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第39話「会議」

第39話になります!

新章突入!

拙い文章ですが宜しくお願いします(*'ω'*)

◇◆◇◆◇◆◇◆


-- 帝都グランバリア 城内会議室 --



「集まったか?」


「うむ。」


「・・・では始めるとしようか。」



世界樹がある帝都グランバリアで今、同盟を結ぶ世界各国のトップたちが集まっていた。



「まずはそれぞれの国・周辺国の動きがどうなっているのか、お互い近況報告をしようじゃないか。」


「・・東部では魔人ギルティの侵攻によって既に6つの国が滅んでいる状態だ。」


「魔人ギルティ・・軍を使わずたった1人で国を攻めるとは・・・。」


「だがあやつは東部を中心として活動し中小国に狙いを定めている節があるな。」


「さすがに大国には迂闊に手は出しづらいとみえる。」


「東部では何か対策は立てておるのか?」


「こちらでは各国の勇者を集めて魔人が次の侵攻を始めたら向かわせる準備は整っている。」


「その勇者は廃人の方か?それとも本物か?」


「廃人8に対して本物が2の割合だ。」


「ふむ・・・本物を3にすることはできぬか?」


「・・・現状だと難しい。なんせ勇者程の武力を持っている者自体が希少なのだ。そう易々と神に愛された武人など生まれてこんよ。」


「・・・今後の課題としては魔人に対抗出来得る者を量産せねばならないな。」


「西部の方はどうなのでしょうか?」


「こちらの進捗としましては、前々からお伝えしておりますモロビニアでの研究が着々と進んでおります。」


「おお。進捗度はどのくらいか?」


「そうですね・・・現段階で・・・80%程・・でしょうか。」


「おお、それは良い。」


「私たちの見込みではあと1年頂ければ・・・完成します。」


「そういえばつい2カ月程前にパルメダ王国で魔物の襲撃があったそうじゃないか。」


「ええ。その際、第一王子が亡くなったと報告が上がってます。」


「だから今回はパルメダ国王は参加しておらんのか。」


「あそこの王子には奴隷を沢山回してもらっていて疑似勇者作成にも貢献してもらったが・・・その最大の貢献人で供給源である王子が亡くなったとなれば数が減る・・・か。」


「となれば別の者に依頼するしかあるまい。」


「全魔族の駆除は我々の悲願でもあるが・・我々に盾突く諸国らの処分も並行でやらねばならぬな。」


「・・・となると。」


「・・・南部か。」


「南部一帯諸国は同盟を今でも拒否しとるからの。」


「あそこは数十の国が1つに団結し、強固な体制をとっている。落とすのは容易では無い。」


「だとすれば南部を落とすにはまだ準備が足りないか。」


「ふむ・・さすれば我々同盟国の当面の方針は魔人ギルティの討伐、モロビニアへの援助。そして疑似勇者作成のための()集め・・・といったところか。」


「魔人討伐のために応援が欲しいのだが。」


「わかった。それはこちらでも善処しよう。」


「・・・・では次の議題に入ろうか。」



◇◆◇◆◇◆◇◆


---

------

------------

------------------

------------------------



パルメダ王国でのお使いから3ヵ月が過ぎた。


信次たちはというと・・・・



現在ムヴルヘイムへと来ていた。




「はぁぁッ!!」


「ほれほれ!どしたどした?」


「ぐげっ!!」


「ギャオオオ!!」


「おいおい・・・こりゃキツイって。」



信次がドラゴン5体に囲まれていた。



「信次様頑張って~♪」


「信次様ならイケるのですぅ!!」



信次の頭上の崖にはメルとプリネラ、そして・・リムドがいた。



「信次よ!その程度を躱せないようじゃ・・まだまだじゃのう。」


「・・・こんな広範囲攻撃のオンパレードで・・うわっ、・・・躱し続けるの・・・ぐああああっ!!!」


「・・・そこまでじゃな。」



リムドが信次のもとへ降りる。



「信次様ー!」


「はあ・・はあ・・はあ・・・。成体のドラゴンをいっぺんに相手って・・・きつ。」


「なに言っとるか。一つ一つの攻撃を見切ればどうってことないじゃろう。」


「見切るって・・ブレスの範囲が広すぎ・・。」



信次たちはパルメダ王国の件以降、魔王城で鍛錬を続けていたが城での鍛錬が物足りなくなったのでリムドとの修行を求めてムヴルヘイムまで再度来ていたのだ。



「お前さんが広範囲系の修行をしたいと言ったから用意したんじゃろうが。」


「ああ・・。」



パルメダ王国では勇者パーティーの連携、次から次へと飛んでくる兵器の攻撃に苦戦したからな・・・。

1人で大勢と戦う修行をしないと・・。



「んじゃお前さんは少し休んどれ。交代じゃ。」


「あいよ。」


「次はメルがやるのですぅ!」


「次は私よ!」


「ほっほ、ええのう・・若い女子(おなご)に迫られる。・・・退屈せんわ。」


「リムド・・・今まで相当退屈だったのか?」


「ふむ・・最近は全然外に出てないもんでな~。出てないというか・・・出させてもらえないというか・・・。」


「?」


「よーし、嬢ちゃんたちやるか。」


---

------

---------その日の夜



「美味しいのですぅ!」


「本当メルは美味そうに食べるな。」



信次たちは食事をしていた。

今回信次たちがリムドと修行している場所は前回とは違い、ムヴルヘイム中心部よりやや離れた場所。



「なあリムド。なんで前にやった所で修行しないんだ?」


「あそこは今使用中でな。」


「使用中?」


「それにここの方が広くていいじゃろう。」


「まあ、たしかに。でも・・・この光景は圧巻だな。」



信次たちが食事している周りにドラゴンが何体も座っていた。



「てかドラゴンの食事ってどうしてるんだ?食べなくても平気なのか?」


「そうじゃな。ドラゴンは水さえ飲めれば大体1ヵ月位は食わなくても大丈夫じゃ。」


「へ~。食う時はどうするんだ?こんなデカい体だから沢山食べるだろ?」


「食料の備蓄はある。リザードマンが定期的に持ってきてくれるからの。」



そういやリザードマンってドラゴンと共存してるんだっけ。



「それに腹が減ったら自分たちで獲ってくるから何も問題ないわ。」


「今更なんだが・・・。」


「なんじゃ?」


「前にここに来た時、1匹のドラゴンに襲われて・・・その時腕ぶった切ってしまったんだが。あのドラゴンはどうなってる?」


「・・・・ああ、なんじゃ、アレはお前さんがやったのか。可哀そうな事しよるの~。」


「いや、だってあの時は仕方なく・・。」


「大丈夫じゃ。あいつの腕は既に治っとる。」


「治すって・・腕を元通りにしたってのか?」


「そうじゃ。」


「リムドが治したのか?」


「儂じゃない。儂にはそんな能力無いからの。治したのは・・・」


「リムド様!!!」


「!?」



信次たちの上から大きな声が聞こえた。

頭上を見上げると・・・

何者かが浮遊してこちらを見ていた。



「げっ・・。」



何者かが信次たちのもとへ降りる。



「げっ・・ではありません。ここで何しているのですか?」



信次たちの前に現れたのは身長はプリネラほどで赤髪、背中に羽が生えた美女。



「なんじゃ、なんでお主がここにくる。キドナ。」


「なんで・・ではありませんよ。話し合いがあるとお伝えしていたでしょう。それをすっぽかして・・。」


「・・・リムド、この人は?」


「あー、こやつはキドナ。儂と同じ竜人じゃ。」


「竜人!?」


「・・・リムド様、この方たちは以前お話していた魔人の?」


「そうじゃ。この男は魔人の信次、こっちのめんこいのがメル、こっちのええ女子(おなご)がプリネラじゃ。儂がいま修行をつけとる。」


「そうですか・・。私は竜人キドナ。みなさん宜しくお願いしますね。」


「あ、ああ。」



凄い礼儀正しい。大人の女性って感じだ。

今世界に存在する竜人は3人だったっけ。

前にリムドは他の竜人は自分より強いって言ってたから・・・てこはこのキドナはリムドより強いのか。



「信次。キドナじゃよ。腕斬られたドラゴンを治したのは。」


「あんたがあのドラゴンを治したのか!?」


「ああ、あの子の腕を切断したのは貴方でしたか。」


「申し訳なかった。」


「いえ、あの子もいきなり襲い掛かったことを反省してましたし、おあいこですね。それにしてもまだ小さいとはいえドラゴンの腕を切断するなんて・・やはり魔人ですね。」


「それよりキドナ。お主がここに来たということは・・。」


「はい。リムド様を連れ戻しに来ました。」


「儂が行く意味あるのか?若いお主らでやってくれれば・・。」


「バハムも戻ってきてますので。」


「バハム?」


「バハムも竜人じゃよ。」


「てことは今3人の竜人が集まってるってことか?」


「・・・そうじゃが。お前さんたち何目をキラつかせておる。」


「見たい見たい!!竜人様が揃っているところなんて早々見れるものじゃないわよ!」


「メルも会ってみたいのですぅ!」


「お前さんたちは・・・。」


「別に構わないと思いますよ。ではさっそく行きましょうか。」



キドナがニコッと笑う。



「はあ・・たく、しょうがないのう。」



信次たちはドラゴンの背に乗り、ムヴルヘイム中心へと向かった。


ムヴルヘイム中心の山に到着。

リムドの部屋がある位置よりも下に会議室に使うであろう部屋があった。



「リーーーームーーーードーーーー様ッ!!」



奥の部屋から勢いよく走ってくる男がいた。



「お久しゅうございます!!リムド様にお会いできなかった期間、俺・・・・心細かったです!!」



それは・・暑苦しい男だった。



「久しぶりじゃのうバハム。」


「はいッ!!・・・ん?そこの御仁たちは?」


「儂の客じゃ。」


「・・・・お前、魔人だな?」


「!」


「なぜ魔人がここにいる?」



ぎょろっと信次たちを睨みつける。



「これ、こやつらは儂の客だと言ったであろう。」



リムドがバハムの頭を小突く。



「申し訳ありません!!この領域に魔人が来るとは思っていなかったので!!」


「こやつらは儂の弟子みたいなもんじゃ。」


「弟子だぁ~?」



バハムはぎょろっと信次たちを睨みつける。

そしてリムドが再度バハムを小突く。



「これ、睨むのやめんか。」


「も、申し訳ありません!!つい!!」



なんだこれ・・・。



「とりあえずさっさと話しを終わりにするかの。」


「リムド様は俺の師であるからして・・キドナは俺の姉弟子で・・・魔人たちも弟子ってことは・・・そうか!!魔人たちは俺の弟弟子になるな!!そうか!!俺にもついに弟弟子が出来たか!!」


「さっさと座らんか馬鹿者。」


「さっさと座りなさい。」



リムドが小突き、キドナが後ろからひっぱたく。



「・・・・・。」


「信次たちもそこに座るとよい。」



信次たちも椅子に腰かける。



「揃ったことですのでそれでは話し合いを始めましょう。」


「話し合いって言ってものう・・。何を話すんじゃ?」


「人間族と魔族の現状の動きについてです。」


「!?」



ドラゴンは人間と魔族の中立の立場だよな?

ここで何を話すんだ?



「バハム、貴方がこの数年で見たこと、感じたことを教えて。」


「・・・まず人間側だが、最近妙な動きがある。」


「妙?」


「同盟を結んでいる国たちで人間同士のやり取りを頻繁に行っている。そして何やら兵器らしき物を作っているようだ。」


「それは魔族に対抗しての物かしら?」


「一応魔族に対抗しての兵器開発だと思うが・・・只、それだけの理由だけではなさそうな感じはした。魔族だけでなく同じ人間同士、そして・・俺ら側を見据えての開発もしていると率直に感じたな。」


「私たちドラゴンに敵対するのは禁忌に等しいわよ?それを承知で?」


「本意はわからない。だが、そう思えた。」


「それは由々しき問題ね。もし仮に人間が私たちドラゴンに敵意を向けてきた場合は・・・。」


「そりゃ戦うしかあるめぇよ。数千年前に魔族と人間がドラゴンと不可侵条約を結んだ。そしてこの数千年犯されていない事を破るってことじゃからな。」


「ではこちらとしても念のため準備はしておかなければなりませんね。」


「そうじゃな。」


「では次に魔族はどう?」


「魔族に関してだが・・東部地方で魔人が暴れ回っている。」


「あの若造か。」


「はい。手当たり次第って訳でも無さそうですが既に人間の国を幾つか落としてました。」



東部で魔人・・・カナリアでも無いし、魔界樹守ってる奴でも無いとすれば・・・ギルティか。



「現魔王サタンに関しては特に動きは無く、魔族の人間への侵攻具合は数年前とあまり変化無い感じだな。逆に身内の対応に追われてる感じに見えた。」


「身内?」


「反魔王派閥の動きが段々活発になってきてる。」



反魔王派閥?なんだそれ?



「同種族同士での争いか・・・人間も魔族も変わりゃせんのう。」


「ちょ、ちょっと待ってくれ。」


「どした?」


「反魔王派閥ってなんだ?聞いたこと無いぞ?」


「なんじゃ信次。お前さん知らんのか。」


「・・メルとプリネラは知っているか?」


「ええ。」


「知ってるのですぅ!」


「ええ!?俺だけ知らない!?」


「反魔王派閥は現魔王体制が気に喰わないと思っている連中のことよ。ここ最近じゃ結構頻繁に魔王軍と戦闘を繰り返してるわ。この前11部隊に参加した時も相手は反魔王派閥だったわ。」


「魔族が対立してるのは人間だけじゃなかったのか・・・。」


「バハム、現状の反魔王派閥を率いているのは誰になるの?」


「俺が確認した限りだと・・・タラニス・カーリー・ストフェレス・エルガー。この4人が先導していたな。」


「ストフェレスとエルガーは元魔王軍の豪傑ね。タラニスは南部で暴れ回っていて魔王軍でも手に焼いていた魔物、カーリーは北部でその名を轟かせている程の魔物。有名どころを勧誘して派閥に引き入れたわけね。」


「ほっほっほ、反魔王の奴らも本腰を入れに来たっちゅうわけかの。」


「なあ、リムド。反魔王派なんてものはいつからあるんだ?」


「魔族も人間もどんな時代でさえ身内間での争いは起こるもんじゃ。じゃが・・ここ数十年~100年位は小競り合い程度で大した動きは無かったんじゃがな。」


「リムド様、先ほど伝えた4人の他に・・どうもベリアルが関係しているようです。」


「なるほどの~。あやつめ、復帰しおったのか。」



ベリアル・・?



「以上が俺が見てきた状況だ。」


「ありがとうバハム。リムド様、いかがいたしましょうか?」


「いかがするも何も儂らはあくまで中立の立場じゃから傍観するだけじゃ。こちら側から何かすることは無いわな。」


「わかりました。では次に・・・。」



---

------

---------


その後も3人で話し合いが2時間程行われた。

リムドは途中で寝てしまったが。



「・・・これで話し合いを終わりにします。」


「がああああ、があああああ。」



リムドはいびきをかいていた。



「リムド様。終わりましたよ。」


「があああ・・・ふわあああ、んーーーー。」



リムドがあくびをして体を伸ばす。どうもこの話し合いは少し退屈だったみたいだ。



「やはりずっと座っているのは性に合わんの。信次。どうじゃ?このあと稽古でもやらんか?」


「あ、ああ。」


「リムド様!!」



バハムが急に立ち上がる。



「弟弟子の稽古、俺にやらせてもらえないでしょうか!?」


「え?」


「・・・・ええじゃろう。んじゃ儂は嬢ちゃんたちと稽古するかの。」


「はーい!なのですぅ!」


「次こそは一本取るわ!」


「ほっほっほ、そう簡単には取らせんよ。」



信次たちは下の修練場へ向かう。



「よーし!それじゃあさっそくやるか弟弟子よ!!」



リムドより強い竜人・・・。

はたしてどのくらい強いのか・・・。

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