1, 誰?
花咲一樹と申します。セカンドバージン作品です。50話程度の10万字ぐらいを予定しています。宜しくお願いします。
高校二年になってそうそう僕はツイていたと思っていた。
新しいクラスには生え抜きのいじめっ子はいない。
まぁ、ボッチ道まっしぐらの僕をいじめる子はいないんだけど、いじめっ子って言うか、やんちゃな子がいるだけで僕は怖い。
新しい席順も窓際最後尾で隣は空席!
まさにボッチ生活は薔薇色!
順風満帆の新学期が始まった。
昨年同様に僕は誰からも認識されない様に、陰のオーラで授業を受ける。担任の篠原先生は流石に僕を認識しているが、他の子達からは基本スルーされている。
うんうん、今年もいい感じにボッチが出来そうだよ。
新学年初日の授業も、気怠るげな半目な眼で全て乗り切り、特に話をする友達もいない僕は急いで家に帰る。
今日は何しろ早く家に帰りたかった。
両親が海外赴任している為、僕はアパートを借りて一人暮らしをしている。セキュリティなんかないアパートだ。
僕が早く帰る理由は一つ、泥棒が入っていないか心配だったからだ。
朝、アパートの部屋の鍵を掛けようとしたら壊れてた。大家さんには連絡済みだけど、修理に来るのは夕方になるとの事。
僕は駆け足でアパートに帰って行った。
◆
「だ、大丈夫、大丈夫、大丈夫……」
ドキドキしながらアパートの部屋のドアをそーっと開ける(ドキドキ)。
………………(涙)。
そーっ閉める。
えっ?
僕の部屋に下着姿の女の子がいたよ?
誰? 泥棒? 何で下着姿?
そーっとドアをまた開けてみた。
………………。
そーっと閉める(汗)。
いないよ?
誰もいなかったよね?
幽霊?
そーいう物件?
一年住んでたけど見た事ないよ?
勇気を出して僕は部屋に入って行く。玄関で靴を脱ぐ時に気が付いた。見た事ない水色に白いラインのスニーカーがある。
やっぱり誰かいるよ~(涙)。
僕の部屋の間取りは入って直ぐにダイニングキッチンがあり、奥に洋室、バルコニーとなっている1DKだ。
ダイニング迄行ってみたが誰もいない?
…………。いや、バスルームからシャワーの音が聞こえるよ?
マジ!
誰?
キッチンの隣にあるバスルーム。脱衣場は扉もないオープンで洗濯機置き場と兼用になっている。
そちらに行くとバスルームからは♪♪~♪♪と鼻歌が聞こえて来るよ?
脱衣場には綺麗に畳まれた女性物の洋服にぶっブラジャーとパ、パ、パン~フッ~!
僕は慌ててダイニングに逃げた。
「八雲君?」
バスルームの人は僕の名前を呼んだ?
「あ、あなたはどちら様?」
「ヒナホです!お帰り八雲君!」
ヒナホ?
………………。
誰?
僕には友達はいない。クラスメイトはいるけど友達はいない。
ボッチ最高!ヒャッホー!って今はそれじゃない。
そんな僕だから女友達もいるはずがない。
ヒナホという親も姉弟も兄妹も親戚もいない。あなたは誰なの?
「八雲君、今から出るから……その~、目を閉じててくれるかな?」
「うわ~~~ッ!」
僕は逃げた!部屋から外に出てドアを閉める。
警察、警察だ!スマホ、スマホ……無いよ?カバンは 部屋の中だよ(涙)。
「八雲君~♪ もう大丈夫だよ~♪ 入って来ていいよ~♪」
入っていいの? 僕入って大丈夫なの?
そーっとドアを開けると玄関には天使が立っていた……(ポッ)。
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