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第26話「信次 VS キド」

第26話になります!

拙い文章ですがよろしくお願いします(^◇^)

メル対キドの試合はキドの勝利で終わった。

しかし信次の乱入によって勝負がついてしまった事で、キドは不完全燃焼。

キドの昂る気持ちは収まらず、信次に鎮めくれるのかと質問したところ信次は勝負を承諾。

そして信次 対 キドの特別試合が組まれることとなった。



「"さぁ!さぁ!私も興奮して参りました!!魔族の頂点に君臨する魔人!その魔人のお一人であられる加藤信次様が・・・第5部隊隊長キドと特別試合を行いますっ!!"」



会場は大盛り上がり。



「こういう雰囲気慣れてないからあまり得意じゃないんだよな・・。」



実際舞台に立ち会場全体を見渡し、会場の雰囲気に圧倒される信次。



「あわわわ、なんでこうなってしまったのですか??」



バリアードが慌てる。



「まーまー、いいじゃない♪楽しみだね〜♪」


「魔王様!」


「信次がこれまでの旅でどのくらい成長したのか確認してみたいしね〜♪」



会場が熱気に包まれる。



「"えー、加藤信次様。舞台はどう致しましょうか?大分壊れてしまって狭くなっておりますが・・。"」


「あー、別にいいよこのままで。お前もいいだろ?」


「ええ、勿論です!さあ!早く始めましょう!!」


「"それでは!一体どのような展開になるのか!!特別試合、加藤信次様 対 キドの試合・・・スタァァァト!!!"」



開始の銅鑼が鳴る。



「行きますよォォォ!!!」



キドが全力で信次に向かっていく。


こいつ、本当に最初会った時とキャラが変わってるな・・。

まぁ、リムドとの修行の成果がどの位なのか試す良い機会だ。


キドの強烈な蹴りが炸裂。

しかし、信次は片手で受け止める。



「!?」



続けざまにキドの蹴りの連続攻撃。

だが信次は全て躱す。

そして足払いし、キドの態勢を崩してからの正拳突き。



「がはっっ!!」



キドは後ろに後退。

足がガクガク震える。



「がはっ!ぐはっ!・・・す、素晴らしい。ただの突きでこの威力・・。だが!まだぁぁぁ!!」



再度キドは信次に迫る。

メルとの戦いで見せた残像が残るほどの高速移動。

だが、信次は一瞬でその場から消える。



「なに!?」



そしてキドの後ろをとってエルボーを食らわす。

キドは勢いよく舞台に叩きつけられる。



「がっ!!」


「バカなっ!!キドの速さを上回るのか!?」



バジェラが驚愕する。



「加藤信次様・・・凄い。」



バリアードも信次の動きに驚く。



「(この長旅でかなり成長してるね。しかも魔力は殆ど使用していない。根本的な基礎能力が以前と比べて格段に上がってる。・・・竜人との修行の成果かな?相当濃密な修行をしたと見えるね♪)」



サタンは以前とは比べ物にならない成長している信次を見てニヤけが止まらない。



「俺も気が立ってるからあんま手加減は出来ないって言ったよな?・・てかお前、なんで蹴りしかしない?メルとの戦いでもそうだったが。」


「・・・・。」


「お前、発散したいんだろ?だったら全力で来いよ。」


「そうですね・・わかりました。手を使いましょう。ここからは私の全力です。」


「キドが手を使うぞっ!!荒れるぜっ!!」



キドが普段の直立の構えとは違い、手を前に出して構えをとる。



「普段私は魔法は使わないのです。全て己の身体能力のみで勝てるので。」



段々とキドの魔力が膨れ上がり、同時に重圧(プレッシャー)も跳ね上がる。



凄い魔力だ・・。

前に戦ったベヒモスよりも上・・。



「“闇の鎌(ダークシックル)”!!」


「!!」



キドの手から放たれたのは闇属性魔法。

そして地面をえぐって飛ぶ斬撃。

信次は咄嗟に躱す。


躱した斬撃は観客席に向かって飛んでいき観客席が切り裂かれた。

斬撃の方向にいた観客は直撃前に咄嗟に魔王サタンが救出。



「あれ!?魔王様が居ない!?」



一瞬で移動したサタンの速さに驚くバリアード。



「おいおい・・・。」



こいつ、属性闇かよ・・。

しかも闇の鎌(ダークシックル)ってたしか低位の近接戦闘用で飛ばす魔法じゃないはずだが・・。


信次はキドの攻撃を躱したが、少しかすってしまった。

かすった部分は高速再生。



「それが魔人様が持つ高速再生ですか・・。いいですね・・だったら遠慮なくやれそうです!」



こいつ、見境なしにぶっ放すつもりか!?



「サタァァーーーン!!」



信次がサタンに呼びかける。



「わかってるよ〜。みんな頼むよ〜。」


「はっ!!」



舞台袖に待機してる複数の魔物によって観客席全体に透明の防御魔法が何重にも展開される。



「これである程度は防げるよ♪」


「・・よし。」


「行きますヨォォ!!“闇の鎌(ダークシックル)”!!」



キドは闇の鎌(ダークシックル)を連発で放つ。

信次はそれを全て躱す。

その隙にキドは上に飛び上がる。



「“闇巨人の拳(ヒガンテナックル)”!!」



キドの腕が大きな巨人の腕に変化し信次を叩き潰す。

信次はそれを両腕で防ぐ。

その威力で舞台に凹みが出来た。



「“闇竜の鉤爪(ドラゴンネイル)!!”」



信次も使用する魔法をキドは放つ。

闇の鎌(ダークシックル)と同じ様に爪を飛ばす。



「ちっ!」



信次は後方へ回避。

だが、キドは間合いを詰めて蹴りを食らわす。



「くっ!」



信次は攻撃を受けたがすぐ態勢を立て直す。


こいつの魔法は全部近接用。

しかも近接用を飛ばすとか俺は今まで考えもしなかったな。

近接用って固定概念にとらわれすぎか・・。

使い様によっては中距離でもイケる・・勉強なるな。



「魔人様・・何故魔法を使用しないのですか?私は全力の貴方様と戦ってみたいのです!」


「・・・わかった。」


「私も今持てる全力で貴方様を迎え撃ちますっ!!」



キドの魔力と重圧(プレッシャー)がさらに跳ね上がる。



「やべぇな・・・。キドのやつ今までで見せたこと無い力出してやがる。」



バジェラが苦笑いを浮かべる。



「信次様・・・。」



プリネラは信次の勝利を祈る。



「・・・一応、お前はメルの兄貴だから殺さないようにセーブする。」


「なんですかそれは!?まるで私と貴方様では力の差があると言っているように聞こえますが!?」


「その通りだ。」


「!!?」



信次はゆっくり扉を解放。

肌は黒く変化し、黒い霧が信次を纏う。

圧倒的な魔力と重圧(プレッシャー)

会場にいる者全員が圧倒された。



「あ・・・あ・・。」



キドも驚愕の表情を見せる。

明らかに自分より格上という事実を突きつけられた。



「ば、化け物かよ・・。なんだ・・あの魔力!?」



バジェラから汗が止まらない。



「お、おお〜♪・・扉の解放を習得したんだね♪」



以前までコントロール出来なかった扉の解放をしっかりコントロールしている信次を見て感動するサタン。



「これが・・・魔人・・。」


「いくぞ。」



信次は人差し指をキドに向ける。

その瞬間指先から魔法の弾丸(マジックバレット)が放たれた。



「が・・はっ!」



目にも止まらぬ速度でキドの腹部を弾丸が貫く。



「クソォォッ!!」



腹部を貫かれたがキドは信次に向かっていく。

信次は高速移動で一瞬にしてキドの後ろに回る。



「!!」


「兄貴だったらたまにでもいい・・兄貴らしい事・・してやれ馬鹿野郎っ!!」



信次は拳を振り抜いてキドを舞台に叩きつける。

強烈な一撃によってキドは舞台にめり込み、気絶して意識を失った。



「"キ、キド戦闘不能により・・しょ、勝者・・・加藤信次様ァァァァ!!!"」



会場は大歓声。



信次は解放状態を解除。



「あ・・・やり過ぎたか?」


「す、素晴らしい・・・。」


「お主・・。」



信次の強さに感動して泣いて拍手するバリアード。

そのバリアードを見て少し呆れるユリウス。



「誰か回復してやってくれ。この後こいつ準々決勝に出るからさ。」


「は、はいっ!!」



救護班がキドを運ぶ。

信次は舞台を降りて会場の通路に出る。

そこにプリネラが駆け寄って来て信次に抱きつく。



「さすが信次様ぁ!!凄いわぁ!!」


「おい・・・。」


「さすが私の主人様!」


「くっつくな!」


「なによ〜、嬉しいくせに〜♪」



信次はプリネラにチョップをかます。



「でも、メルを助けてくれて本当にありがとう。信次様が来てくれなかったら・・。」


「メルもお前も俺の大事な仲間だ。危険と判断すれば必ず助けるさ。」


「本当カッコよかったわ♪」



プリネラはさりげなく腕を組む。

信次は自然に組んだ腕を解いた。



「まっ、加藤信次組は2人共敗退したけど・・俺の想像以上だった。俺は誇りに思うぞ。」


「め、面と向かって言われるとなんか・・恥ずかしいわ。」


「これからどうする?試合はまだ続くが見るのか?」


「うん!まだ見たい!私が今よりも強くなる為に試合見て勉強しなきゃ!」


「そうか。」


「信次様、一緒に見ようよ!ねっ!」


「・・そうだな。見るか。」


「メルも一緒に見るのですぅ!!」


「うおっ!メル!?」



突如メルが飛び出して来た。



「お前、体は大丈夫なのか?」


「一通りの回復はしてもらったので大丈夫なのですぅ!」


「そうか・・頑張ったな。」



メルの頭を優しく撫でる。



「へへへ。残りの試合も一緒に見るのですぅ!」



メルは信次の手を握り歩いていく。



「ちょっと!なんでメルが手を握るのは良くて私は抱きついちゃダメなのよぉ!」


「・・ん〜、なんかメルは妹みたいだから?」


「なによそれー!」



3人は観客席に移動して座る。



「加藤信次様っ!!」



信次が席に座ると他の観客の魔物たちから声をかけられた。



「す、凄かったです!!俺たちはこの人の下にいるんだなぁと思ったら感動しました!!」


「あ、ああ・・。」


「いやー!メルちゃんもプリネラちゃんも凄い試合だったね!!手に汗握っちゃったよ!!」


「凄かったわー!これからもっと強くなるから魔王軍期待の星ね!!」


「あ、ありがとう。」


「ありがとうなのですぅ!!」


「きゃー!カワイイー!!」



急に声をかけられたものだから信次とプリネラは動揺した。

その中で動揺せずに観客と溶け込んでいるメルを見て純粋に凄いと思った2人なのであった。


———

——————

—————————


その後も2回戦が続き、準々決勝、準決勝と大会は進んでいく。

そしてついに決勝戦。



「"さあ!ついに残すはあと1試合!!・・決勝戦ですっ!!ここまで勝ち残ってきたのは2回戦勝利後、魔人加藤信次様と対決した第5部隊隊長キド!!そして、圧倒的な魔法で他を寄せ付けなかった第11部隊隊長マルバス!!"」



キドは相手が同じ隊長でも準々決勝、準決勝は魔法は使わずに勝利。力を見せつけた。

マルバスも圧倒的な魔法で寄せ付けず勝ち進んで来た。



「"果たしてどちらが優勝に輝くのか!?非常に名残惜しいですがこの一戦で第1回魔王軍武闘大会の覇者が決まるゥゥゥゥ!!それでは行きましょう!キド 対 マルバス、決勝戦・・スタァァァァァァァァト!!!"」



開始の銅鑼が鳴る。



———

——————

—————————



「"・・・・優勝は・・・・・第11部隊隊長、マルバァァァァァス!!!"」



会場は今日一番の大歓声。



「どうもどうも~♪」



マルバスは会場全体に手を振る。


決勝戦は魔法を使わないキドに対して4属性扱えるマルバスが多種多様な魔法を駆使。

キドを自身に近づけることの無い見事な立ち回りを見せた。

最終的にマルバスの電光石火の如く雷魔法でキドを打ち抜いて場外へたたき出して決着がつく。



「"見事優勝したマルバスには、魔王様から賞品が授与されます!!・・では魔王様どうぞ。"」



サタンが舞台に降りてくる。

舞台にいたマルバスとキドは片膝を落として頭を下げる。



「頭を上げな。・・・マルバス、優勝おめでとう!素晴らしい戦いだったよ!優勝賞品は・・・・これだ。」



サタンは何かの箱をマルバスに渡す。



「これは・・?」


「それは魔力回復のポーションだ。・・でも、ただのポーションじゃない。うちの開発部の者が研究を重ねて作り上げた自慢の一品だよ。魔族に合ったポーションで飲みやすく、通常人族で市販されているポーションの効果の約2倍!・・・魔法を駆使する君たち第11部隊にはピッタリだろう?」


「あ、ありがとうございます!!」


「・・・まだ終わりじゃないよ?これは副賞。本命は・・・これ。」



サタンはマルバスの手に指輪をはめる。



「これは魔力吸収の指輪。この指輪が触れた相手から魔力を吸収できる。これも開発部自慢の一品だ。」


「ありがとうございます!!」


「"優勝したマルバスには部隊への副賞と個人への賞品が授与されました!"」


「キド。」


「はっ!」


「君にも賞品があるよ。」


「ま、敗北した私に・・ですか?」


「ああ♪君も凄く言い戦いだった。これからも今以上に励んでほしい。だからこれを。」



サタンはキドにブーツを渡す。



「これは?」


「これは蹴り技がメインである君にピッタリのブーツだ。素材はなんとドラゴンの繊維で作られており、強度も威力も十分。これも開発部自慢の一品だ。」


「・・なんか開発部のお披露目会になってないか?」



観客席で見ている信次が冷静に喋る。



「ありがたき幸せ。」


「ここに居る皆、この2日間の大会、そして大会前の合同訓練お疲れ様。大会や訓練を通じて自分自身の欠点や伸ばすべき長所、部隊として何が必要か等が見えてきた者も多いと思う。なのでこれからはそこを意識して各々、部隊毎で鍛錬を重ねるように精進して欲しい。そして我が軍に勝利を!」


「「はっ!!」」



会場に居る全員が声を揃えて返事をする。



「では本当にお疲れ様!解散!」



大会が終わり、ぞろぞろと会場を後にする魔物たち。

信次たちも会場を出て城へ向かっていた。



「メル。」



信次たちの後ろから声をかけてきたのはバジェラ。



「バジェラ・・・。」


「・・・俺との戦いやキドとの戦いを見て・・もう・・。」


「?」


「・・・もう誰もお前のことは落ちこぼれなんて思ってないからな・・。」


「!」


「・・だが!こ、今回は俺は負けたが、つ、次会った時には俺が必ず勝つ!お、覚えてろよ!」



ツンデレか。

照れくさそうにするバジェラを見て皆クスッと笑う。



「じゃあな!」



後ろ向きに手を振るバジェラを見て笑顔で手を振るメル。



「さあて、帰るか。」


「うん!」


「なのですぅ!」



こうして2日間に及ぶ武闘大会が閉幕した。

メルとプリネラは各々の課題が見つけることができ、また次の段階へ進もうとしていた。

次話から新章に入ります!

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