううん。八雲君の顔見てるから大丈夫だよ(ニコニコ)」


「…………? 面白いの?」


「ううん。楽しいの(ニコ)」


 ど、どうしたらいいんだ! 女の子と二人っきりの僕の部屋。友達とだって二人っきりで話した事もないのに!そもそも友達いないけどね♪ テヘ。


 ってハードルが高すぎるよ!いや此れは高跳びだ!陽菜穂さんは激可愛美少女天使だからワールドクラスの棒高跳びレベルだ!どんだけ高いんだよ!!!


 なるほど!僕には無理って事だね♪

 よし諦めよう♪

 ボッチ道には諦めの二字が有るのだ!


 僕は諦めてスマホに目を戻した。


「八雲君はカレー好きなんだよね」


 僕はスマホから顔を上げてニコニコ顔の陽菜穂さんを見た。


「うん。カレーは大好きだよ」


「明日の夜はカレーにしようか」


「料理得意なんだ?」


「ん? 作った事ないよ?」


 あれ? レストランの話の流れだと料理は得意みたいな感じだったような?


「学校の家庭科とかでは?」


「集団活動は苦手だから学校休んじゃった(テヘ)」


 うん。それは正解だね。無理をしてまで出席する必要は僕も感じないからね。


「ピーラーとか無いけど、包丁とかは普通に使えるの?」


「ん? ピーラー? 包丁? 使った事ないよ?」


「…………(汗)」


 ピーラーではなくヒーラーが必要かもしれない。


「明日は一緒に作ろうか?」


 なんかほっておくとブラッディカレーに成りそうで恐い。ボッチの僕でもカレーなら作れる。


「うんうん。うんうん。初めての共同作業だね(ニコッ)」


 首をコテッてして笑う仕草も激可愛ですね♪




 お風呂が出来たので、陽菜穂さんに先に入ってもらっていた。勿論僕は洋室の扉を閉めて待機している。脱衣室が無いから扉を開けていると服を脱ぐ時がモロ見えだからね!


「さて、どうしようかな?」


 どうしようかなっていうのは、お風呂を覗くかどうかじゃないよ。


 ホントだよ!


 確かにバスルームから聞こえてくる魅惑的な音にはそそるものがある。僕も健全な男子高校生だからね♪ ムフフ♥


 集~中~!


「煩悩退散、六根清浄、煩悩退散、六根清浄」


 今のは冗談半分……いやいや冗談全部ですよ!!!


 悩んでいたのは僕の寝る場所でした。


 僕の部屋はボッチカスタムだから寝具はベッドの一組しかない。


「クッション二個、座布団一枚、夏用のタオルケット一枚か……。冬物のダウン着ればなんとかなるかな?」


 とりま今夜は此れでしのいで、明日は寝袋でも買ってこよう。


 そうこうしていると陽菜穂さんがお風呂から出てきた。


 グハッ!


 お風呂上がりの陽菜穂さんは此れまた妖艶な雰囲気を醸しつつ、可愛いパジャマ姿が相変わらずの超絶激可愛いと言った言葉では表現出来ない芸術的な感動を僕に与えてくれた。ありがとう~!


 入れ替わりで僕はバスルームへと向かうがダイニングには……


 くッ!


 ブービートラップか!


 ま、眩しい!直視するな!いや、でも……。いや、でもじゃない!


 カタツムリ靴下に模しているピンク色の物体!

 間違いなく擬装されたPTトラップ!


 俺の手が勝手にPTトラップに手を伸ばしているだとーッ!


 ヤバい!僕の精神がゲシュタルト崩壊し始めている。


 志は高く、愛情は深く、友情は等しく、PT! いや其れはKPだ!乾杯してどうする!


 ヤバい!かなりヤバい精神崩壊だ!


 逃げろ!


 逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!


 いや逃げてくれ!


「うぉーッ!煩悩退散ーーーん!」


 僕はなけなしの精神力で洋室迄の撤退に成功した!すかさず扉を閉める。はぁはぁ……


「どうしたの?」


 ベッドに腰掛けてタオルドライしている無邪気な陽菜穂さん……。ヤバいんだよ!PTが落ちてるんだよ!


「ぴ、PT……」


「ん?」


 ダメだ!言えない!言えないよね?


「ひ、陽菜穂さん……」


「ん?」


「く、靴下落としてない?」


「あれ?ごめん」


 そう言って洋室を出ていった陽菜穂さん。


 ダイニングでしばらく佇む陽菜穂さんは…………………………………………………………ガクッと膝から崩れ落ちていった。




用語解説 PT=女の子が下側にはく下着(//∇//)

KP=乾杯


面白いとか続きが気になると感じて頂けた方

&もう少しお付き合いして頂ける方、

ブックマークや評価ポイントお願いします。


感想も頂けると嬉しいです。


宜しくお願いします~(//∇//)

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