第25話「兄妹」
第25話になります!
拙い文章ですがよろしくお願いします(*´ω`*)
武闘大会も本戦第1回戦が全て終了した。
2回戦、ベスト16へ進出したのは下記の者たち。
➀【加藤信次組】メル
➁【第5部隊・隊長】キド
③【第14部隊・隊長】ビフロンス
④【第17部隊・隊長】バティン
⑤【第7部隊・隊長】ペネット
⑥【第1部隊隊長】ナキア
⑦【第18部隊・副隊長】ゴルゴン
⑧【第11部隊・副隊長】マルファス
⑨【第8部隊・隊長】ロマリウス
⑩【第13部隊・隊長】ロルアル
⑪【第18部隊】ロア
⑫【第2部隊・隊長】フルー
⑬【第18部隊・隊長】ピエル
⑭【第8部隊・副隊長】ラムルムル
⑮【第11部隊・隊長】マルバス
⑯【第12部隊・隊長】リリン
「2回戦に進んだのはやはり隊長が多いな。」
「順当と言えば順当ですね。」
「1回戦で隊長同士がぶつかった試合は迫力ありましたね!くぅ~!どれも熱い試合でしたね!」
「18部隊は3人も残ってるのか。」
「あの部隊は少数精鋭ですので1人1人の戦闘力は高く、隊長・副隊長でない者でもそれに近い実力はあるとのことでございます。」
信次たちが1回戦の試合を振り返る。
主にテンションが上がっていたのはバリアードのみ。
「"さぁ!白熱の本戦1回戦が全て終了!ここから2回戦の始まりだぁぁぁ!!"」
会場が一気に盛り上がる。
「"本戦2回戦第1試合目は・・・・・・・これまた偶然、いや、必然か!?・・・・加藤信次組メル 対 第5部隊隊長キドーーーーーー!!!"」
メルとキドが舞台に上がる。
「"加藤信次組のメルは1回戦で同族のバジェラを撃破!しかし!2回戦で相対するのは・・またしても同族!しかも・・・オーガ族最強の男!そして・・メルの実の兄であるキド!兄妹対決だぁぁぁ!!"」
「メル。お前がここまで来るとは正直思わなかったぞ。」
「に、兄さま・・。」
「"さぁ!2回戦第1試合目・・・・・スタァァァァァト!!!"」
開始の銅鑼が鳴る。
「・・・バジェラと戦った力、私に見せてみよ。」
メルは拳を握りしめ、構えをとる。
「来い。」
「・・・・。」
「・・・そうか、お前はカウンター型だったな。」
キドは構えを取らずに直立したまま。
そして一瞬にして消える。
「!!」
一瞬にしてメルの間合いに入り込み下段蹴り。
メルはカウンターできずに蹴りを食らってしまう。
「ぐふっ!!」
「・・・・。」
メルはすぐに態勢を整える。
が、しかしまたキドは一瞬で消えてメルの間合いに入り下段蹴り。
「がっ!!」
「・・・・。」
またしてもキドの速すぎる動きについていけずに蹴りを食らってしまう。
「速い!メルの嬢ちゃんが反応できてない!」
「・・・いや、今のメルならあのくらいの速さは十分反応できるはずだ。」
「え?じゃあどうして攻撃を食らってしまうのです?」
バジェラとの一戦で同族への攻撃の恐怖・トラウマは拭えた。
だが、根本的なところがまだ拭えていない。
つまり・・兄への恐怖。
キドはメルにトラウマを植え付けた張本人。
キド自身への恐怖は同族へのトラウマより奥深く、根深いものがあるんだ・・。
それがメルの反応を鈍らせている。
「・・・なんだそれは?」
「!?」
「バジェラと交えた時はそんなものではなかっただろう・・。お前、また私を落胆させるつもりか?」
わかってるけど、体が・・体が思うように動かないのですぅ・・。
兄さまが相手だから?
でも・・・負けられないのですぅ。
「こ、これからなのですぅ!」
「・・そうか。私を二度と落胆させるなよ?」
三度キドは一瞬にしてメルの間合いに入る。
それに対しメルは今回はしっかり反応。
キドの蹴りを躱してカウンター・・・しかし、メルの顎先に既にキドのもう1本の足が迫っていた。
メルは咄嗟に腕を引いて後方に回避。
だが、回避した先にキドが先回り。
大振りの蹴りを食らってしまう。
「あああっ!!」
「立て。」
「・・・うっ。」
「"なんという速さ!!メルが追い付いていけなぁぁぁい!!"」
キドがメルに迫る。そして足を振りかざす。
メルはキドの蹴りを躱し再度カウンター。
「!?」
しかし、タイミング良くカウンターを放つが力が入らない。
「愚妹が・・。」
キドの強烈な蹴りがメルの腹部を直撃。
めきめきと音を立てて思い切りメルを吹っ飛ばす。
「がはっ!ごほっ!・・・う・・。」
やはりメルはキドに対する強いトラウマがある。
それが力をセーブしてしまっている!
バジェラの時みたく戦いの中で克服できればいいが・・・しかし・・・。
「・・・もうよい。私と戦う気が無いのなら去れ。この愚昧め。」
(・・・もうよい。戦わないのならば・・・ここで死ね。恥晒しめ。)
メルの目にトラウマが植え付けられたあの時のキドの姿が重なる。
「あ・・・ああ・・。」
急に怯えだすメル。
「メルの嬢ちゃん!?」
「メル!!」
信次は席を立ち身を乗り出す。
「何をしにお前はここにいる?オーガとしての恥を晒しに来たのか?」
ジリジリとメルとの距離を詰める。
「あ・・あ・・・。」
「消えろ。腹立たしい。」
キドの蹴りがメルの顔に直撃。
メルは勢いよく吹っ飛ばされる。
「う・・・。」
キドは追い打ちをかける。
「がっ!!」
メルは高く蹴り上げられ、舞台に落下。
ダメなのですぅ・・・。力が入らない・・・。
兄さまを前にすると・・怖くて・・・怖くて・・・。
もう・・・兄さまとは戦え・・ない・・。
・・・・・信次・・・様。
「メルーーーーー!!!」
「!!」
信次は会場にいる全員の目を引くような大きな声を上げる。
「し・・・信次・・様。」
「立てっ!!ここでお前自身が逃げちゃダメだっ!!お前が積み上げてきたもの・・・それを俺に見せてくれ!!」
「加藤信次様!?」
信次の突然の大声にバリアードが驚きの表情を見せる。
そうなのですぅ・・。
メルは兄さまが怖い・・・。
でも・・・信次様を不安にさせてしまうこと・・心配させてしまうことが今のメルにとって一番やってはいけないこと・・信次様を失望させてはいけないのですぅ!
信次様・・・ありがとうなのですぅ。
「!」
メルが必死に立ち上がる。
「信次様、見ていてください。メル、頑張るのですぅ!」
「・・・頑張る・・か。今のお前に何ができる?情けない姿を晒して何ができるというのだ?」
「メルは兄さまが怖いのですぅ。でも!信次様にこれ以上情けない姿を見せる訳にはいかないのですぅ!メルはここで兄さまを克服するのですぅ!!」
「私を・・・克服?私が・・・お前の力を妨げる足枷になっているとでもいうのか?」
キドから強烈な重圧がほとばしる。
会場全体が緊張感に包まれた。
「なんという重圧!」
「メルは・・そんなのに負けないのですぅ!!」
「!」
メルの重圧が跳ね上がる。
メルは兄さまが怖い。
でもそれはいつか乗り越えなければならないのですぅ。
だからここで乗り越える!
「お前自身の弱さを私のせいにした罰・・受けてもらうぞ。」
先程より一段と速い速度でメルに迫る。
キドの蹴りがメルにヒット。
しかし、
メルは片腕で蹴りをガード。
「!」
そして残った腕でキド目掛けて振り抜く。
メルも先程とは違い、力の入った拳で殴りつける。
だが・・・
「"おぉぉぉっと!!キドの蹴りに対して完璧にガード!!そこをすかさず反撃するも当たらなぁぁい!!"」
キドはメルの反撃を巧みに躱した。
「(今の一撃、メルの目つき、感じられる闘争心・・魔人様の声掛け1つで大分変わった・・。)」
「くっ!惜しかったのですぅ!」
「惜しかったか・・。そう思っている時点でお前はまだ弱い。」
「やあああ!!」
メルがキドに突っ込み連打を浴びせる。
「お前はカウンター型のはずだ。それなのに突っ込み連打・・・。私の攻撃を誘っているな?」
「!!」
「・・愚策。」
キドが一気にギアを上げる。
超高速移動によりメルの周り上下左右にキドの残像が映し出される。
「あの圧倒的な速さ・・あれがキドの特徴です。」
「しかも強化魔法使用せずにあの速さか。」
カウンターには集中力がいる。
その集中力を削ぐためにあえて攻撃せずに撹乱しているのか。
当たり前だが、やっぱり戦い慣れてるな。
メルはキドを目で追うが追いつかない。
なので目を閉じた。
そして集中力を研ぎ澄ます。
「(目を閉じて集中し、私の魔力の位置を特定しようとしているのか。・・・だが。)」
キドは地面に蹴りをする。
「!!」
キドの蹴りによって舞台が割れ、メルはバランスを崩す。
キドの狙いはバランスを崩すことによって集中を途切れさすこと。
「だから愚策であると言ったはずだ。」
バランスを崩したメルに向かって蹴りを放つ。
「やああっ!!!」
「なに!?」
メルは舞台を思い切り殴りつける。
殴りつけた舞台が割れ、メルの周りの舞台がメルを囲むように盛り上がる。
「壁!?」
キドの蹴りは盛り上がった壁に当たる。
そしてその一瞬をメルは見逃さない。
キドの蹴りが壁を砕いた瞬間、キドの懐に入り込む。
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メルにとって兄さまは最初から怖い存在だった。
物心ついた時から兄さまはメルにオーガ族族長の娘である自覚を持てと厳しく接していた。
兄さまはいつもメルや他の里の人たちとは違う方向を見ているようで怖い雰囲気。
でも兄さまはオーガ族を誇りに思い、里の皆を導く存在になると常日頃から口癖のように言っていたのでメルはそれが凄いと思った。
だから厳しくても兄さまの言いつけを守り、里で鍛錬を続けた。
兄さまの目は周りから怖いと言われていたけど、メルにとっては誇らしく気高くて、そして強さに憧れていた。
でも・・・あの時は違った。
メルが初めての実戦に出た時。
最初兄さまと同じ組になるはずだったのに、いきなり同じ組にはなれないと兄さまに告げられた。
それから討伐の実戦に出て・・メルを守ってくれた人たちが死んだ・・・。
兄さまに無理矢理戦えと言われた時、兄さまの目は怖かった。
体を縛られ、心臓を握られているかのような恐怖が襲い、動けず何もできなかった・・・。
実戦のあとは全く話もしてくれなくなって、目も合わせてくれない。
まるでメルの存在自体を認めたくないような・・そんな感じがひしひしと伝わっていた。
その後は里で居場所が無くなったメルは魔王様と出会って、城の皆と一緒に鍛錬し、そして信次様と出会った。
今強くなろうと思っているのは信次様と一緒に居たいから・・・
だけど、一番最初に強くなりたいと思ったきっかけは・・・
兄さまに認められたいと思ったから。
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キドの懐に入り込み、腕を振りかぶる。
そして腕に強化魔法を付与。
振り抜く速度を上げ、一気に殴りつける。
「やあああああ!!!」
「!!」
メルの拳はキドに顔に命中。
綺麗に決まった。
そしてキドは後方へ飛ばされる。
「"ヒ、ヒットォォォォ!!!この試合初めてメルの攻撃がキドに当たるゥゥゥゥ!!!"」
「あのキドに・・・。」
「一撃食らわしたな。」
信次とバリアードが小さくガッツポーズ。
メルは自分の当てた拳を見つめ、強く握りしめる。
メルのこの一撃は自信へと繋がり、長年の兄への恐怖を克服した。
メルの会心の一撃を食らったキドが中々起き上がろうとしない。
「"これは・・・ま、まさかの戦闘不能かーー!?"」
するとキドはゆっくりと立ち上がる。
キドの顔には殴りつけられた跡と口から血が垂れていた。
指で垂れた血を拭い、拭った血を見つめる。
「・・・くくく。いいぞ・・・。」
突然笑みを浮かべるキド。
その表情は笑みは浮かべているものの、キドの重圧がどんどん膨れ上がる。
禍々しい重圧によって会場が緊張感に包まれる。
「いいぞ・・メル。それだ。・・その力を出すのを私は待っていた。」
「・・!」
「なんか・・ヤバい感じですね。」
「・・なんだ?あいつのあの魔力。」
「それを待っていた!お前には私と同じ血が流れてるからな!お前には私と同等の潜在能力があると分かっていた!・・・私といつか殺り合う存在になって欲しいと願っていた!!」
「!?」
「まだそこまでには至っていないが・・十分楽しめそうだ・・。」
「イかれてるのかあいつは・・。」
信次の頬に汗が垂れる。
「あーあ、キドのやつキレちまったな。・・ありゃ止まんねぇぞ。」
「あの隊長の顔久しぶりに見ましたね。」
「あれが噂の隊長のバーサーク状態ですか?怖〜。」
観客席に座って観戦しているのはバジェラと予選で負けた第5部隊の面々。
「私を楽しませてくれ。妹のメルよ・・・。」
キドの重圧と凄まじい魔力にメルは汗が吹き出す。
メルはゆっくりと歩いて近づいてくるキドに構えをとり、全身に強化魔法を付与し備える。
キドはゆっくりと歩いていたが突如姿を消す。
高速移動でメルの頭上に飛び上がっていた。
「!!」
「はああああ!!」
キドの強烈なかかと落としの一撃で舞台の一角が木っ端微塵。
メルはなんとか間一髪避けていた。
「なっ!!?」
「"なんて威力だぁぁぁぁ!!!たった一撃で舞台を粉砕!!!"」
転がりながら避けたメルは態勢を立て直すも、キドは追撃を始めていた。
先程とは比べ物にならない程の速さ、そして威力の蹴りがメルを襲う。
メルも集中力を研ぎ澄ましてギリギリのところで全て躱す。
だが、あまりにも凄まじい攻撃の連続によりカウンターをする暇が無く、躱すので精一杯。
「ハハハハハ!!どうした!?楽しませてくれ妹よ!!」
「くっ!」
タイミングを見るのですぅ!
兄さまの速度を、攻撃の間隔を感じ取るのですぅ!
キドの蹴りによって大きな舞台が見る見るうちに破壊され、広さが4分の1まで狭くなってしまった。
段々掴んできたのですぅ!
「ここっ!!」
キドの蹴りを躱し、ジャストタイミングでカウンターを放つ。
メルの拳はキドの腹部を強打。
キドは舞台に叩きつけられた。
が、しかし・・・
「イイィィィ!!それだよメル!!」
何事も無かったようにすぐ起き上がる。
「!!」
「もっとだ!!もっとぉぉぉ!!」
すぐさま攻撃に転じるキド。
さらに速度を上げる。
先程の速度にやっと慣れてきたメルにとってこの速度アップは驚異。
ついにキドの蹴りがメルに当たる。
全身に高圧電流が走った感覚がメルを襲う。
凄まじい轟音を響かせメルの体が舞台にめり込む程の威力。
「メルーーーー!!!」
信次が叫ぶ。
「う・・・。」
土煙が舞う中、メルは体を震わせながらも必死で立ち上がろうとする。
「ああ、成長したんだな・・メル。兄としてこんなに嬉しいことは無い・・。」
立ち上がろうとするメルに非情なる追い打ちのかかと落としが炸裂。
「!!!」
轟音とメルの血が飛び散る。
返り血がキドにつき、その血をキドは舐め笑みを浮かべた。
そのキドの恐ろしい姿に会場は恐怖を感じ、静まり返る。
「試合止めろーー!!死んじまうぞぉ!!」
「メルちゃんが死んじゃう!!」
会場から試合を止めるよう声が上がる。
「このままだとメルは殺されるぞ。あーなったキドは誰にも止められねぇ。」
「いや、恐ろしいですね。普段冷静沈着な隊長があんな表情と態度になるなんて・・・。」
同じ部隊の者ですらキドに恐怖を感じていた。
「メル・・・立てよ・・まだ疼きが止まらないんだ。」
「う・・・あ・・・・。」
強烈な攻撃を受けても尚、立ち上がろうとするメル。
「いいね・・・メル。」
またしても立ち上がろうとするメルに蹴りを食らわそうとする。
「もうやめてぇぇぇーーー!!」
観客席から見ていたプリネラが大声で叫ぶ。
キドは蹴りを振り抜きまたしても会場内に轟音が鳴り響く。
しかし・・・
キドの蹴りはメルに届く前に途中で止められていた。
「!!!」
メルの前に立ち塞がり、キドの蹴りを止めたのは・・・信次であった。
「し、信次様!!!」
プリネラは安堵して腰を抜かしてしまった。
「おい・・やり過ぎだ。」
信次がキドを睨みつける。
「な・・に・・・?」
「・・・メル、兄貴の呪縛をよく乗り越えた。」
「し、し・・信次・・様。」
「邪魔を・・しないでくれますか・・?まだ・・終わってない。」
「おいっ!メルは続行不能!もう試合は終わりだっ!!メルの回復を頼むっ!!」
「"し、試合終了ォォォ!!まさかの魔人様乱入、メルの戦闘不能により決着ゥゥゥゥ!!勝者は・・第5部隊隊長キドォォォ!!!"」
「加藤信次様、な、なんて速さ・・・。」
信次は幹部席から舞台まで刹那のごとく移動しメルを救った。
メルは救護班が回復魔法をかけながら急いで救護室へ運ぶ。
「魔人様・・。」
「あ?」
「なんてことしてくれるのですか・・?今、私とメルの勝負に水を差してくれて・・。」
「お前、仮にもメルの兄貴だろ?妹をこんなにしてまで楽しみたいのか?」
「貴方様には関係ないっ!!これは私とメルの兄妹の事だ!!メルは私と殺り合える存在にするために、生まれた時からそうするために私が鍛えたのです!!貴方様が邪魔をしていい理由にはならないっ!!」
「・・・メルをここまで強くしたのはお前じゃない。そしてお前と殺し合いをするためにメルは強くなったんじゃない。勘違いをするな。」
「ぐっっ!!!」
「おいおいおい、魔人様乱入かよ・・バーサーク状態のキドは今気が立ってるぜ。」
「では!今の私のこの、疼いて昂っている気持ちをどうしてくれるのですか!?貴方様が私を鎮めて頂けるとでも!?」
「・・・そうだな。やるか。」
「!!・・・ハハハハ!!それは良い!!魔人様と一戦交えて頂けるとは!!」
「・・・ちょっと気が立ってるから手加減出来ないかもな。」
「ええ!!手加減など不必要でございますっ!!」
ここで信次とキドのエクストラマッチが実現した。
「"え、え・・っと、な、なんと!!ここでキド 対 魔人加藤信次様の特別試合が決まってしまったぁぁぁ!!!"」
「あ・・・・。」
バリアードが口を開いたまま驚いた表情をする。
「くくく、こりゃ見ものだぜ?魔人様の戦いが直に見れる!キドとどっちが強いか!」
バジェラがワクワクしたように見つめる。
「信次がどのくらい成長したのか楽しみだね〜♪」
サタンも楽しそうに眺める。
そして信次とキドの戦いが始まる。




