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第27話「お使い」

新章突入!第27話です!

拙い文章ですがよろしくお願いします(-ω-)/

大会後、各部隊はそれぞれの任務地へ向かい、城はいつも通りの静けさに戻る。

信次たちは長旅の疲れと武闘大会での疲れをとる為城に残って休むことにした。



そして武闘大会が終わって2週間・・・。

信次は魔王サタンに呼ばれ魔王の間にいた。



「・・・で?何の用?」


「そんな顔するなよ~♪私と信次の仲だろ~♪」


「・・・前から言ってるけど急に現れて呼ぶなよ。」



信次が部屋でゆっくりしていると突然ベティスが目の前に現れて呼び出されたのである。



「・・ちょっとお使いを頼みたくてね♪」


「お使い?」


「手が空いているのが君くらいでね。」


「手が空いてるって・・・他にもいるだろ。」


「人間のところに潜りこむなら君が一番適任だからね。」


「・・どこかの街に行くのか?」


「場所はパルメダ王国。」


「・・内容は?」


「・・・最高位魔法が記されている魔法書の奪還。」


「ッ!?・・最高位魔法!?」


「ああ。以前にうちの部隊が手に入れてね。城へ持って帰る途中に奪われてしまったのだよ。」


「奪われた!?奪ったのがパルメダ王国の人間ってことか?」


「それは分からない。パルメダ王国の国境付近で起きたことだからあくまで推測。」


「・・魔法書の在りかを見つけて奪い返すのが任務か。」


「そういうこと♪最高位魔法が記されている魔法書が人間に渡ると厄介だからね。」


「でももう遅いんじゃないか?もう読まれてるだろ。」


「いいや、それはない。」


「なぜ?」


「最高位魔法が記されている魔法書は1つ1つに特殊な鍵が掛かっててその鍵が無いと開けて読むことができないんだよ。さらに強力な保護魔法が施されてるんだ。だから無理に開けることもできないし燃やすこともできない。」


「なるほど・・。じゃあ鍵は無事なんだな?」


「いや、鍵は手に入れてない。」


「鍵と魔法書はセットじゃないのか?」


「魔法書も鍵も別々で世界各地に散りばめられているんだ。勿論偽物も多い。」


「じゃあ今回奪われた魔法書が偽物ってことも・・。」


「可能性はあるね。だけど本物の可能性もある。だから奪還してほしいのさ。」


「てか、もうそれはお使いってレベルじゃないな・・。でも、最高位魔法ってことなら話は別だ。俺も探してたし。・・場所は後でユリウスに聞くとして、メルとプリネラは・・。」


「メルとプリネラは城にはいないよ♪」


「・・・・・はぁ?」


「3日前にそれぞれ別の任務を言い渡してもう既に城を出たよ。」


「え・・・?」


「メルは里帰り、プリネラは短期間だけど第11部隊へ修行しに参加させた♪」



どうりでこの3日間静かだと思った・・・。

それまでは訓練しようやら遊ぼうやらうるさかったからな・・。



「ということでパルメダ王国へは信次1人で行ってね♪・・あ!そうそう、パルメダ王国の王都には協力者がいるから尋ねるといい。信次も知っている顔だと思うよ♪」


「協力者?誰だ?」


「行けばわかるよ♪」


「・・・まあいいか。わかった。」



信次は魔王の間を出てユリウスを探す。

だが探しても全然見つからないので一旦部屋に戻って通信魔具を使用しユリウスに繋ぐ。

電話にでたユリウスに内容を説明し一度部屋へ来てもらう。

そしてパルメダ王国の場所と行き方をレクチャーしてもらい、すぐ準備して翼竜を呼んで城を出た。



「そういや1人で出掛けるって久しぶりだな・・・。」



翼竜に掴まりながら1人で呟く信次なのであった。



パルメダ王国はエルザート王国の東に位置する国。

国土面積は広く、自然豊かな国で海に沿っているため貿易が盛んらしい。

この世界に来て新鮮な海産物を食べたことが無いから少し楽しみだ。


-------

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---------------------


まずエルザート王国へは国境付近で翼竜から降りて影潜伏(シャドーダイブ)で衛兵が多く見張っている高い壁を抜ける。

信次は壁を抜けて馬を借りようと思ったが・・・以前王都での一件があったせいであちこちに信次の似顔絵が描かれた手配書が貼られていた。

手配書の似顔絵はあまり似ていないが、信次は念のため咄嗟にフードを被る。



手配書・・・。

まあ、前に激しくやっちゃったし顔も見られてたからな・・・。

エルザートは早く抜けた方がいいな。

でも移動手段どうするか・・。

また影潜伏(シャドーダイブ)で馬車に潜るか?

いや、でもそれだと時間掛かるんだよな・・。

・・・あれしか無いか。


信次は考え抜いた末、1つの方法を試すことにした。


・・そして馬を借りに行く。



「馬を一頭借りたい。」


「?・・兄ちゃん、何でお面つけてんだ?」


「・・・これは・・ちょっと事情があって。とりあえず馬一頭頼む。」


「それ見てみろよ。前に王都で暴れた魔人がいてよ。その魔人の手配書が出回ってるのさ。だから無いとは思うが念のためお面外して顔の確認させてもらってもいいかい?」


「・・・・・わかった。」



信次はお面をゆっくり外す。



「!!?」



馬貸しの主人は信次の顔を見て驚く。



「あ・・・あんた・・・・なんて傷だい・・。」



信次の顔は無数の夥しい斬り傷で覆われていた。



「この顔を晒すのは好きじゃないんだ。だから面をつけている。」


「兄ちゃん今まで相当な戦いをしてきたんだな・・。それはすまなかった!どこまで行くんだい?」



信次は再度お面をつける。



「パルメダ王国。」


「随分遠くまで行くんだな。料金はパルメダ王国国境付近までなら3万ソーロだ。」



信次は主人にお金を渡す。



「馬は国境付近にある馬貸し場に返しておいてくれな。」


「わかった。」


「じゃ道中気をつけてな~。」



信次は馬に乗り出発する。



「・・・ふう。」



信次はお面を外すと先程まであった無数の傷が消えていた。

馬を借りに行く前、わざと顔を傷つけていたのだ。

普段なら高速再生によって瞬時に治るが、あえて再生速度をコントロールして傷跡を残した。



「再生するけど痛みがあるからやりたくないんだよな・・。メルの有難さが身に染みる・・。」



馬を走らせて半日。

手配書が出回っている街へ行くよりは野営の方が安全という事もあり野宿。

大食漢のメルが居ない分、必要最低限の食料を持ってきていた。


それから先も街へはよ寄らずひたすら野宿。

本来、王都ラフィリムを経由した方が真っすぐで近いのだが、迂回することにした。


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そしてミッドガルドを出て2週間。

ようやくパルメダ王国国境まで辿りつく。


関所があるため影潜伏(シャドーダイブ)で潜入。

ついにパルメダ王国の地に入ることができた。



「さてと・・・どこへ向かえばいいんだっけ?たしか・・・パルメダ王国の王都だったな。」



信次はサタンからパルメダ王国の王都には協力者が居るから情報を聞くとよいと言われていた。


周りを確認したところエルザートみたく信次の手配書は無い。



「国が違うから手配書は出回ってないのか。じゃあお面は要らないな。」



信次はお面を外し、地図を広げて王都までの道のりを確認する。



「ここから王都までは距離的に・・・馬で2日程か。」



信次は馬貸し場へ向かい、馬を借りる。



「旅の方、あんた良い時に来たね。」


「?」


「丁度3日後に王都で祭が行われるんだよ。ぜひ楽しんでくるといいよ。」


「・・・そうか。」



信次は馬を走らせる。


--------

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そして2日後、信次はパルメダ王国王都“アンタリーゼ”に到着する。

王都アンタリーゼはエルザート王国王都ラフィリムより広く、多くの人間で溢れかえっていた。



「協力者がいるって言ってたけど何処にいるんだ・・?」



信次はサタンから協力者と待ち合わせする場所等は聞いておらず、路頭に迷っていた。

王都は明日から祭ということもあり、街中に祭の装飾が施されている。

その時、



「"えー、これよりパルメダ王国・国王様から明日開催される祭に関しての演説が始まります。皆様は城前広場にお集まりください。"」



アナウンスが街中に響き渡り、ぞろぞろと皆が城前に集まる。

信次は人の波に飲み込まれて自然と城前まで来てしまう。



最初の頃と比べたら人間が傍にいても苦になることは慣れたが・・・。

さすがにこんなに人間が居いると・・気持ち悪くなる・・・。


信次は人混みに揉みくちゃにされながら城を見上げる。

すると、城から誰かが出てきた。

一斉に歓声が沸き起こる。



「国王様ーー!!」


「キャーーーッ!イカルガ王子ーーーー!!」



いかにもって服装で民衆の前に出てきたのがこの国の王族か・・。


出てきたのは国王と王子、そしてもう一人女性が出てくる。



「・・・・ん?・・・アイツどこかで・・・。」


(パルメダ王国の王都には協力者がいるから尋ねるといい。信次も知っている顔だと思うよ・・)



サタンの言葉を思い出す。

そして信次は女性の顔を思い出す。



「あっ!!あの顔・・・・たしか・・・・カナリア。」



カナリアは信次と同じ魔王候補者の一人である。



「な、なんでアイツがここに・・・!?」


「キャーーーッ!!」


「カナリア王女ーーーーー!!」


「お、王女ッ!?」



民衆に笑顔で手を振るカナリア。

人間を憎む存在の魔人とは思えない立ち振る舞い。



「どういうことだ?アイツが王女!?」



民衆が集まる城前の広場から城までは距離があるが、カナリアは信次を見つけて見つめる。



「!!」


「((夜になったら連絡する。夜9時にもう一度城前広場に来なさい。))」



頭の中に声が流れてくる。



「なんだこれ・・テレパシー!?」


「皆様!静粛に!これより我がパルメダ王国・国王であられるミサーゴ様よりお言葉がある!心して聞くように!!」



信次は群衆から抜け出すことに成功。



「魔人が王女・・・。」



信次は魔人であるカナリアが一国の王女という事実に驚きを隠せずにいた・・。

そして信次は王様の話なんて興味が無い為、カナリアが言っていた夜9時まで宿屋で休む事にする。



そして夜9時。

カナリアに言われた通り城前広場へやって来た。

昼間とは違い、静かな場所。

城前広場の先は城へ繋がる道があり、勿論門は閉ざしており、衛兵が見張り番として立っている。



「((こっちへ来て。))」



またテレパシーによって頭に声が流れてくる。



「こっちってどっちだ?」


「((城の方を向いて左よ。城壁に沿って歩いて。))」



言われた通り城壁に沿って歩く。

暫く歩いていると・・



「((そこで止まって。))」



言われた通りに止まる。



「((壁に触れてみて。))」



また言われた通りに壁に触れると・・・スルッと城壁の内側にすり抜けた。



「おわっ!」


「((夜は衛兵が多く巡回してるから静かにしなさい。))」


「急にすり抜けたからビックリしたんだよ・・。で?どこに向かえばいいんだ?」


「((こっちよ。))」


「だからこっちってどっちだよ。」



その後もカナリアの指示通りに進む。

王族しか知らないとされる隠し通路を抜けると・・・急に周りが明るくなる。



「よく来たわね。」



抜けた先、そこはカナリアの部屋であった。


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