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異世界バブバブ日記  作者: おしんこう
プロローグ
6/8

3話 ver2 不機嫌な晩餐

3話の一人称になります。ver2と書いてあるのはゲスい1人称になります。すっ飛ばしても問題ありません。宜しくお願いします

「おい、おきろ」


んんっ、どうやらいつのまにか眠ってしまったらしい。

まあ、あかちゃんだからな。あかちゃんは寝るのが仕事だ。

うおっ、サラちゃんゆさぶんないで!


「寝ている間に服を着させといて正解でしたね。ぼやけさせたままだとやりにくいでしょうし」


いやいや、どうせなら起きてるときにやってほしい。


「まったくだ。さっさとこの業務をどこかの部に投げたいものだ」


そんなあ、サラちゃん捨てないで!


「ヒルデ、すまんがまた食卓まで頼むぞ」


「はい。よいしょっっっと」


あぁ~、またいい匂いがする~。ずっと嗅いでたい。


ーーーーーーーーー


男をおぶったヒルデとサラは、食卓までの距離に不満を漏らしつつ女子バナをしていた。


「結構重いんですよね。この人」


いや、君より軽いかもしれんぞ、デカ女。


「すまんな。ついでに夕食にも同席してもらうぞ」


「え~~~!!ってこの人おぶってったらやっぱりそうなりますよね」


美女との団欒も悪くないだろう。


「酒なら飲めるからそれで我慢してくれ」


俺も酒飲みてえわ。そうか、あかちゃんのままだと酒飲めないままなのか、つらい。

ボク酔っちゃったって言ってお持ち帰りされたいものだ。


「酔っぱらっても大丈夫ですよお姉さま、私がおぶって運んで行ってあげます」


この背中はぼくのだぞ!!

男は不意に握る力を強くした。


「ははは、ありがとう、気を休めるつもりはないから安心してくれ」


「むしろお姉さまならおぶりたい…みたいな」


「むっ、そうか。なんでかは知らんが気持ちは受け取っておこう」


ふられちゃったね、ヒルデねえさん。それにしてもサラちゃん初心すぎるんじゃないか。

もしかしたら百合をしらないんじゃなかろうか。


「はっ、はい…。まあ、閣下に酔いつぶれているところを襲われるなんてこと今更ないでしょうけど、念には念をということで」


「まあ、閣下自身は不能で女性には手を出さない事で有名だからな」


ほう…?


「確か、若い新婚の頃に街のチンピラ()に奥方を寝取られたとか…」


ん?()


「そうだ。当時は閣下は将来的に宰相候補の一人となる予定だったらしい。

だが、貴族が街のゴロツキどもに妻を寝取られたことで出世の道がご破算したものの、境遇を哀れんだ先王の配慮で無任所大臣になったといわれている」


ずいぶんとアレなNTRすぎるだろ…。若いのに不能って男からしたらもう同情を禁じ得ない。

前の王様はきっと人格的に優れた人だったんだろう。


「正直、私達にとっては上司が不能というのは仕事がやりやすくてありがたいですね」


人の痛みというのがわからないのかな?このデカ女。


「うむ。だというのに、ああ、今日の夕食は何年振りかの怒号が飛ぶのだろう」


ぼくあかちゃんだから関係ないわ、やったぜ。


「ようやくついたか。そのまえに、ヒルデ」


「はい?」


「お前の服の後ろ身、男の涎まみれだぞ」


「きゃああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


ちぃ、ばれたか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


寝取られおじさんはなんかもうやけくそ気味だな、あかちゃんのほうがまだマナーいいんじゃないかと思えるほどだ。

料理が…パンにゆでたじゃがいもか?それとなんか魚の切り身の漬物みたいなのとサーモンマリネにサラダって、これはひどい。北欧料理かな?

まったくうまそうに感じない。イギリス料理のほうがまだましだ。

よだれなんてでそうにもない。かといってビール飲むわけにもいかんし。

自分の指でもしゃぶってるか。


「げぇっぷ…。さっきの叫び声はなんだ。なんでヒルデは赤い目になっておる」


「先ほどかなり大きいゴキブリが目の前に落ちてきたからだそうです」


サラちゃんさらっと虚偽報告かよ。イメージがどんどん崩れていく。


「ゴキブリごときで悲鳴をあげるとは…。魔女も地に落ちたものだな」


そりゃそうだろうな。って、しまったみたいな顔しちゃってるよ。


「食いながらでかまわん。サラ、現時点での報告をしろ」


「はっ…。まず、この男に関しては、残念ながら、変わりはありません。

演技の可能性を考え何度かカマをかけてミスを誘発しようとしましたが、ひっかかりませんでした」


油断ならないな、おかしい、ただ単にあかちゃんとして養われたいだけなのに、なんでこんなに緊張感をもってすごさなければならないんだ?


「ただ、現在技術部隊と連携して調査している途中ではおりますが、男の持っていた持ち物は価値が高いと認められます」


技術部隊?もしかして俺のもの全部没収されたってこと?

…ってあっ俺の時計!


「これは…時計か」


インポ野郎返せよ俺の時計。


「はい。見てください、この光沢を放つ高価そうで軽量な金属でできた時計ではありませんか。

国王陛下にもきっとご満足いただけるものと「つくれるのか?」」


「えっ…」


無理だぞ。


「これを我が国が作れると思うか?確かにこれは精密で高い技術で作られたもんだろう。

そう、我々にはその技術が必要なのだ。時計それ自体ではなく、な。

恐らく若くして即位された陛下はそうおっしゃるであろう。

この時計で失態を帳消しにはできん。宝石みたいなもんだが、宝石はもう見飽きてるだろうからな。

他にはなにかなかったのか」


サラちゃんざまあ人のものパクろうとするからだよね。


「時計だけでなく、男のカバンからいくつか興味深いものがでてきました。

現段階で判明しているのは、液体の入ったにぎりつぶしても元に形が戻るビンのような容器、

文字のようなものと数字が印刷された板と鏡のような板がつながっている開閉式の板のような物、

1から9と算数の記号を押すと勝手に小さい鏡のような部分で結果が表示される小型の機械のような物、

異世界の言葉で記載された上質な紙が数十ページ封筒のような物に収納されており」


ペットボトル、ノートパソコン、電卓、どれもこの世界で作るのは無理だよ。

あ、それはもし異世界に転移したらこんな産業振興するぞっていう自作の手引きノートじゃないか。

あれは解読されたらまずい。手柄が俺じゃなく、解読した人間に移ってしまう。


「あとは…」


「あとは、なんじゃ?」


「一枚一枚ほぼすべてに絵と文字が記載され、その絵が、恐らく男女の営みを描いたものであろう、と」


しまったあぁぁ!家に帰ったら読もうと思っていたおねショタものの成年漫画がみられたぁぁぁ!

はずい、これははずかしい…!ああああ…。


「…文字は解読できないのだな」


ん?


「はい、対異世界言語翻訳術は精霊の力を借りるため生きている人間の言葉しか翻訳できません。

なので、何が書いてあるかを知るには音読してもらうしか方法がありません。

ただ、絵画及び印刷技術は非常に高度なレベルでした」


あぶねえ、成年漫画のセリフを女の前で朗読とか羞恥遊戯にもほどがある。

俺のおきにの先生が描いた作品だからな、いろんなクオリティ高いぞ。


「たぎったか?」


おっ?不能を直したいのか?俺のでよかったら貸すぜ。


「…隊の何名かには刺激が強かったようにみえます」


「おぬしの顔を見てもどうやらそのようであろうな」


自分の反応をかわそうとしたのに失敗しちゃったね。耐性なさそうだもんね。

デカ女は…。話聞かずに黙々と飲み食いしてるよ。食費うかそうとしてるだろコイツ。


「一週間後に陛下に結果を報告しに参らねばならん。その際に本を陛下に献上する」


え?


「えっしかし中身は…」


「陛下はまだ18、即位して間もない若者だ。本の中身で気を紛らわせて結果をあやふやにする。

それに我が国は芸術のレベルが低いままであるからな。

後継者作りと芸術の促進のための本とでもいうておけばいい」


その前に俺の成年漫画なんだけど。

もう自暴自棄になってないか、このおっさん。


「実務で使えそうなのは、計算機械くらいか。それはこちらで使うとしよう」


…全部没収はどうやら確定らしい。こいつらヴァイキングかな?


「どうやら100年の間に異世界ではとんでもない速度で産業が発展したようだな」


「ええ、まさに圧倒的とも」


「だが、技術が高すぎて作れそうにない、か」


そうだよ、この世界には早すぎるよ。レベルが違いすぎて逆に今後召喚しても実現困難なのばかりで召喚が無駄になるんじゃないかな。


「私も絶体絶命なのだ。失敗の烙印が押されたら領地没収でお家が取り潰しの追放処分であろう。

最悪、おぬしらとともに首をはねられるかもしれんがな」


それは大変だ。けどぼくあかちゃんだから知らないっと。


「…異世界人はどうやら一人で食事もできんらしい。まったく手をつけずに指をしゃぶっておる」


ようやくこちらに気付いたか。そうだよ、食べさせてくれないと食べないよ。


「まさか、母乳しか飲まない、可能性が…?」


うん、そういうことにしよう。ぜひそうしよう。


「それだったら、あんな大きくなるわけでもあるまい。

…かといって、完全には否定できないのがなんともいえん。

仕方ない、乳母の手配をしておく。それまで身の回りの世話は魔女隊と護衛隊の共同であたれ」


っしゃあ!乳母だよ乳母!これでぼくの充実した甘々なあかちゃん生活への道が拓けてきたじゃないか!!


「これでお開きだ、先にわしは寝る。後は頼んだ」


「はっ!」


大臣、あんたはいい仕事したよ。さすがは先王が手元に置いておきたいと思った男だ。

不能が治ることを祈ってるよ。


「どうしたんですか?顔色が優れないようですが、酔っぱらったんですか?」


「どうせなら酔いたい気分さ」


ぼくは君によってるよっ!


「ヒルデ、お前、ずっと話の間飲み食いしてばかりだったな」


「はい。難しい話はわかりませんから」


上手に生きてるな、このデカ女。あかちゃんへの道に片足つっこんでるね。


「そうか。…そうか」


ま、俺の代わりにサラちゃんいろいろがんばってくれ。

ボクはあかちゃんだから何もできないけどなっ。



評価ブクマ宜しくお願い致します。(懇願)

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