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第31話「勇者ヴァーサス」

第31話になります!

拙い文章ですがよろしくお願いします('ω')ノ

信次は隻眼が宿泊していた宿に赴くが、既に出発した後だった。

信次はすぐに馬を借りて隻眼たちを追う。



「追いつくか?1日分の遅れがある、急がないと。」



馬を走らせ、モントビレの街から出る。

街から出て少し走っていたその時、

信次の後方から弓矢が飛んできた。



「!?」



信次は馬を上手く扱い弓矢を躱す。

そしてまた走りだす。

信次は後ろを向いて確認。



「なんだアイツら。」



信次の後方から5人、馬に乗って追いかけてくる。



金色の鎧を着てる男に、顔のごつい男、ツインテールの女にロン毛の女、そしてパーマの男・・・

なんなんだコイツらは・・。

ただ・・・。



信次は5人全員が只者でないことに気付く。



「ちっ!なんなんだよたくっ!」



信次は馬の走る速度を上げる。



「ベルサルク。」


「了解。射貫くよ。」



勇者ヴァーサスの指示でパーマ男のベルサルクは弓を構え発射。

勢いよく矢が信次のもとへ飛んでいく。


しかし、信次は振り向きざまに弓矢を素手で掴む。



「ありゃ。」


「うそー!?弓矢を素手で掴むの~!?」



ツインテール女のナザレは信次の行動に驚く。



「ありゃ只者じゃねえな。へへ、体が疼くぜ。」



ごつい男のモーガンは逆に興奮する。



「見た感じ人間のようだけど・・魔物が化けてるのかしら?」



ロン毛女のフリージアは冷静に分析。



「ごめんヴァーサス、止められちゃった。」


「次は3本で射貫いてくれ。」


「了解。」



ベルサルクは3本の弓を発射。



「またか・・。」


「フリージア。」


「わかってるわ。」



弓矢が真っすぐ信次に飛んでいく。

信次は先ほどと同じく弓矢を掴もうとするが、



「!?」



3本の弓矢が急に軌道を変える。

1本は上に、もう1本は横に軌道が変化し軌道が変わった後それぞれ別方向から信次に向かって飛んでいく。



なんだ?

操縦(マネージ)か?

いや、操縦(マネージ)は魔法を操作するもの・・・これは物質を操作する別の魔法か。



信次は咄嗟の判断で掴むのを止めて叩き落とすことにした。

そして2本の矢を叩き落とす。

だが、



「ヒヒィィィィンッ!!!」


「!?」



突如馬がバランスを崩し倒れる。

最後の1本の矢は下に軌道をそらして馬の脚を射抜いていた。


信次は馬から落下するが受け身をとる。

信次に向かってくる勇者ヴァーサスたち。


信次は山道に向かって走る。



「山の方へ行ったぞ。」


「速ーーいッ!!」


「見失うな。追うぞ。」



ヴァーサスたちも馬を山道へ向けて走らす。



「たく、バレたのか・・。魔力は抑えてたんだが・・。また匂いでバレたか?」



信次は後方を確認。



「まだ追ってくるな。隻眼追わなきゃならんのに・・・スピード上げて撒くか。」



一気に速度を上げる。



「速えッ!!どんどん離されるぞッ!!」


「あんな速さを出せるなんて、普通の魔物じゃないわね。」


「・・・・・。」


「ヴァーサスどうする?」


「お前たちは左右に転回。あの魔物は私が追う。」


「「了解!」」



ヴァーサス以外の者は左右に進路を変更。



「馬だと追いつかないか・・。“速度向上(スピーダー)”。」



ヴァーサスは速度向上の魔法を自身に付与。

馬から飛び降りて地面に着地。

そして着地と同時にダッシュ。

もの凄い速さで信次を追う。



「この速さでもまだ追いつかないか・・。“速度向上(スピーダー)”。」



速度向上の魔法を重ね掛け。

さらに速度が上がる。


信次は再度後方を確認。

1人が猛スピードで追いかけてくる事に気付く。



「マジかよ。この速さについてこれんの?」


「“木々の拘束(バオムバインド)”。」



ヴァーサスは走りながら片手を地面につけて魔法を発動。



「!?」



信次の足元から地面が盛り上がり木のツルが出てくる。

そして木のツルが信次の足に絡みつき、動きを止めた。



「なっ!?・・・このッ!」



信次は足に力を込めてツルを引き千切る。

そして再度走り出す・・・しかし、

信次とヴァーサスの距離が一気に縮まってしまった。


信次は後ろを向き、追ってくるヴァーサスに魔法の弾丸(マジックバレット)を放つ。

だが、ヴァーサスは弾丸を躱す。



「“速度向上(スピーダー)”。」



ヴァーサスはさらに速度向上の魔法を重ね、一瞬で信次を追い越した。



「!?」



追いつかれ、先を越された為信次は足を止める。



「まさか追いつくなんてな・・。」


速度向上(スピーダー)を三重にしてやっと追いつくことができた。只の魔物ではないな?お前は何者だ?」


「おいおい、名乗るんだったらまずは自分からだろ?」


「・・・・それはすまなかったな。私の名はヴァーサス。パルメダ王国の勇者だ。」


「勇者!?」



エルザート王国のなんちゃって勇者じゃなくて本物の勇者!?



普段相手を見たらその者がどの程度の力があるのか大体分かる信次だったが・・・。

この時ヴァーサスを見ても実力が推し量れなかった。



こいつの底がわからない・・・・。

サタンやリムドと同じ感覚だ・・。



「それで?お前は何者だ?」


「俺は・・・魔人だ。」


「・・・そうか、通りで。」


「?」


「その速さもそうだが、街で感じた違和感。魔物とは少し違った魔力の質。魔人のものだったか。」


「なんのことだ?」


「いや、こちらの話だ。それで魔人がこの国に何の用だ?」


「・・魔人でも観光しにきちゃマズイか?ここは観光の名所って聞いたんでね。」



信次は本来の目的は話さない。



「別に悪くはないだろう。仮にも元人間。息抜きもしたくなるのではないか?」


「そーそー、観光しに来ただけなんだよ。あとちょっと急ぎでね。だから今回は見逃してくれない?」


「観光は悪くないが・・・魔人は悪だ。見つけて逃がす訳が無いだろう。」


「・・・ま、そうなるわな。」



戦うしかないか。

本物の勇者・・・実際どの位の強さか・・。



ヴァーサスは腰から剣を抜く。

信次は構える。

両者互いをじっと見つめ・・・・・先に動いたのはヴァーサス。

立っていた場所から一瞬で信次の間合いに入る。



「!!」



信次はヴァーサスの攻撃を躱す。

振り抜いた剣は信次をかすめる。

信次は一旦ヴァーサスとの距離を空ける。



「“散弾の雨(マジックレイン)”。」



信次が魔法を発動。魔力弾の雨が降り注ぐ。

ヴァーサスは全て剣で弾く。


全て弾き終わったところを狙って信次が先ほどとは逆にヴァーサスの間合いに入る。

そして右腕を振り抜く。


激しい轟音が山に響く。

だが・・・



「耐えるんかい。」



信次の攻撃を剣で受け止めるヴァーサス。

そして信次はもう一度ヴァーサスとの距離を空ける。



マジかよ・・・人間でこの力?

魔王軍の部隊隊長より上・・か。

これが勇者・・。


(人間ながら圧倒的な魔力量を持ち、我々魔族の脅威となっております・・)


信次はいつぞやのユリウスの言葉を思い出す。


たく・・リムドと修行してて良かったわ。

前までの俺なら勝てる相手じゃなかった。



「魔人は滅ぼす。魔族は滅する。」


「おいおい、魔族が全て悪だと思うなよ?」


「黙れ。魔族の脅威から民を、国を守るのが勇者である私の責務。」


「固い奴だな。」


「“速度向上(スピーダー)”、“攻撃上昇(フォワード)”。」



スピード強化をさらに重ねてきた、そしてパワー強化も!



身体強化をしたヴァーサスは力強く踏み込み信次に迫り剣を振るう。

だが信次も攻撃を見切って躱す。

ヴァーサスの斬撃は周り一帯の木々を斬り倒した。



「このッ!」



信次は反撃の拳を振るう。

ヴァーサスは拳を受け流し、肘で信次の顔を殴る。



「がッ!?」



肘で殴った後すかさず剣を振るう。

信次は剣が自分に届く前にヴァーサスの顔に蹴りを食らわす。



「ぐッ!!」



信次の追撃。

腰を落として正拳突きの構えをとる。

それを見たヴァーサスは咄嗟に後方へ下がる。



「うらッッ!!」



信次の正拳突きはまるで空気砲のごとく飛んでいき、後方へ下がったヴァーサスに命中。



「なにッ!?」



ヴァーサスはその場に倒れるも直ぐに態勢を整える。



「・・・これが魔人の力か。これは私も少々本気にならないとダメか。」


「?」



ヴァーサスは剣を構え集中。

段々と魔力と重圧(プレッシャー)が膨れ上がり、

その場がピリピリとした緊張感に包まれる。



「たしかにこれは人間の域ってのを超えてるわ・・。」


「いくぞ魔人。」


「できれば来てほしくないんだが・・。」


「“土の針(アースニードル)”!!」



ヴァーサスは剣を地面に突き刺す。

刺した一帯の地面がごく太い尖った形状のした針に何本も変化して全て信次に向かってもの凄い速さで伸びる。


信次は闇魔法剣(ダークソード)を出して伸びて飛んでくる針を次々に切り刻む。

ヴァーサスは信次が針に対処している間に飛び上がる。



「!!」


「“稲妻の聖剣(ライトニングセイバー)”!!」



ヴァーサスの剣が雷を纏う。

そして信次を斬りにかかる。

信次は闇魔法剣(ダークソード)で応戦。

山に轟音が鳴り響く。



「・・・・ぐ、ぐはッ!!」



膝をついて崩れたのは・・・信次だった。

闇魔法剣(ダークソード)ごと片腕を斬り落とされた。



重い・・・!

こいつの一撃がもの凄く重い!

俺の魔法剣ごとぶった切るなんて・・・。



「終わりだ魔人!」


「・・終わるかよ!」



そう言った途端、高速再生によって片腕は修復。

再生に対しての魔力コントロールを覚えたことにより再生速度は以前にも増して格段に早い。



「なにッ!?」



信次は修復した腕で魔力弾を放つ。

ヴァーサスは腕が瞬時に修復したことに驚き一瞬反応が遅れる。

そして被弾。



「・・・この至近距離で防御するのかよ。」



ヴァーサスは片腕で魔力弾を防いでいた。

しかし、鎧の腕部分は魔力弾によって破壊。

破片が下にボロボロ落ちていた。


ヴァーサスは一旦信次との距離を置く。



「・・ただの魔力弾でこのオリハルコン製の鎧を砕くとは。そしてその再生能力、私自身魔人と相対するのは初めてだが・・・私の予想よりも大分上だったようだ。」


「俺は急ぎの用があるんでもういいか?」


「・・何を言う。戦いはこれからだ。」



ヴァーサスが笑みを浮かべると信次の頭上から氷の塊が降って来る。



「ッ!?」



信次は咄嗟に躱す。



「オラァァァァッ!!!」



すると横からモーガンが突っ込んで来て斧を振りかざす。



「こいつらッ!?」



信次が避けようとすると急に動きが鈍くなる。



「!?」



モーガンの後ろにはフリージアがいた。

フリージアが放つ“速度低下(スロウ)”の魔法により信次の動きを遅くする。



「このッ!!」



信次は横に飛んでモーガンの攻撃を躱す・・・・しかし、

信次の視界にベルサルクが映る。

ベルサルクは信次に的を絞って弓を引く。



「“回転(スピン)”。」



ベルサルクは矢に魔法を付与。

そして付与したと同時に矢を放つ。

放たれた矢は回転。

矢はピストルの弾丸のように回転し速度を上げ、信次の体目掛けて飛んでいく。

そして腹の真ん中に命中。



「ぐッ!!」



矢で射貫かれた信次は矢を抜こうとするがその隙をついてヴァーサスとモーガンが迫る。

ヴァーサスは剣を、モーガンは斧を同時に振り抜く。

激しい轟音が響く。

一帯の木々は倒れ、地面には大きな凹みができた。



「!?」



だが、2人の剣の矛先に信次の姿は無かった。



「痛てて・・。再生できるけど痛覚あるんだからやめてくれよ。」


「!!」



信次はヴァーサスとモーガンのさらに前に移動していた。

そして腹に刺さった矢を抜いて貫かれた箇所は再生。



「やってくれるじゃねえか。あの状態で躱すったあ、やはり只者じゃねえな。」


「あいつは魔人だ。」


「マジかッ!?」




遠距離から魔法攻撃してからのあのごつい男の仕掛け、その仕掛けをサポートする女、そして仕留めそこなったところを弓矢で射貫く。

かなり連携が取れてるな・・・。

急造ではなく、熟練パーティーか。



「おいおい、こんなところで魔人に会えるとはね。」


「モーガン、言わなくてもわかるだろうが油断はするな。」


「んなことわかってるよぉ。」



氷の魔法を使った奴はどこだ?姿が見えない・・。

てか氷の魔法ってあったか?

属性は火・水・風・雷・土・光・闇・無の8属性だったはず。

魔物でも氷を使うやついなかったけどな。

氷魔法ってまさか固有魔法か?



「ヴァーサス、一気に畳み掛けるか?」


「・・・・そうだな。奴には再生能力がある。長期戦にはしたくない。」


「よっしゃッ!!魔人を倒したらマジで英雄だな。」



前衛は勇者とごつい男の2人、後衛は弓の男と支援魔法を使う女、そして姿は見えないが魔法使いの女か・・・。

勇者は当たり前だが他の奴らも相当手練れだ。

どうするか・・・。

こうしている間にも隻眼と王子はガルドニア帝国に向かってるはず・・。



「ふう・・・、しょうがないか。」


「?」



信次は扉を開放。体は黒く変化し黒い霧を纏う。



「!!?」


「な、なんだありゃ・・・。魔力が爆発的に上がったぞッ!?」


「なんて魔力なの・・・そしてとてつもない重圧(プレッシャー)・・。」


「これが魔人の本当の力か。」


「悪いけど本当に急いでるからさ、終わりにするぞ。」



信次はそう言うと一瞬にしてその場から消える。



「!?」



たった一瞬で後方にいるフリージアまで移動。



厄介なのは後衛にいる奴ら。

まずはそこから叩く。



「なッ!?一瞬であそこまで!?やべえッ!!フリージアが!!」



モーガンは信次の移動速度についていけなかった。

信次の拳がフリージアを襲う。

だが、



「!!」



間一髪のところでヴァーサスが信次の拳を剣で受け止める。

ただ1人、ヴァーサスだけが信次の移動に反応できた。



「ナザレッ!!」



ヴァーサスが声を発すると信次の周り四方八方から氷の刃が次々に飛んでくる。

ヴァーサスはフリージアを抱えてその場から回避。


だが、飛んでくる氷の刃は信次の纏う黒い霧によって消滅。



「ええッウソぉ!?」



自身の魔法が全く効かないことに驚くナザレ。



・・見つけた。魔力反応あり。

けど、大分後ろにいるな。あんな離れてるのにどうやって正確に魔法を打ち込める?


信次は姿が見えないナザレを確認するため魔力が出ている場所源を特定した。

そしてすぐさまナザレの方角へ移動する信次。



「あっちはナザレの方だ!!場所気付かれた!!」


「“速度向上(スピーダー)”、“速度向上(スピーダー)”、“速度向上(スピーダー)”。」



ヴァーサスは“速度向上(スピーダー)”を一気に重ね掛け。

信次を追う。



「・・・・“稲妻(ライトニング)”!」



ヴァーサスの指先から稲妻が放たれる。

信次は後ろは振り向かずに稲妻を素手で弾く。



「なにッ!?・・・・ナザレッ!!魔人の足を止めろッ!!」



ナザレが魔法を発動。

信次が走る一帯が氷漬けになる。

そして信次の足元も凍る。

さらに信次を氷の壁で閉じ込めた。



「!?」


「“稲妻の聖剣(ライトニングセイバー)”!!」



剣が雷が纏う。

そして氷ごと斬り裂く。

激しい衝撃と爆風で辺りが吹き飛ぶ。



「・・・・なんだとッ!?」



信次はヴァーサスの剣を受け止める。

しかし信次がいる地面は剣の衝撃によって深く凹んでいた。



「たく、とんでもない威力だな。開放状態でも強化しなきゃまた腕持っていかれてたところだ。」



信次の腕は黒い霧で厚く覆われており、まるで腕が巨大化したようだった。



「化け物め・・。」


「そりゃお互い様だろ。」



ヴァーサスはこの戦いで初めて冷や汗を垂らす。

信次という魔人の存在がいかに危険であるかを改めて痛感した。



信次がヴァーサスの剣を受け止めている間にモーガンたちが走って追いかけてくる。



「お前たち!陣形を一度整える!フリージア!!」


「わかったわ!」



フリージアが魔法を発動。

辺り一帯が霧で覆われる。

ヴァーサスは後方へ移動。

ヴァーサスが下がったことを確認し、ナザレが魔法を発動する。



「・・・!!」



次の瞬間、霧が氷の粒に変化。

そして全ての氷が信次に向かって飛んでいく。


信次は自身に纏っている黒い霧で体全体を覆う。

飛んでくる氷は信次に当たる手前で黒い霧に触れ、瞬間的に消える。



「なんだあれぇ!!なんで消えちまう!?」


「あの体を覆っている黒いのはおそらく高密度の魔力だ。あれと同等の魔力で無いと打ち消されるようだな・・。」


「とんでもねえなッ!!」


「物理攻撃ならイケるんじゃない?僕が撃ちぬく!」



弓使いのベルサルクが前に出る。

そして目一杯弓を引く。



「“硬化(ハード)”、“回転(スピン)”。」



ベルサルクは矢に魔法を付与。

そして信次目掛けて矢を放つ。


強化された矢は真っすぐ飛んでいく。

だが信次は矢を難無く躱し、ヴァーサスたちの方へ突っ込む。



「モーガン!盾をッ!」


「あいよッ!!」



モーガンは背負っていた盾をヴァーサスに渡す。

そしてヴァーサスは盾を構える。



「はああぁぁぁッ!!!」



ヴァーサスは盾を構えた状態で猛スピードで信次に突っ込む。



「!!」



ガンッッと鈍い音が鳴る。

両者とも突っ込み、信次は盾に思い切りぶつかり衝撃で体がのけぞる。



「くッ!!」


「今だッ!!」


「いくぜオラァァ!!フリージア頼むぜェ!!」



モーガンが信次の横へ走りこんでくる。



「“攻撃向上(フォワード)”、“攻撃向上(フォワード)”、“攻撃向上(フォワード)”。」



フリージアがモーガンに攻撃向上の魔法を連続付与。



「喰らいやがれェェェェッ!!!」



力一杯斧を振り抜く。

・・・・だが、信次は斧を両手で受け止めた。




「このォォォッ!!」


「うぐぐぐ・・・なんて馬鹿力だよ・・・。」



両手が塞がった信次にヴァーサスたちが畳み掛ける。



ナザレが氷柱の魔法を発動。

氷柱が何本も信次に落ちる。



「ぐッ!!」



続いてベルサルクが一気に5本の矢を放つ。

全ての矢に強化魔法が付与されており、5本全て信次に見事命中した。



「がはッ!!」



そしてヴァーサスは剣に魔力を溜める。



「!!」


「喰らえ魔人ッ!!“稲妻の聖剣(ライトニングセイバー)”!!」



本日3度目のヴァーサス渾身の必殺剣を放つ。

信次は咄嗟に腕を強化し、腕をクロスしてガード。

だが、あまりの威力に信次は後方へ吹っ飛ばされてしまう。

木々をどんどんなぎ倒し、飛ばされた先は崖。

信次は崖から落ちた。



崖の下には森林。

バキバキと木々を折る音を立てて地面に落下。



「痛ててて・・・クソッ。」



どんだけ吹っ飛ばすんだアイツ・・。



信次はゆっくり体を起こす。

すると、



「・・・・なんだッ!?」


「!?」



信次は声がした方を振り向く。



「!!」



信次が見たのは・・・落下した先、そこにはグロウたちが居た。


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