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第32話「鉄壁」

第32話になります!

拙い文章ですがよろしくお願いします( ;∀;)

勇者ヴァーサスの攻撃により吹っ飛ばされた信次。

山の木々をなぎ倒しながら遠くまで飛ばされ、落下した先にはグロウたちが居た。


まさかグロウたちが居るとは思わなかった信次は驚いた表情を見せる



「な、・・なんでここに?」


「なんだお前・・・。」


「ひっ!矢が刺さってる!・・黒い体?魔物?」



信次はまだ扉開放状態だった。

黒い体に黒い霧を纏っている。

ただ、突然の出来事であり且つその姿にグロウたちは信次だと気づいていない。



しめた。

グロウたちはまだ俺だと気づいてない・・。

ここにいるとコイツらを巻き込む可能性がある。どうせ勇者たちは俺を追ってるだろうから。

さっさとここを離れるか。



信次は後ろを向き、その場を離れようとした・・・その時、



「・・・・シ、シージン?」


「!?」



グロウが信次だと気づいた。



「えっ!?シージン!?シージンなの!?」


「グロウ、何故これがシージンだと?」


「黒いが・・よく見たら顔シージンだし、それに服と腕の紋章。全てがシージンと一致してる。」


「本当にシージンなんですか?でもその姿・・。」


「・・・はあ。たく、なんで気付くんだよお前は。」



信次は扉を閉めた。

そして体の色が元に戻る。



「やっぱりシージンだったか・・。なんなんだその怪我ッ!?どうしたッ!?それにさっきの姿はッ!?」



信次は頭をポリポリ掻き、グロウたちにどう説明しようか考える。



もうこの際全て話すか・・・。




「あのな、実は・・・」



信次が喋りかけた瞬間、雷が頭上から落ちてくる。



「!!」



信次は咄嗟にグロウたちを抱えて雷を回避。

雷が地面に落ちて激しい音が鳴る。



「な、なんだ!?」


「悪いな・・巻き込んじまった。」


「なに!?なに!?」



信次は上を見上げると崖の上に複数の人影があるのを確認。

その人影が崖を下る。



「きゃぁぁぁぁぁ!!落ちるゥゥゥーーー!!」


「うるせぇぞナザレ!!落ちてんだよ今!まさに!」



モーガンがナザレを抱えて崖を下るがナザレは悲鳴を上げる。



ヴァーサスとベルサルクは急な崖を簡単に下る。

フリージアは浮遊魔法を使用して降りてきた。



あれが無属性特有の“浮遊(フライ)”か・・。



ヴァーサスたち全員崖から下り終え、信次の前に並ぶ。



「なんだ!?何が起きてんだ!?なあ、シージン?」


「魔人よ、その者たちから離れろ。」


「・・・・は?魔人?」



グロウたちが信次の顔を見る。



「・・・嘘だろ?シージン?」



信次は目をつむる。

そして、



「グロウ、リーネ、アスタロ、ラングリット・・・すまなかった。」



一言謝る。

そして体に刺さっていた矢を抜く。

抜いた箇所は高速再生。



「!!」


「その再生・・・・。」


「本当に・・・魔人?」


「さあ、その者たちから離れるんだ魔人。お前の相手は我々だ。」


「あ、あいつらは・・・・?」


「勇者様だとさ。」


「勇者!?・・・てことは、雷撃のヴァーサスか!?」


「じゃあ勇者様の周りにいるのは・・・勇者パーティー!?」


「なんだ?その者たちと面識があるのか?」


「ちょッ!お前たち少し黙ってろ!俺とは初めて会ったことにしろ!いいな!」



信次がヴァーサスたちに聞こえないギリギリの声量でグロウたちに話しかける。



「君たちは逃げるんだ。魔人の相手は我々がする。魔人よ、その者たちには手を出すな。」



ヴァーサスがゆっくり歩いてくる。



「あのよ・・・手を出すなって、俺が手当たり次第人に危害加えてると思ってるのか?そもそも最初に手を出してきたのはアンタらだろうが。」


「・・・・・。」


「やっとその顔思い出した。お前、以前エルザート王国で暴れた魔人だな?」


「げっ、バレてる・・・。」


「王都の5分の1が破壊。不幸中の幸いで死者は出なかったようだが、お前の存在は隣国に衝撃を与えた。そして・・実際戦ってみてわかった。やはり魔人、お前は危険だ。今この場で抹殺する。」


「まあ、それは街は破壊しちまったが・・・」



するとグロウが立ち上がる。



「グロウ?どうしたの?」



グロウは立ち上がると信次の前に出る。



「!?・・・魔人から離れるんだ。」


「うるせぇッ!!」


「!?」


「勇者様よぉ、あんたシージンの何を知ってるんだ?魔人ってだけで抹殺?ふざけんなッ!!・・・だから上級の冒険者や勇者ってのは気に食わねえんだ。魔物だからって見境なく殺す。そいつの本質を見ようとしない。シージンはな、俺らとたった2日だが一緒にクエストをこなした。その後もここへ来るために一緒に移動してきたんだ。シージンと付き合いは長くねえが・・・こいつは良い奴だ。」


「魔人と一緒に?魔人が良い奴?」


「バカッ!なんでバラすんだ!」


「そうか、君たちがここへ魔人を連れて来たのか。魔人という驚異を連れて来たのは重罪に当たる。覚悟はできているのだろうな?」


「お前たちはおそらくシージンのこと何も見ずに魔人というだけで攻撃したんだろうな。」


「そうだな。街から微かに魔族の魔力を感じ、それを辿っていたらその魔人がいた。だから排除しようとしただけだ。」


「本当、そういうところが嫌なんだよ。シージンはな、いい奴なんだよ!俺にとっちゃ魔人だろうが関係ねえッ!!シージンは口下手でクール気取ってるが・・・俺の、俺たちの信念に賛同してくれる奴なんだッ!」


「・・・何が言いたいんだ?」


「シージンは・・・俺らの仲間ってことだッ!!」


「・・・ということは君たちは・・国に仇名す反逆者ということでいいな?魔人と共に排除の標的となるぞ?」


「仲間が襲われてるってのに助けない訳が無いだろ。俺らはパーティーだッ!!」


「グロウ・・。」



グロウがヴァーサスに啖呵をきると周りで座っていたリーネたちも立ち上がる。

そして・・・



「リーネ、アスタロ、ラングリット・・・。」



3人は勇者から発せられる重圧(プレッシャー)に足をガクガク震わせていた。。

しかし必死で前を向く。



「そ、そ、そうよ。シージンは私たちの大切な仲間。」


「シージンは僕の話をよく聞いてくれた、いい人なんだ。」


「全ての魔物が悪ではない。だからシージンは決して悪ではない。」



本当・・・・お前たちは良い奴らだな。

俺が魔人って分かっても、それでも仲間って言ってくれるんだな・・。

・・・俺は、こいつらを守らなければならない。



「シルバーが1人、ブロンズが3人。いかにも駆け出しって感じだな。なあヴァーサス、本当にやるのか?」


「ああ。魔族に加担する者は敵とみなす。」


「・・・わかったよ。」



モーガンとベルサルクが前に出る。

フリージアとナザレは散って後方支援に回る態勢を整える。



「あわ、あわわわわわわ・・。」


「こ、これが勇者パーティー・・・。」



勇者パーティーの前にラングリットたちは怯える。



「お前たち・・ありがとうな。俺が必ず守ってやるから。」


「シージン・・。」



ヴァーサスたちが戦闘の構えに入る。



「“闇の殻(ダークシェル)”!!」



信次はリーネたちを防御の為に殻の中に入れる。



「おっと!」



グロウは咄嗟に殻が閉まる直前に出た。



「いいのか?」


「ああ!1人だけじゃ心細いだろ?」


「そうだな。“九頭の大蛇(ヒュドラ)”!!」



信次は魔法で殻の前に大蛇を出す。



「おおお、凄いな・・。」


九頭の大蛇(ヒュドラ)!その殻を守れ!」


「・・お前たち、いつも通りで行くぞ。」


「「「了解!」」」



ヴァーサスは片手に盾を装備。

盾を前に構えて突進。



「こいつらを守らなければならないからな。マジで行くぞッ!」



信次は再度扉を開放。

爆発的に魔力が上昇しヴァーサスに立ち向かう。

ヴァーサスの突進に正面からぶつかる。


そこへ横から身体強化の魔法を付与したモーガンが迫る。



「さっきの続きだァァァ!!!」



モーガンが斧を振り落とす。

が、そこへグロウが前に出て腰に装備していた盾を出してモーガンの斧を受ける。



「なにッ!?」


「!!」


「だァァァらァァァッ!!」



グロウはモーガンの斧をはじき返した。



「ふぅ~、ふぅ~・・・。」



グロウは呼吸を整える。



「マジか・・グロウのやつ、あの一撃止めれるんか。」


「何をよそ見している!!」



ヴァーサスが信次に剣を振る。

が、信次はひらりと躱し、盾を思い切り蹴り飛ばす。

ヴァーサスは後方へ吹っ飛ぶが直ぐに態勢を整える。



「大男で名前がグロウ・・盾・・・お前・・・まさか“鉄壁”のグロウか?」


「鉄壁?」


「まさかお前ほどの奴が敵に寝返るとはなッ!!」


「グロウ、お前結構名の通った冒険者だったのか?」


「・・・昔の話だ。」


「なんだ!魔人知らねえのか?こいつは10年前の大規模魔物討伐戦にて大活躍した英雄だよ!!」


「!?」


「あれだけの数の魔物を殺しておいて今更魔族の仲間になるのか?」


「・・・・・。」



■■■■■■■■■

■■■■■■

■■■


今から10年前、パルメダ王国西部にて大規模な魔物討伐戦が行われていた。

約3万の魔物の軍勢を率いるのは魔王軍第3・4部隊統括ラミアス。


魔王軍の侵攻に対しパルメダ王国の兵力は兵士と冒険者を含めて計5万。

数では王国側が有利であったが、魔物の力が人より優れていた為苦戦を強いられる。


当時まだ冒険者として駆け出しであったヴァーサス、モーガンも戦に参戦。

駆け出しの頃からその存在感は抜群であった。


戦にて魔王軍、王国軍は勢力を中央・右翼・左翼の3つに分けていた。

ヴァーサスたちは左翼に振り分けられており善戦。

この中で一番激しい戦いを繰り広げられていたのが中央だった。


中央は魔王軍第3部隊隊長ウルボイを筆頭に高い戦力で攻め入っており、その勢いで王国軍は押されていた。

沢山の人が殺され、防戦一方。

グロウはその中央に配置されていた。



「ダメだ・・強すぎる・・・。」


「このままだと後方にも来るぞ・・・。」


「士気を下げるなァァァッ!!ここで死守しなければ魔族に国を滅ぼされるぞォォッ!!」



恐怖と不安で弱音を吐く者が大勢いた。

それを見かねて周りを鼓舞する王国の騎士団。


そしてついに魔王軍が中央の前線を突破し、後方へ突入してきた。



「き、きたぁぁぁぁ!!!」


「死ねッ!!人間どもッ!!」



魔物が次々に人を殺戮。

戦場は断末魔の叫びと地が血で染まった。


戦場に腰が抜けて倒れ込む一人の男がいた。

魔物はその男に狙いを定めて襲い掛かる。



「死ねェェェェッ!!!」


「うああああッ!!!!」



その時、倒れていた男の前にグロウが現れ、装備している盾で魔物からの攻撃を防いだ。



「・・・・立てッ!!俺が攻撃を防ぐッ!!お前は立って応戦しろッ!!」



次から次へと迫りくる魔物たちの攻撃にグロウは1人で防ぐ。



「うおおおおおおおおッ!!!」



グロウは雄叫びを上げ魔物からの攻撃を盾で防ぎ、隙を狙って周りの者が魔物を斬り倒す。



王国軍はそのグロウの勇姿を見て奮い立つ。



「まだだぁぁ!!勝つのは我らが王国だッ!!!」



王国軍は勢いを取り戻し、魔王軍を徐々に押し返す。



「ぎゃああああッ!!!」



グロウがいる前方から兵士たちの叫び声がこだまする。

バッサバッサと斬り倒しながら魔物が進んできた。


そしてグロウのもとへ魔王軍第3部隊隊長ウルボイが現れた。



「生きが良いのがいるなッ!!ああァ!?」


「!!」



ウルボイは自身の倍の大きさはあろうかという程の斧を引っさげていた。

その斧は幾人を斬ったであろう、大量の血がついており、ポタポタと血が地面に垂れている。

そしてその巨大な斧をグロウに叩きつけた。

グロウは盾でガード。

しかし、途轍もない威力によりグロウの足が地面にめり込む。



「ぐうッッッ!!!」



必死に攻撃を耐えるグロウ。

ウルボイの連撃が炸裂。

だが、グロウは耐える。



「オラァァッ!!オラァァッ!!どうした人間ッ!!守ってばかりじゃ何もできんぞ!?」



グロウはそれでも攻撃を耐える。

グロウは昔魔物に助けられた。

だから魔物に対して危害は加えないと誓っていたのだ。


・・・だが、王国命令で急にこの戦に招集をかけられた。

そして戦場に放り出される。


自身は魔物に危害を与えぬよう防御に徹した。

だが・・・・今この時、このままでは死を待つだけと感じた。

圧倒的なパワーを持つこの魔物にこのままなぶり殺されてしまうと。



だけど自分で立てた誓いを破る訳にはいかない。

だからグロウは耐えるしかなかった。



グロウが攻撃をガードして15分が経過した。

ひたすら攻撃を防ぐグロウに対してウルボイは疲労が溜まる。



「し・・しつけえな人間ッ!!」



ガードしているグロウは意識が段々と薄れていく。

ウルボイが放つ一撃一撃は重く、その衝撃で心身ともに疲弊し、何度も意識が飛びかけていた。

周りの魔物たちはウルボイに応戦しようとするが王国軍がそれを必死で阻止。

その場はグロウとウルボイの一騎打ちの状態となっていた。



「だぁぁぁぁッ!!!しつけえッ!!!もうこの一撃で終わりにしてやるッ!!!」



全然倒れないグロウに対して頭に血がのぼったウルボイは一旦グロウから距離を置く。

そして強化魔法を重ね掛け。

最大火力で一気に打ち倒そうと試みる。


だが次の瞬間、ウルボイの胸に複数の矢が突き刺さる。



「ガアッ!!?」



戦場を駆け回っていた王国軍の騎士団がグロウの応援に駆け付けウルボイに矢を放ったのだ。



「グフッ・・こんな矢でオレが倒れるかァァァッ!!!」


「だろうな。」


「!?」



ウルボイの目の前に一人の双剣の騎士が現れ、目にも止まらぬ速さで斬り刻む。



「ガアァァァァッ!!」


「締めは頼む。」


「任された。」



双剣の騎士に続いて大剣の騎士が現れウルボイを一刀両断。



「バ・・・カな・・・。」



ウルボイは真っ二つになり地面に倒れた。

王国軍は歓喜。皆雄叫びを上げる。



「隊長が・・・やられた。」


「この勢いを逃すなァァッ!!魔物どもを畳み掛けろーーーーッ!!」



騎士団が全員を鼓舞し王国軍が一気に攻め入る。

そして魔王軍を指揮していた統括のラミアスのもとへ隊長ウルボイの討ち死にの訃報が届く。



「あ・・・の・・・バカタレがッ!!」



憤怒するラミアス。



「本来の隊長がこの戦で不在だから今回はオレを隊長としてやらせてくれと強く志願してきたから隊長の任につかせたが・・・。あのバカタレは一つのことに夢中になると周りが見えなくなるのが難点だった。アイツを隊長にさせた儂の考えが甘かったか・・。」


「ラミアス様!!」


「どうした?」


「それが・・・」


「なんだ?早く言え。」


「・・・右翼を指揮、先導していたオリムバス隊長が・・・討ち死にです。」


「なにィィッ!?」


「中央、右翼で隊長を失った我が軍は劣勢。人間どもは勢いを増しております。」


「(脳筋のウルボイはいいとして、知略・武力兼ね備えたオリムバスまでもが倒された・・・。これは軍にとって痛手。人間どもめ・・・あちらの左翼にとんでもない隠し玉を持っていたか・・。)」


「ラミアス様、いかがいたしましょうか?」


「中央、右翼の隊長が居なくなったことにより統率はバラバラ。残るは左翼だが・・・今の人間の勢いを見るとこのままでは左翼も潰される可能性が出てきた。人間どもの戦力を見誤っていたか。・・・・退却だ。各部隊に指令を出せ。」


「はっ!!」


「魔王様、申し訳ございません・・。」



悔しさで顔が歪むラミアス。

魔王軍は退却。王国軍の勝利となった。

魔物たちが退却する姿を見て戦場全体で歓喜の声が上がる。


グロウは疲労で地面に座りこんでいた。

そこへ騎士団が近寄る。



「冒険者!よくやった!!」


「君がいてくれたおかげで後から我々が応戦し魔物を討ち取ることができた。素晴らしい活躍だ。」


「あの魔物の攻撃に対してあの防御・・・まさに鉄壁。あの魔物を討ち取ることができたことによって戦況が変わった。君は国の英雄だ。」



騎士団たちがグロウを称える。

一方左翼で動いていたヴァーサスとモーガンは、



「なんだ、もう終わりかよ。」


「早く終わったことに越したことはない。」


「いや~、でもあの魔物は強かったな。俺の援助なけりゃヴァーサス、お前やられていたかもな。」


「ふっ、それは助かった。だが、こういう経験を積んでいき私たちはもっと強くなるんだ。」


「そうだな。」



魔王軍右翼を指揮していた隊長オリムバスを討ち取ったのは駆け出し冒険者のヴァーサスとモーガンだった。

この一戦でこの二人の名は国全土に知れ渡る。



魔王軍との戦が終わって1週間。

王城にて活躍した者たちが集められ叙勲式が開かれた。

その中にグロウ・ヴァーサス・モーガンの3名も招待。

ヴァーサス・モーガンの2人はブロンズから一気にゴールドへ昇格。

グロウはシルバーからゴールドへ昇格できたが昇格を断った。


そして叙勲式が終わり、皆王城を後にする。

グロウは帰ろうとしたが1人の騎士団員に声をかけられる。



「この度君の活躍は素晴らしかった。なのになぜ昇格を蹴った?」



騎士団の男がグロウに聞く。



「俺はあまり危ないことしたくないんですよ。ゴールドになると緊急の依頼とか結構あるでしょ?今のままで十分なんです。」


「・・・そうか、勿体ない気もするが君の決めたことだ。これからも頑張ってくれよ。」



ゴールドランクには魔物討伐の依頼が多く入ってくる。

ほとんどの依頼が魔物絡みなのだ。

魔物に危害を加えないと誓ったグロウにとってゴールドランクには上がってはならない。

真実を騎士団員には告げずに濁して話し、そのまま王城を後にした。



それからもグロウは魔物には危害を加えずに冒険者稼業を続けた。

クエスト中、時には殺意を向けてくる魔物もいたがその都度鉄壁の防御で攻撃を防ぎ、魔物をあしらっていた。

そして同じ様な境遇の者を見つけてパーティーを組むようになる。



■■■

■■■■■■

■■■■■■■■■




「英雄が魔物の味方するとはなッ!!落ちたもんだぜッ!!」


「俺は・・全ての魔物が悪だと固定観念を抱いているお前たちとは違う。味方になれる、なってくれる魔物だっているんだ。そういった魔物まで手当たり次第殺すお前たちのやり方が俺は一番嫌いなんだよッ!!!」


「お前だって魔物殺してんだろ!?」


「俺は冒険者になって魔物をこの手にかけたことは一度たりとも無いッ!!」


「じゃあお前に人間は殺せんのか?俺は反逆した者は躊躇なく殺すぞ?」


「俺は誰も殺さない。お前には少し眠ってもらうだけだ。」


「ハハッ!!言うじゃねえかッ!!それじゃ・・・鉄壁ってやつを見せてもらうぜッ!!」



グロウ 対 モーガンの戦いが始まる。

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