第35話「兵器」
第35話になります!
拙い文章ですがよろしくお願いします(*'ω'*)
隻眼と信次の対決が始まり、隻眼が異世界の世界観を壊すような風貌の装備をして襲い掛かる。
「あの近代的な装備はなんだよ・・・。」
「ハハッ!逃げ回るだけか!魔人ッ!!」
隻眼は間髪入れず信次に向けてレーザーを放つ。
あのレーザーから魔力が感じられる・・・。
ということはあれは魔法か?
隻眼の魔力で放ってる?
・・・いや、隻眼の魔力が減ってる感じはしない・・・。
その時、信次は隻眼の周りに何か四角い物が沢山地面に落ちているのを確認した。
あれはなんだ?
隻眼がレーザーを放つ度に落ちる四角い物体。
あれは・・・拳銃だとマガジンみたいなものか?
ということはあのマガジンみたいな物に魔力が込められている?
レーザーを放つとカードリッジが自動的に外され、自動的に取り付けられる。
「あれは我がパルメダ王国が開発した兵器。まだ試作段階で魔人に通じるかわからないが・・・。」
「ハハッ!」
アビ王子は連発する隻眼を見ると下をうつむいて頭をポリポリ掻く。
「おいッ!無駄撃ちはするなッ!」
「ハハッ!いいじゃねえか!!弾はまだまだあるんだ!!弾の残量気にするならもっと取ってこいよッ!!」
・・取ってこい?どういうことだ?
「これは奴隷共から吸い上げた魔力で作ってた弾なんだよ。」
「!!」
隻眼はポロっと情報を喋る。
「この国には腐るほど奴隷がいやがるからな。その奴隷共の魔力で作られたのがこの弾よ。」
「あの馬鹿者が・・・。わざわざ喋る必要ないだろう。」
「どんな人間にも少なからず魔力はあるからな。魔力を限界まで吸い上げて吸い上げて吸い上げる・・・。」
「・・・・。」
「なあ魔人、限界を超えて魔力を吸い取られた人間ってどうなるか知ってるか?・・・ハハッ!魂が抜けて干からびたようになるんだぜ?そこまでいったら魔力はもう回復しねえ。だから吸い終わった奴隷はポイ。」
「たくっ・・べらべらと喋りおって。」
「この弾1つを作るのにどの位の人間の魔力を使うんだったか・・・。そうだ、最低でも数十人くらいは必要だったな。」
「腐ってんな。」
「ハハッ!そうだよッ!この国は腐ってるッ!!人を人とも思わないッ!!だが、それがイイッ!!そういった人道を全く無視したこの国のやり方を俺は気に入ってるッ!!」
「お前はイカれて腐ってんな。」
「ハハッ!興奮するだろ!?だから俺は王子に手を貸している!!俺は遠慮なくぶっ殺せて快楽に浸れるなら魔族でも人間でもどっちでもいいんだ!!その機会を、武器を、王子は俺に与えてくれるからなッ!!」
「・・・もういい、喋るな・・外道。」
「外道!?魔族である魔人のどの口が言ってやがるッ!!・・・おいッ!!お前らッ!!」
隻眼の掛け声のもとぞろぞろと護衛たちが集まってくる。
「!!」
護衛たち全員が隻眼と同じ様な装備を身に纏っていた。
「これがパルメダ王国が開発している軍用兵器だ。なあ王子!弾使い切っちまっていいよな!?補充なら後でいくらでもしてやるッ!!」
「もう好きにしろ・・。無くった分以上に働いてもらうからな。」
アビ王子は呆れた顔をしてOKサインを出す。
「ハハッ!お許しが出たッ!!いくぜお前らッ!!」
隻眼と護衛たちが一斉に構える。
そして一斉放射。
信次は次々に飛んでくるレーザーを横に走りながら避ける。
その時、信次の上からレーザーが飛んでくる。
「何っ!?」
信次はレーザーに被弾。
「がはっ!がはっ!!・・・上から!?」
信次は今までのレーザーが一直線に飛んできていたので上からくるとは予想していなかった。
「そおらッ!!撃てェェェッ!!!」
隻眼の掛け声のもと再度一斉放射。
信次は一直線に飛んでくる中に放物線を描いて飛んでくるレーザーを確認。
「厄介だなオイ・・。」
レーザーを見切って躱す信次。
「おい、お前らはこのまま撃ち続けろ。」
隻眼は撃つのを止め、低い体勢をとる。
そして足に装備したブースターが勢いよく噴射。
高速で信次に詰め寄る。
「!?」
「この距離ならどうだァァァ!!」
隻眼と信次の距離は2~3メートル。
至近距離でレーザーを放つ。
「くっ!」
大きな爆発が起き、一帯に爆風が吹き荒れる。
隻眼は片手を横に広げて放射を一旦制止させる。
「・・・どうだ魔人?人間が作った兵器の味は?」
爆風が止み、信次の姿が現れる。
信次の片腕がレーザーによって吹き飛んでおり、血が垂れ流れていた。
「っ・・・。」
「ハハッ!見事に腕が吹っ飛んでやがるッ!!」
「・・・ふんッ!!」
信次の腕は高速再生で復活。
「高速再生・・・。ハハッ!トカゲみてえだな。」
「・・・ふぅ。こっからは・・・マジでいくぞ。」
「イイねイイねッ!!そうこなくちゃッ!!」
隻眼は一旦距離を置く。
信次は扉を開放。体は黒く変化し黒い霧を纏う。
「・・・なっ、なんだアレ・・。」
扉開放状態の信次の魔力と重圧に驚愕する護衛たち。
「あれが・・・・魔人。」
アビ王子も信次の圧倒的な力を感じて驚く。
だが一人だけ臆さない者がいた。
隻眼である。
「ハハッ!これが魔人かッ!!・・・・お前らァァァァ撃てェェェッ!!!」
隻眼の掛け声のもと一斉放射。
・・・だが、
「・・な・・・なにッ!?」
護衛たちが驚く。
放ったレーザーは信次を纏う黒い霧によって当たる前に消失。
「レーザーから放たれるのは魔力だってわかったからな。この霧以下の魔力だったら全て無効化する。」
「あの黒い霧より魔力が劣ると消されるだぁ~?・・・面白れえッ!!お前らドンドン撃てェェッツ!!」
隻眼たちが撃つレーザーはことごとく信次の纏う黒い霧に消される。
「き、効かないですよ!!」
「あんなのどうすれば!!」
護衛たちがうろたえる。
「・・・・。」
隻眼は一瞬沈黙。
そしてブースターを発動し、信次の近くまで一気に詰め寄る。
「さっきと同じか。」
「喰らえッ!!」
隻眼は至近距離でレーザーを放つ。
「!?」
だが、至近距離で放ったレーザーも信次に届く前に霧によって消されてしまった。
「言っただろ?この霧以下の魔力は全て無効化する。遠くで撃とうが近くで撃とうがレーザーから放出する魔力量は変わらない。」
信次の言葉に隻眼はニヤッと笑う。
「・・・だったらこれならどうだ?」
隻眼はレーザーの銃口を信次に向ける。
「・・喰らえ。」
引き金を引き、ドンッと音が鳴りレーザーを放射・・・と思ったが、レーザーの銃口から実弾が発射された。
「!!」
魔力を持たない実弾は霧をすり抜けて信次に飛んでいく。
「グッ!!」
不意を突かれた信次は躱そうとするも避け切れずに被弾。
右胸が銃弾によって貫かれる。
「実弾!?」
「ハハッ!これが魔力を撃つだけだと思ったのか?魔力切れも想定して実弾も撃てるようにしてあるんだよ。」
「ちっ・・。」
貫かれた箇所を再生する。
「まだまだイクぜッ!!」
「・・よし。魔人相手にも開発した兵器は通用する。」
遠くから戦況を見つめるアビ王子。
「これならどうだ・・・“九頭の大蛇”!」
「!!」
信次は九頭の大蛇を発動。
大きな大蛇が隻眼たちに襲いかかる。
「ハハッ!でかいなッ!!撃ちまくれェェッ!!」
隻眼たちは大蛇に大量のレーザーを浴びせる。
ズシュッ!!
「・・あん?」
隻眼が視線を自身の左腕に向ける。
「なに・・?」
見ると自身の左腕が斬り落とされていたことに気付く。
斬り落とされた箇所からは大量の血しぶきが上がる。
「なッ!?」
信次は一瞬で隻眼との距離を詰めて魔法剣で腕を斬り落としたのだ。
「蛇に一瞬気を取られたからな。その隙を狙わせてもらった。」
「こ、この野郎・・・・ッ!!」
「このまま殺らせてもらうぞ。」
「おぉぉいッ!!止血だッ!!止血しろッ!!」
護衛の一人が魔法で隻眼を遠隔で止血する。
「片腕じゃ勝負あったろ。」
「・・ハハッ!何言ってやがるッ!!これからが盛り上がるんだろうがッ!!」
「・・・本当イカれた奴だな。」
「ハハッァァァァ!!」
隻眼は勢いよく信次に向かって行き、残った右腕のレーザーを放とうとする。
だが、
ズシュッ!!
信次は向かってきた隻眼の左腕を斬り落とした。
「がぁぁぁッ!!!」
苦痛で悶える隻眼。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・。」
「これで本当に勝負はついたな。」
「・・・・・まだだ。」
「両腕失ったお前に何ができる?」
隻眼は体を揺らすと懐からカプセル状の物が地面に落ちる。
「?」
そして隻眼はそのカプセルを口にくわえた。
「王子ィィィッ!!これ使うぜ!?」
「・・・・まあ仕方あるまい。この状況下ではな。」
アビ王子は頷く。
「なんだそれ?」
「まあ、楽しみにしてな・・・。」
隻眼はそう言うとごくッとカプセルを飲み込む。
暫くすると隻眼の体に変化が起きた。
体が沸騰した湯のようにボコボコと膨れ上がる。
「ウガッ・・・ガッ・・・・ガァァァァッ!!!」
「なんだ・・・?」
「ウゴァァァァァァァァァッ!!!!」
「!!?」
隻眼の体が肥大化。
さらに失った両腕が再生した。
「なっ!?」
隻眼は異様な姿に変貌。
先ほどまでの隻眼とは思えない程。
体は全体的に大きくなり、体つきは以前戦ったベヒモスのよう。
「おいおい・・・俺が言えたことじゃないが・・・お前も人間やめてるじゃん。」
「フシュ~・・・・さあ、2回戦目といこうか。」




