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~春の嵐がやってきた②~

第8章━2





()()サイトを見つけてから既に10日ほど過ぎていた。

あの日、1番動揺していたのが(こう)君で、逆に私は冷静に思考を巡らせることができた。

ここで全く関係ないが面白いことが判明した。


ゴーシュをことさら意識していた(こう)君。

その(こう)君が私の彼氏(パートナー)として足る人物か、見極めようとしていたゴーシュ。

どちらも大切なので2人に仲良くなって欲しいと思っていたが、私の知らない内に意外な形で男達の友情は築かれていた。


最初は(こう)君のことを頼りなさそうな男としか判断していなかったゴーシュが、仕事をしている姿を見て認識が変わったそうだ。

正に驚愕の瞬間だったと、本人が語っていた。

私もそうだが、パソコン系に疎い。今の時代に小説も手書きで書いているくらいだし…。

私ですらこうなのだ。

ゴーシュに至っては条件反射で拒否反応を示すほど。

そのゴーシュからするとキーボードを巧みに操り、訳の分からぬ記号や文字を打ち込んでゲームを作っている(こう)君は魔法使いのように見えたそうだ(笑)。

(こう)君曰く、本物の魔法使いに言われたら恥ずかしくて堪らなかったそうだが…。


で、(こう)君の方はというと、自分の彼女を命がけで守ってくれる存在とくれば歓迎するしかないだろう。その上、世間一般の男子は勇者という言葉に理屈抜きで憧れを抱く傾向がある。(こう)君も漏れなく同類だった。いつの世もヒーローは男の子の憧れの存在だということだ。


気づけばお互いを認め合った私大好きな2人組が結成されていた。知性(光君)超人(ゴーシュ)がタッグを組めば怖いものなしだろう。計画は着々と進んでいた・・・。





◆◇◆ 第一段階 ◆◇◆


あの日、すぐ行動に移した(こう)君はRyoと龍斗が所属しているライト・エンターテイメントにまず連絡を入れた。

相談があるからと翌日にアポを入れ、私と一緒に社長に会いに行った。

久しぶりに会う神谷社長より、相変わらず隣でテキパキと動く敏腕秘書の中村さんに惚れ惚れした。

顧問弁護士にすぐ連絡を取り会社のHPに、

“悪質な書き込みについての注意とお願い”

という形で遠回しに私のことを載せてもらった。


簡単に説明すると・・・

・いわれのない非難や事実無根の書き込みがされていること。

・両名の食事や体調管理の為に会社から無理を言って依頼していること。

・Ryoの親類の婚約者であって、赤の他人ではなく身内に近い存在であること。

・プライバシーの侵害や名誉毀損などに当たる場合は法的手段を取ること。

・・・などなど。


私は子供達にも連絡をして何か起こってないか確かめた。

息子の亘は男ということもあり特に問題なかったが、娘の亜紀はやはり多少の中傷があったようだ。

若い女の子に人気のある2人だ、嫌がらせなどないか心配したが、亜紀本人はケロッとしたもんで、


「あんなん私が羨ましくてひがんでるだけやん。気にしてないし!それに周りの友達はちっちゃい頃からお母さんのこと知っとるけん、怒らすようなことせんわ(笑)」


とのことだった。

さすが私の娘……、根性あるな、頼もしい!


その後、サイトの管理人へ悪質な書き込みをした該当者のアカウント開示を求める文章を送りつけた。

ついでに私をライト・エンターテイメント所属の嘱託社員として契約してもらい、業務の一貫としてタレントの管理をしている形を取った。

そして私達は第二段階へと進んだ…。





◆◇◆ 第二段階 ◆◇◆


ツアーに出ているRyoには(こう)君から連絡を取ってもらい、ライブ中のMCでそれとなくファンに注意を促してもらった。

龍斗はあの日、写真集の撮影で沖縄に行く前に久しぶりに業界の友人らと飲みに行くと言っていたので、私が連絡したが一向に捕まらなかった。

が、ゴーシュが電話をしたら速攻で出やがってこっちの頼みも素直に聞いてたゎ。アイツめぇ~(怒)!


2人が語った内容とは・・・

・Ryoの大好きな叔父さんと婚約者が自分達のせいで最近ギクシャクしていること。

・自分達の生活態度を改める為に会社が無理を言って2人の愛の巣に同居させてもらっていること。

・子供の頃に母を亡くしたRyoにとって、甘やかさず厳しい中にも愛情を持って接してくれる母親代わりのような人だということ。(←誰のこと?)

・自分達には思いつかなかったファン目線のアイデアを出してくれたこと。

・・・などなど。


以前の龍斗が問題児だった為、同居し始めてから夜遊びでの遅刻やスキャンダルがなくなったこと、スタッフや関係者の受けが良くなったことはファンの間でも噂になっていた。

私が(こう)君と別れることはどうでもいいが、そのせいで昔のように遊びまわる龍斗に戻ってしまうのは嫌なのだろう。

またファンの間ではRyoの母親が幼い頃に亡くなったことは有名で、母親代わりという言葉は女性ファンの母性本能をくすぐった。


特に【RR(ダブルアール)】の発案者は彼女()で、ファンが喜ぶだろうと女性目線のプライベート写真や動画をアップすることを勧めてくれていたのに、このままでは閉鎖するかもしれないということを暗に匂わせた。


俳優の龍斗に比べ、基本歌番組以外に出演しないRyoはテレビで見る機会が少ない。ライブくらいしか目にすることが出来ないが、競争率が激しいゆえチケットが入手困難。歌っている姿は知ってても喋っているRyoは貴重(レア)だった。

何より2人の食事風景や寝起き写真、普段のやり取りや彼氏感満載の動画など、プライベートを覗き見しているような至福の時だった【RR(ダブルアール)】が1週間以上1度も更新されなかったのだ。

SNSを開始してから初めてのことだった。

そしてついに休止のお知らせがアップされた…。


これにはファンの反応が驚くほど早かった。

私のことが気に入らなかったアンチも、そもそも2人を見ることが出来なくなるという状況は予想外だったのだろう。

そして他のファンから『あんた達のせいだ』と逆に叩かれ始めたものだから、かなり焦ったことは簡単に想像できた。

こういう時のファンは恐ろしい。

会社の警告や弁護士の法的処置よりも素早い動きを見せた。


とにかくその手のことに異常な執念を燃やすネットパトロール?ネット特定班?らしき一部のファンが、このサイトで私の悪口を書き込んでいた人物達を逆に晒して叩き始めた。

因果応報、自業自得というもんだ。一切同情はしない。

そして、そもそもこのサイトを立ち上げた人物に怒りの矛先が向かっていった。

だが、その頃には張本人はネットから姿をくらましていた。

この時点で、被害の拡大はほぼ防ぐことが出来た。

また弁護士からの抗議と世論の流れからとうとう管理人が、

『当該サイトを閉鎖いたします』

と動きを見せ、ネット上での問題は終息へと向かった。


だが【RR(ダブルアール)】は再開しなかった。

今後2度と同じようなことが起きないよう、戒めとしてしばらくの間はあえて様子見することになったのだ。

焦らせて焦らせて焦らせまくった後、ファンの願いが最高潮に達した時に大々的に復活する計画を立てていた。


……と、ここまでが表の対応だった。

ここからはRyoや龍斗、もちろん(こう)君にも言えない裏の反撃が着々と進められていた。

密かにゴーシュが闇で暗躍していたのだが、これは前世(異世界)チーム2人だけで画策したことだ。誰にも知られてはならない極秘計画(プロジェクト)である。

待ってろよぉ~黒幕。生き地獄を味あわせてやるッ!





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