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第38話「帰還」

第38話になります!

拙い文章ですが宜しくお願いします('ω')ノ

アビ王子・隻眼との戦闘は集結。

信次は奪われた魔法書を取り返した。


そして一行はべリアの町へ到着。



「カナリア、お前なんでフード被ってんだ?」


「王女である私が堂々と居れる訳ないでしょ。」


「・・たしかに。そういえばグロウたちをどこにかくまってくれるんだ?」


「そうね。かくまうなら王都から離れた近郊に良い町があるわ。そこは私が管轄している地区だから筆比較的安全よ。」


「そうか、助かる。」


「信次、貴方はこれから普通にミッドガルドへ戻るの?」


「そうだが?」



カナリアは信次に指輪を見せる。



「それは?」


「これは魔王様に頂いた転移魔法が入っている指輪。これで毎回私は魔王城まで行き来してるの。これを使えば瞬時に帰れるけど?」


「ベティスの魔法が入ってるのか。便利な魔具だな。・・・だけど俺はのんびり帰るさ。」


「そう・・わかったわ。」


「シージン!!」



グロウたちが近寄る。



「ここで別れだな。」


「ああ。」


「前にも言ったように俺らはパーティーだ。いつでも呼んでくれ。」


「ああ。」


「うううう・・・・。」



リーネたちが涙ぐんでいた。



「シージンが居ないと寂しいよぉ~。」


「今生の別れじゃない。グロウが言ったように又お前たちの助けが必要な時は声をかける。」


「うん。今回は全然役に立たなかったけど・・・・その時までに僕たちも強くなるよ!」


「ああ。」



改めて信次とグロウたちは拳を交わす。


信次は馬に乗り、そして走り出した。



「シージン!!またなァァッ!!!」



グロウたちの声が空に響き渡った。




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------------

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信次は来た道とは違う道を馬で走り、道中の町や村を転々と見て回った。

このパルメダ王国の現状がどうで今後どう変わっていくのかを比較する為に。



そして・・・グロウたちと別れて2週間。

信次はパルメダ王国の国境を過ぎ、エルザート王国の領地に入った。


エルザート王国では相変わらず信次の手配書がある為仮面を着けて進む。


エルザート王国では特に寄り道はせずに1週間で抜け、ミッドガルドに到着。

笛を吹いて翼竜を呼び、足に掴まって城を目指す。



「そういや・・・パルメダ王国で海産物を食べる予定だったのに食ってないな。・・・まぁ、次の時でいいか。」



信次は魔王城へ到着。

実に約2カ月のお使いの旅を終えた。


信次はさっそく魔王の間へ向かう。



「戻ったぞー。」



信次が声をかけると扉が開く。



「お帰り~信次♪」



2カ月ぶりの魔王の顔。



「ほらよ。」



信次が魔法書を魔王に投げる。



「おっとっと・・・もうちょっと丁寧に扱ってくれないかい?・・でも、お使いご苦労様。どうだった?」


「お使いにしては予想以上にめんどくさかったな。」


「ふふふ、カナリアとは会ったのかい?」


「ああ。」


「どうだった彼女は?何か変わった様子とか?」


「様子?特に変わったことは・・・・いや、なんかやる気になったようだぜ。」


「へぇ~。」


「んじゃ、俺は部屋に戻る。」


「信次、またお使いができたら頼んでもいいかい?」


「・・・ああ。但し、面倒臭いのは無しで頼む。」



信次が魔王の間から出ようとした時、



「あ、それと信次。・・・・この後頑張ってね♪」


「・・・は?それどういう事・・・。」



信次が言いかけたタイミングで扉が閉まる。



「おい!どういう事だよ!!」



信次の声かけに全く反応しない。



「なんなんだ・・たく。」



信次は部屋に戻るために歩いていると・・・・



「・・・・・・・・まぁぁぁぁ!!!」


「・・・ん?」


「・・・・じさまぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」



前方から大声で叫んで猛烈な勢いで走ってくるのがいた。



「信次様ァァァァァァァァァァァァァッ!!!!」


「メル!」


「信次様ッ!!会いたかったのですぅッ!!!」



メルが猛烈な勢いのまま飛びついてきた。



「ぐうっ!!」


「信次様ァァァッ!!信次様ァァァッ!!」



メルのタックルで信次は倒れ、メルは抱き着いて離れない。



「ちょっとーー!!早いわよッ!!」



少し遅れてプリネラが駆けつけた。



「お帰りなさい、信次様。」


「お、おう・・ただいま。」


「メルーー!!ちょっとズルいわよ!!離れなさい!!」


「嫌なのですぅ!!」


「もう!!じゃあいいわよこのままで!!」



プリネラはそう言うとメルが信次に抱き着いている上から抱き着いた。



「おい!!」


「暫く信次様に会えなくて私もメルも寂しかったんだからいいでしょ!!」


「く・・苦しい・・。」


(・・・この後頑張ってね♪)



サタンの奴、この事を言ってたのか・・・。



「ほっほっほ。お帰りなさいませ加藤信次様。」


「・・・ユリウス。」



さりげなくその場にユリウスが立っていた。



「この度の遠征、お疲れ様でございます。」


「ああ。・・・けど今の状況の方が疲れてるかもな。」


「ほっほっほ、暫し休暇を取ると良いでしょう。・・・それでは。」


「お、おいユリウス。この状況なんとかしてくないのか?」



ユリウスは無言で立ち去っていった。



メルとプリネラが抱き着いて30分。

ようやく落ち着いた2人。



「とりあえず部屋に戻りたいんだが。」


「そうね。戻りましょうか。」



3人は信次の部屋に戻る。

そして信次は2人に今回の遠征の話をした。

人間の仲間が出来たことも包み隠さず話した。



「・・・そんなことがあったのね。」


「信次様・・・。」


「軽蔑したか?魔族で魔人である俺が人間の仲間を作ったこと。」


「「そんなことないわ(のですぅ)!!」」



メルとプリネラが口を揃えて言った。



「信次様がその人間たちのことを思って仲間にしたのなら何も問題ないわ。」


「そうなのですぅ!!信次様はいつでも正しいのですぅ!!」


「ありがとうな。」



信次は2人の頭を撫でる。



「俺は今回の旅で気付いた。人間の中にも魔族と共存できる者がいるってことが。魔王軍は全ての人類を滅ぼすことを目的としているが滅ぼすのは全てじゃなくてもいいんじゃないかって思うようになった。けど軍が、サタンがやろうとしている事に対して反対している訳でもない。中には消さなければならない人間だって多くいる。だから・・俺は人間でも俺らと共存できる人間は生かしたい。大それた事になるが、この世界の魔族 対 人間という構図を変え、共存できる世界にしてみたい。それがどの位の時間かかるか分からない。魔族と人間の対立は何千年って続いて来た歴史だから。だから俺が人間から魔人になって長い命を得たこと、それを有効活用して出来るかわからないがやってみようと思う。」


「主人である信次様がそう決めたのなら・・」


「メルたちは一生ついていくのですぅ!」


「一生か・・・本当お前たちは頼もしいな。これからも宜しく頼む。」


「ええ!」


「はい!なのですぅ!!」


「ところでメルとプリネラは俺が居ない間何してたんだ?」


「私は11部隊に参加して戦場に行ってたわ。」



・・・そういやそんなことサタンが言ってたな。



「で?どうだったんだ?何か成果上げたのか?」


「圧倒的よ!11部隊は魔法専門の部隊だから相手を寄せ付けることなく圧勝。私もそれなりに頑張ったわ。」



11部隊はたしかマルバスのところだったか・・。



「メルはオーガの里に戻った後は・・・・ずっとバリアードに相手してもらったのですぅ!」


「毎日?」


「そうなのですぅ!!」



うーん、バリアードも大変だったろうに・・・。



「俺もこの旅でもっと強くならないとダメだと感じたからな。・・・よし、一緒に鍛錬でもするか。」


「はーい!なのですぅ!」


「私も信次様と一緒に強くなるわ!!」


「じゃあまずは休息をくれ。数日は休む。」



信次は布団を被って寝ころぶ。



「「えええーーー!!!」」


「今すぐ鍛錬したいのですぅ!!」


「そうよ!私体が疼いちゃったわよ!!」



2人は信次の布団をひっぺがえそうとする。



頼む・・疲れてるから休ませてくれ・・・。



こうして信次の日常が戻ってきた。






◇◆◇◆◇◆◇◆


-- 魔王の間 --



魔王の間にはサタンとベティスがいた。



「魔王様、この度加藤信次様が取り返して頂いた魔法書は・・・。」


「うん・・これは・・・・・本物だね。」


「!?」


「この魔法書の中にはどんな最高位魔法が記されているのか・・・楽しみだ。」


「・・鍵は?」


「そこなんだよね。この魔法書に合う鍵はまだ持ち合わせてないんだ。」


「では捜索隊を結成しますか?」


「そうだね。ベティス、捜索隊の人員を見繕ってもらえるかい?」


「かしこまりました。」



そう言うとベティスは転移魔法で魔王の間を後にする。



「・・・・ようやく本物を見つけた。・・・これで()を・・・ふふふ、ハハハハハ。」



◇◆◇◆◇◆◇◆

パルメダ王国編は終了し、次回から新章に入ります。

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