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第4話「初めての外出」

第4話になります!

拙い文章ですがよろしくお願いします( ͡° ͜ʖ ͡°)

信次は人族のいる街へ出向き、「最高位魔法」の手がかりとなる文献を探すため城を出ることにした。


出発前、ユリウスから服を渡される。

服は前の世界に居た時のをずっと着ていたのだが、鍛錬でボロボロになり、ユリウスが新調してくれた。

フードつきの軽装で動きやすく、多少の攻撃程度なら傷つかないオプション付だ。

又、城を出る際にユリウスから笛も貰った。

なんでもこの笛を吹けば翼竜ワイバーンを呼ぶことができるらしい。


魔法の中には「浮遊魔法フライ」というものがあるらしいが無属性魔法なので俺には使えない。

飛行手段を持たない他の魔物も移動手段として翼竜を使用するらしいので俺も有り難く使わせてもらうことにした。



さっそく笛を吹くとバッサバッサと大きな羽音を響かせて翼竜がやって来た。


まるで昔図鑑で見た恐竜のよう。

翼竜を見て気持ちが昂る。


・・だが、翼竜の大きさ的にまたがって乗るのか足に掴まっていくのか悩む。

するとユリウスに「翼竜には足に掴まって移動するもの」と言われたので言われた通りにする。

翼竜の足を掴み勢いよく飛び立つ。

上空に舞い上がり、街の方向に向かって加速。

下を見ると大きな滝に永遠広がる大森林。

翼竜から見る景色は絶景だ。



魔王サタンが統治し魔物が住むこのミッドガルドの地はとても広く、山を3つ超えたら人族が住む“エルザート王国”の領地へと着く。

翼竜に掴まったまま人里に降りると目立つのでミッドガルドとエルザート王国の境目で着陸。


エルザート王国はミッドガルドに隣接しているので国境には高い壁が建ち並んでいた。

魔物の侵入を防ぐためだろう。衛兵もかなり多く配置されている。


久しぶりに人を見たな・・

このまま行ってもいいが、騒ぎになると面倒くさい。

ここは・・「影潜伏(シャドーダイブ)」の魔法を使うとするか。


影潜伏(シャドーダイブ)は闇の特有魔法で影の中に潜ることができる。

上を見上げ、鳥が飛んでいるのを確認。

地面に映る鳥の影に潜りそのまま壁を抜けた。


壁を抜けると目の前には広大な平野が広がる。

この先に街があるはず。

・・・のんびり歩くとしますか。


暫く道なりを歩いていると行商人の馬車が通りかかる。

馬車から映る影に潜り街へと向かった。



大体2時間くらいだろうか。

やっと馬車が街へ到着した。


到着した街はエルザート王国西部の街“カリオン”。

魔境ミッドガルドから一番近接した街の為、多くの腕利き冒険者や傭兵が住む町である。



ユリウスは気付かれないって言ってたが本当か?



馬車の影から出て、街を歩く。

街を歩くと人が多く行き交う。



「!!・・なんだこの感じ!?」



胸がザワザワする。

人を見ると人間に対しての殺意・憎悪・嫌悪感という感情が酷くなる。



「・・・・これが魔人になった影響か。」



この人間に対しての感情は正しい。そもそも前からそう思っていたからだ。

今にでも殺してやりたい・・、でもダメだ。目的があるからできるだけ穏便に済ませたい。



「落ち着け、落ち着け・・・」



そう言って心を落ち着かせる。

感情が高ぶると抑えてる魔力が溢れ出してしまう。

魔力コントロールはバリアードと結構練習したからな。練習が無駄になる。



ぐうぅぅ・・



腹減った。

魔人になっても食欲や睡眠などの人間の欲求は残っている。



「何か食うか。」



街の飲食店に入り、ご飯を注文。

店内にいる人間、注文する際に感情が湧き出してくるが抑える。


お金はユリウスからある程度は貰ってある。

この世界にはお札という概念がなく全てが硬貨だ。

1円玉程の大きさから500円玉程の大きさの硬貨が数種類ある。

だけどどの硬貨がいくらなのか全然わからない。

この半年、魔法などばかり鍛錬していたのでこの世界の俗世を全く勉強してなかった。

お金の単位は勿論“円”ではなく、この世界では“ソーロ”というらしい。


飯を食べ終えて勘定する際、どれくらい払えばいいかわからないので硬貨が詰まっている袋を店員の前にドンと差し出した。

飯代は定食で100ソーロ。

袋から店員が同じ形の硬貨を2枚取り出す。

同じのが2枚ってことは50ソーロの硬貨2枚ってことだ。


とりあえず勘定は済んだので魔法書があるところを探しに行く。


街は広く、色んなところを歩いたが魔法書がどこに置いてあるのか全然わからない。

路地を彷徨っていると数人の男たちに声をかけられた。



「おい、兄ちゃん。大層な金持ち歩いてるじゃねぇか。俺らにも分けてくれよ。」


「おいおい、分けるんじゃ足りないだろ?全て置いていきな。」


「へへへ・・」



金を使ったのは飯屋でのみ。

こいつら・・・俺が大量の金を持っているのを見て後をつけてきたのか。


チンピラのカツアゲか。

やっぱりどの世界にもいるんだなこういう奴ら・・

他人から金品を巻き上げる。

本当に糞で醜いな。



「おい!聞いてるのか!」



1人の男が信次の肩を掴む。

信次は嫌悪感で咄嗟に男の手を振り払った。



「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



いきなり大声で叫びだし、地面に這いつくばる。

肩を掴んできた男の手から大量の血しぶきが上がっていた。


咄嗟に振り払ったから加減するのを忘れ、腕を切り落としてしまった。

昔TVで空手家がビール瓶を素手で切ったのを思い出した。

人間って脆い生き物だな。まるで豆腐を切ったような感じだ。



「て、てめえ!!」


「ぶち殺す!!」



残りの男4人が一斉に襲いかかってくる。

こいつらから感じるのはドブの腐った水ような匂い・・・。



「はあ・・こんな奴らに別に魔法は使わなくていいか。」



まず右手を横に振り先頭の男の首をスパッと刎ねる。

首は放物線を描き地面に落ちた。



「なっ!!?」



次に信次は殴りかかってきた男の腕を掴んでへし折って頭に蹴りを入れた。

男の頭は180度向きが変わり絶命。



「ひ、ひいぃぃぃ!!!」



3人目は両方の目玉を潰し、両足を切り落とした。



「ぎゃぁぁぁあ!!!」



最後の1人は3人が瞬く間にやられたのを見て腰が抜け、その場から動けなくなった。



「ば、ばば、化け物!!く、く、来るなぁぁ!!」



男たちが所持していて地面に落ちたナイフを1本拾い、腰が抜けた男の額に突き刺した。

そういやまだ、1人残ってた。


最初に腕を切り落とした男は走って逃走。



「・・・あいつから変に噂が立ったら行動しづらくなるな。」



信次はすぐに男の後を追う。

血痕が地面についているので追跡は容易。

信次はあっという間に逃走していた男に追いついた。



「ひ、ひぃぃぃぃぃぃ!!」



怯えた表情を浮かべる男。



「た、頼む!見逃してくれ!俺らが悪かった!!」



土下座をして命を媚びる。

自分から襲っといて立場が悪くなったら命乞いをする。

なんとも滑稽な姿だ。

本当人間って愚か。


信次は躊躇なく男の首を刎ねた。

男の首が地面を転がる。


今日・・人生で初めて人を殺した・・・しかも5人。

だけど・・・罪悪感とか何も感じない。

人が虫を殺すような感覚みたいだ。


信次は冷静に血を拭ってその場を離れた。



---

-------

-----------


信次は改めて魔法書を探しに街を探索。

歩いていると本のマークが書いてある看板を発見。

店内に入ると沢山の本が所狭しと置いてある。

やっと本屋に辿りつくことができた。


信次は片っ端から本を手に取って読む。

だが、最高位魔法に関する文献は見当たらず。


ここは仕方なく本屋の店主に聞くことにした。



「この街でここより大きい本屋は無いか?」


「この街には本屋は1軒だけだよ。探している本があるなら王立図書館へ行った方がいいね。」


「王立図書館?どこにあるんだ?」


「エルザート王国の王都“ラフィリム”だよ。」


「ここからだとどのくらいかかる?」


「馬車で3日ほどだ。」



遠いな・・。だけど王立図書館ってことは相当でかいはず。

行く価値はあるな。


本屋を出て馬車乗り場へ向かう。

しかし外はもうすっかり夜だ。この時間に馬車は動かせないらしいから明日朝出発となる。

とりあえず寝床を借りる為宿屋を探した。

すると路地裏の奥の方から何か感じた。

・・・嫌な感じだ。

・・・奥からまた腐った匂いがする。



「いや、やめて・・・」



感じた方へ向かって歩いた。

路地裏は明かりが無く真っ暗。

人通りも無い。



「いいじゃねぇか。へへへ。」


「こんな時間に出歩くとは不用心だぜ?」


「いや!いや!誰か・・・」


「こんなところで声をあげても誰も来ねえよ。」



嫌な感じのする方へ歩いてきたが、

男2人が女1人を襲っていた。

明らかに強姦寸前。


別に女がどうなろうと何も感じないが、この男2人から発せられる嫌な感じが非常に不愉快な気分になった。

本当に人間ってこういう奴らばかりだな。反吐が出る。


男たちの後ろから近づき1人の頭を掴む。



「な!?なんだお前!?」


「・・・不愉快なんだよ、お前らみたいなのを見ると。」



頭を掴んだ手に力を入れると頭蓋骨がバキバキと音を立てる。



「ぎゃあああぁぁ!!痛ぁぁぁ!!」


「手を離せこの野郎!!」



もう一人の男が懐からナイフを取り出し切りかかる。

だが親指と人差し指でナイフを掴み、ナイフを反転させて男の首に突き刺す。



「うぎゃぁぁ!!!」



頭を掴んだ男は頭蓋骨粉砕した為既に死んでいた。

首にナイフが刺さった男は慌ててナイフを抜いた為血が大量に吹き出し、出血多量でそのまま倒れて死んだ。

襲われていた女は近くにいた為、大量の返り血を浴びていた。

この女も一緒に殺そうかと思ったが、



「あ・・・ありがとうございます。助けてくれてありがとうございます。本当に・・。」



大量の返り血を浴び、恐ろしい光景を目にしたのにも関わらず泣きながら俺に感謝していた。

俺は女は殺さず、何も言わずその場を離れた。



「ありがとうございます」か・・。

誰かに感謝されたのは久しぶりだな・・・。


信次は暗い路地を抜けて再び宿屋を探しに行った。



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