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~生放送終了後~

第2章ー6




番組はクレジットが流れ出し、映画の番宣で来ていたゲストの二人が抜かれている。

主演が龍斗で主題歌をRyoが歌ったみたいだ。

そんなことより私が聞きたいことは別にある。

(コウ)君がRyoの叔父ってどういうこと?

私、聞いてないんやけど?

観覧席に戻った私達は周囲の注目の的だ。

出演者が最後の挨拶をして生放送は無事終了し、

スタッフが「はい、OKでぇ~す。」

と言った後が大変だった。

「Ryoさんの叔父さんってホンマでっか?」

司会の芸人が改めて尋ねた。

周りの出演者達も楽屋に戻らずゲスト2人を囲んでいるし観覧客もザワついている。

結局、私達もまた壇上に呼ばれた。



「彼女さんは知ってはったんでっか?」

司会者に聞かれた私は不機嫌そうに、

「いいえ、まったく!初耳です!」

すかさず(コウ)君が、

「ごめん、典ちゃん。」

今こんなとこで謝られても怒るに怒れんし。

「後でじっくり話聞くから。」

平静を装ってはいるが私が標準語で丁寧に喋っている時は明らかに機嫌が悪い時だ。

それを知っている(コウ)君はバツが悪そうにチラチラとこちらを見ながらRyoと話している。

私は口を開くと悪態をつきそうだったので、

出演者の輪から徐々に後退し、ひっそりと壁の花になろうとしていた。



が、なぜか龍斗が私に気付き近づいて来た。

「の~り~こさん♪」

なぁ~に?と返事ができる精神状態ではない私は出来る限り落ち着いて、

「はい、何でしょう?」

と返事をした。

「もしかして怒ってる?」

なぜ分かる?もしかせんでも怒ってるわ━━ッ!と言いたいところをグッと我慢して、

「そんなことないですよ。」

と努めて大人の対応を心掛けた。

素を出すのはうちに帰ってからだ。

一般人とはいえ生放送で全国に顔を晒した以上、しばらくは大人しくしとかないとマズイことになる。

だが、さっきのVTRを見た後で私が別人のような態度を取っていることに龍斗は何か気づいたようだ。

「Ryoってさぁ、叔父コンなんだよね。」

「叔父コン?」

少し眉をひそめ私は龍斗に聞き返した。

「マザコンってあるじゃん?あれの叔父さんバージョンってとこかな?」

イケメンオーラ全開の見惚れるような龍斗の美しい顔を見ながら私は、

「へぇ~。」

と返した。

「これから大変かもよ?(笑)」

「えっ?何が?」

「まっ、すぐに分かるだろうけど…」

意味深なこと言わんといてくれるかな?

突っ込んで聞いていいものか悩むやんか!

そんなことを考えていると、

「それより今度会ったらお茶でもご馳走するって約束だったじゃん?ちょうどいい機会だからRyoと四人で食事でもどう?」

「えっ!?それは有難い申し出ですが二人に確認してからでないと…」

私はさっきまでの怒りと大好きな芸能人が食事に誘ってくれた嬉しさで返答に困ってしまった。

(コウ)さんなら大丈夫でしょ。(コウ)さんが来るならRyoも絶対来るだろうし。」

「龍斗さんも(コウ)君のこと知ってるんですか?」

「うん。数少ない信頼できる大人だからね。つうか、さっきのVと別人みたいな喋り方は何で?」

「大人ですから。身内と芸能人は別でしょ?」

「なるほどね。」

そう言うと龍斗はRyoへ近づいていき、何か耳打ちするといたずらっ子のような顔で私にウインクして一足先にスタジオから消えて行った。

ドラマ見てるみたい。

さっきの耳打ちしてるシーン。

Ryoと龍斗が内緒話ってBL好きなら鼻血出るわ。

芸能人ってやっぱ人種が違うんやなぁ~、などと妄想に耽っていると(コウ)君が、

「典ちゃん、この後に四人で食事に行こうって流れになったんだけどいい?」

「あの二人が大丈夫なら私はいいよ。」

本当は『もちろんッ!喜んで!』と言いたいところだけど、怒っていた手前あからさまに喜びを顔に出せない私…悔しい。

だが、ひとつ気になっていることが・・・

Ryoって……………何か私に冷たくない?



生放送終了後に仕事が入ってなかった二人は芸能人御用達個室有りの店を押さえて車の手配までしてくれた。

私と(コウ)君は店に向かっていた。

「で、どういうこと?」

タクシーの中でふいに口を開いた。

「私、聞いてなかったけど?」

「あっ、、、Ryoのことだよね?」

「それ以外に何があるんッ!」

「ごめんごめん。」

「確かに親戚に芸能人がいたら秘密にしとこうって気持ちは分かるけど!」

「いや、あれは…」

「ないやろ、普通!」

二人きりになった私は速攻で怒りスイッチONだ。

「生放送でいきなりバラすってある?」

「あれは俺も知らなかったんだよ。」

「はぁ?」

「さっきRyoに聞いたら自分が番宣に出るからって放送日を今日に変えてもらったんだって。」

「なんでよ?」

「バラすタイミングは自分で決めたかったからって言ってたよ。」

「なんじゃそりゃ?まぁ、有名人やからしぁあないんかもしれんけど。」

「この前のサプライズでメッチャ喜んでくれたって話したから、自分もサプライズして典ちゃんを驚かせたかったんじゃない?典ちゃんがRyoのファンだって言っちゃったから俺。」

「えっ?言うたん、本人に?」

「うん、ダメだった?」

「ダメっつうか恥ずいやん。自分の子供みたいな年の子のファンやなんて。」

「年なんか関係ないっしょ?応援してくれるファンなんだから。」

「ミーハーやと思われるやん!」

まぁ、そう思われても仕方ないけどさぁ。

「俺は嬉しかったよ。典ちゃんが自分の甥っ子のファンだって知った時。」

(コウ)君はそうでもさぁ…」

「ん?」

「いや、もうええゎ。」

この天然さんには何を言っても埒があかないと思った私はこの会話を終了させた。

代わりにどんな店か楽しみだね…とか、

何食べる?など明るい話題に切り替えた。

だが内心では嫌な予感が浮かんでは消え、私の心をブルーにしていた。



吉岡典子、42歳。一度死んで異世界で転生し、その異世界で亡くなった魂が元の体に戻るという、とてつもないイレギュラーな体験をした主人公。スキル持ち。二人の子供を持つバツイチのシングルマザー。現在、吉川光輝と"結婚しない"ことを条件にパートナー関係にある。


吉川光輝、37歳。あだ名はヨッシー&(コウ)君。バツイチのゲームクリエイター。身なりに無頓着でちゃんとしたらモテるのに敢えてオタクを装おっていたイケメン。物好きにも典子に惚れた奇特な男。


吉川涼也、24歳。Ryoと言う名前で活躍する超人気アーティスト。国民栄誉賞を与えたいイケメンNo.1。忙しかった両親の代わりに幼少の頃から親代わりに育ててくれた叔父の光輝を(コウ)さんと慕っている。吉川光輝の甥で横山龍斗の親友。


横山龍斗、21歳。若手No.1のイケメン俳優。テレビ、CM、映画と人気抜群の国民的スター。ただし15歳より前の過去は謎に包まれている。スキャンダルも人気のうちと流した浮き名は数知れず。それすら人気に繋がる、吉川涼也とは親友。


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