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~サプライズ②~

第2章ー5





あのサプライズから1ヶ月経っていた。

あの日、コウ君から記念のペアネックレスをプレゼントしてもらいレストランで夕食を取った。

マンションに戻ってからはみんな大騒ぎで、

コウ君と(ワタル)は徹夜でゲームをしていたし、

亜紀は留守にしていた間の出来事をこと細かく教えてくれた。家のこと学校でのこと、今回のサプライズのことも。

そして翌日、満足したような顔で子供達は元気に帰って行った、お土産を山程持って・・・。



そして今・・・

「放送いつだったっけ?」

電話先の娘が聞いてきた。

「来週やって。」

私は放送日を伝えた。

「何か早いな?」

「生放送の特番で流すみたいやで。」

私も放送日が早まったと連絡が来た時そう思ったが、テレビ業界のことはよく分からない。

番組的に何かNGなコーナーが出て穴埋めで放送が早まったのだろうか?雑誌で作者が急病になったら読み切り漫画が差し替えで誌面に載るようなモンじゃない、などと考えていた。

「そんでヨッシーと行くん?」

「うん。スタジオ観覧できるんや。お母さんテレビの観覧始めてやから楽しみでなぁ~♪」

「良かったやん、私らのお陰やな。」

「どんな風に編集されとんやろ?」

「ヤバイとこは切ってって頼んどるから。」

「何かヤバイこと言うたん?」

「えっ?いや、別に…。」

「おいッ、マジ頼むでッ!お母さん当日スタジオおるんやからなッ!」

「大丈夫やろ?宝くじんトコはNGって最初から言うとるから。」

「それは当たり前ッ!大前提やろッ!」

「放送楽しみやな♪」

「まぁな。それはお母さんも一緒。永久保存版で録画しとくから。(笑)」

長電話を切って私は晩御飯の準備に入った。



「今週は生放送でお届けしておりますぅ~。」

司会の元気な声がスタジオに響いている。

私とコウ君は二人仲良く招待された観覧席で自分達のVTRが流れるのをドキドキしながら待っていた。

今日のコウ君はめっちゃカッコいい♥️

さすがに自分達のVTRが放送されるから

観覧のお客さんにも見られるだろうし、もし画面にアップで抜かれたら…という事で揃っておめかししてきた。(笑)

恥ずかしいのか伊達眼鏡を掛けているコウ君が一段とカッコいい!

涼しげな目元も薄い唇も年の割りに羨ましいくらいキレイな肌も、全て自慢したい!

『この人、私の彼なんです♪』って。(笑)

私は私でいつもより入念にメイクをし、滅多に着ない女子力高めの服を着て髪も美容院でセットしてもらった。42歳アラフォーでも何とか見れるはず…。

例え放送で実態がバレても今だけは…。



・・・3時間スペシャルだけあって長い!

途中でトイレ休憩も挟みながら番組は進行していた。私達はトイレに行った後、喫煙所で一服していたが番組スタッフから、

「吉川さんと吉岡さんのVは最後なのでラストで少し(トーク)振りますね。」

「えっ!?」

「大丈夫です。簡単な感想聞くぐらいですから、緊張しなくて大丈夫ですよ。」

私達にそれだけ伝えると女性スタッフは持ち場へサッサと戻って行った。

「何聞かれるんやろ?」

「大丈夫だって。」

「私、テレビ局ってだけで緊張しとるのに…」

「素人の俺らに無茶振りはナイっしょ?」

「まぁ、そうやわな。」

そんな話をしつつ二人で観覧席に戻った。



「さぁ、本日最後のコーナーの前に、

なんとスペシャルゲストが遊びに来てくれてます!」

司会のお笑い芸人が勿体ぶった振りをする。

『なになに?誰だ?』

と思いつつゲストの登場を待っていると、

「よろしくお願いしま~す。」

「どうも、こんばんは。」

「キャ━━━━━━━ッ!!!」

スペシャルゲストが登場するやいなや、

耳をつんざく悲鳴のような女性客の叫び声!

「歌手のRyoさんと俳優の横山龍斗さんでーす!」

ゲストの紹介をしているが、もう司会の声が聞こえないくらいスタジオは大盛り上がり。

私も大好きなアーティストのRyoと若手俳優で今イチ推しの横山龍斗の登場に、

『マジかっ!』

とテンションMAXになっていた。

特に龍斗は初めて生で見た芸能人。

空港で一緒にタバコを吸った仲。(←だから?)

隣にいるコウ君に興奮しながら、

「すごい、すごーいッ!Ryoと龍斗やん♪

二人ともめっちゃカッコいい♥️」

と話しかけると、

「典ちゃん、好きだったね?」

「ミーハーで悪いけど好き!アラフォーのオバサンやけど好き!」

「年は関係なくない?」

コウ君がさりげなくフォローしてくれる。

「来て良かったね。」

微笑みながらそう言うコウ君に対し、

「うん、マジでラッキーやわ!」

彼氏の前で他の男を堂々と好きと言う女。

客観的に見るとひでぇ女だ。

それに引き換えコウ君の優しいこと!

ホンマ、私って幸せもんやぁ~。

でも生まれて初めてテレビ番組の観覧に来た日らゲストがRyoと龍斗なんて。

マジ最高ッ!

これも幸運(ラッキー)スキルのお陰か?

恐るべし幸運(ラッキー)スキル!!!



観覧の女性客の悲鳴が収まらない中、

私達のVTRが紹介され流れ始めた。

『うわっ、これ二人も一緒に見るんや。』

あの日の自分の行動や発言を思い返し、

一気に冷静になる私。

別に好きになってもらいたいわけじゃないけど好きな相手に『なんだこの女?!』って思われたくないやん?

うわぁ━━━っ!

編集で何とかなっててくれぇ━━━っ!!

と祈りながらモニターを見る。

マンションを出てからの一部始終が撮られていて、ランチ後に一服している場面もしっかり映っていた。

さすがに宝くじ関連の話題は打ち合わせ通り全てカットされていたが、衣装決めの際に私が毒づいていたシーンはノーカットだった。(泣)

娘とのやり取りだ。

「お母さん、これは?」

「はぁ?似合うか、んなもん!」

「じゃ、これは?」

「アンタが着たら?」

「もうっ、どんなんがえぇん?」

女性店員も会話に参戦してきた。

「お母様、お好みのドレスがあれば私どもでもお探しますが…?」

「そうしてもらったら?」

「うっさい!自分で探すけん、ちょっとは黙って待っとけぇ!」

あぁ━━━ッ!誰か止めてくれぇッ!

あの日の私を止めてくれぇ━━━━ッ!



画面越しに見る自分に冷や汗が出そう…。

改めて見ると私ってホンマに口悪いなぁ。

関西弁やからしゃあないとはいえ、標準語が基本の東京で聞くとこんな喋り方してる女ってマジでガラ悪い。

まぁそうなんやけど…。

元々、周りの男よりガラ悪かったし…。

小さい頃からケンカっ早かったし…。

お笑い芸人の関西弁とは訳が違う。

ドラマでこんな女おったら絶対に恋愛まで進展せんわ、と断言できる。だからコウ君と暮らしている今が奇跡だ!

モニターを真剣に見ている横顔に目をやると、

私に気づいたコウ君が"何?どした?"

って顔で眉をヒョコッとあげた。

『いやぁ~ん、カワイイ!好き♥️』

と、隣の彼氏にのぼせているうちにコウ君が登場するラストシーンになっていた。

モニターの私はめっちゃ泣いてる。

「仕事や家事するからあんまりアクセサリーつけないのは知ってるけど、せめて指輪の代わりにコレならと思って…」

コウ君が揃いのネックレスを私にプレゼントしているクライマックスのシーン。

なんとか無事に放送は終わった。

ホッと一安心したのも束の間、またもや司会がゲストの二人にいらぬことを聞いていた。



「いかがでした?」

「すっごく良かったです。」

龍斗がお世辞でも誉めてくれた、嬉しい。

「Ryoさんはどうでしたか?」

「彼女さんのキャラが強烈でしたけど、

彼氏さんはとても幸せそうでしたね。」

いやぁ━━━━━ッ!

分かってるけど言わないでぇ━━━━ッ!

「私は好きだけど、彼女の性格。」

ギャルの女性タレントがフォローしてくれるが、

「ちょっと聞いてみますか?実はスタジオにお二人がいらっしゃるんですよ。」

おぉっと、最後に振るってココだったのか!

「改めてご自分達でVTRを見てどうでしたか?

強烈な印象をくれた彼女さん?」

そんな振りあるか?ちくしょ━━っ!

「とても嬉しかったです。」

私がすまして答えると司会者が、

「キャラ違うやん。(笑)」

突っ込んできやがった、黙れッ!

「彼氏さんは?」

「最高の1日でした。」

コウ君が答えながら私の手を握ってきた。

いやぁ~ん、照れるやん。

みんなが見てるのに恥ずかしいわぁ。

「スペイン語も凄かったけど関西弁も凄いね。」

いきなり龍斗がブッ込んできた!

「えっ?龍斗さんそれどういうことですか?」

司会者が尋ねた。

「彼女には1度会ったことがあるんですよ。」

「えぇ━━━━━━━ッ!!!」

龍斗の告白にスタジオ中が驚いた。

「覚えてます?」

「あっ、はい。もちろん!」

私は龍斗があの日のことを覚えてくれていたことに感動した。出来事はまだしも私の顔をよく覚えていたなぁって。

「どういうこと?」

スタジオメンバーが立ち上がって尋ねる。

「以前、空港で困ってた時に助けてもらったんですよ。」

「へぇ~、何をですか?」

「恥ずかしい話、僕が荷物を間違っちゃって外国の方に話しかけられたんですけど分かんなくて。そん時に通訳してくれたのが彼女なんです。」

「それがスペイン語だったんですか?」

「僕は全然分かりませんでしたけどね。(笑)」

スタジオメンバーも観覧者も『おぉっ』と驚きの声をあげる。失礼なんちゃう?

「彼女さん、スペイン語できるって凄いな。他にも喋れるの?」

司会者が聞いてきた。

「えぇ、まぁ一応…」

「英語とか?」

「あのぉ~、英語、中国語、韓国語とか…」

「えぇ━━っ?いくつ喋れるん?」

またもや驚きの嵐。

いやホントは言語スキルのお陰でもっと増えてるんやけど、これ以上は言わない方がえぇな。

「まさか、こんなところで再会するとはね…」

龍斗がうまく話題を遮ってくれた。

「Vだけ見てたらヤンキー感満載でしたけどね?」

この司会者、いっぺん泣かすぞ!

「お二人ともちょっとこちらへ出て来てくれませんか?」

えっ?なぜRyoが私らを壇上に呼ぶの?

コウ君と一緒に出演者の間近へ行くと、

「その節はお世話になりました。」

「いえ、そんなこと…」

うわぁ━━っ、生放送で龍斗からお礼を言われたぁ…って私があたふたしていると、目の前に驚愕の光景が!

隣のコウ君とRyoがいきなりハグしあって

(コウ)さん、おめでとう。」

「ありがとう、涼。」

「ッ!!!」

私を含めその場にいた全員が思っただろう、

『えっ?どういうこと??』って。

我に返った司会者が、

「えっ?Ryoさん、どういうことですか?」

台本にない流れに驚いたのだろう。

女性ファンにハグするのはまだ分かるが、

クールが売りのRyoが彼氏の方をハグするなんて。

そして素人が馴れ馴れしく呼び捨て?

周囲の困惑を意に介さず、

「僕の叔父です。」

「えええぇぇぇ━━━━━━ッ!!!」

Ryoの衝撃の告白に今日一番の驚きがスタジオ中に拡がった。もちろん私も・・・



吉岡典子、42歳。一度死んで異世界で転生し、その異世界で亡くなった魂が元の体に戻るという、とてつもないイレギュラーな体験をした主人公。スキル持ち。二人の子供を持つバツイチのシングルマザー。現在、吉川光輝と"結婚しない"ことを条件にパートナー関係にある。


吉川 光輝(こうき)、37歳。あだ名はヨッシー&(こう)君。バツイチのゲームクリエイター。身なりに無頓着でちゃんとしたらモテるのに敢えてオタクを装おっていたイケメン。物好きにも典子に惚れた奇特な男。


吉岡 (わたる)、22歳。

ゲーム好きの典子の息子。普通の会社員。


吉岡 亜紀(あき)、17歳。

しっかり者の典子の娘。アイドル好き。


吉川涼也、24歳。Ryoと言う名前で活躍する超人気アーティスト。国民栄誉賞を与えたいイケメンNo.1。忙しかった両親の代わりに幼少の頃から親代わりに育ててくれた叔父の光輝を(コウ)さんと慕っている。吉川光輝の甥で横山龍斗の親友。


横山龍斗、21歳。若手No.1のイケメン俳優。テレビ、CM、映画と人気抜群の国民的スター。ただし15歳より前の過去は謎に包まれている。スキャンダルも人気のうちと流した浮き名は数知れず。それすら人気に繋がる、吉川涼也とは親友。


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