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『商品No.6。波乗り2』   商品ランク★

妄想は素敵ですね。

 私がつい先日、地元の巨大ショッピングモールで買い物をしていた時のことです。

 洋服屋さんを出て、左に曲がろうとした時、ちょうどお店の前を通った男の人とぶつかってしまったのです。

 ドン! とまるで漫画やアニメでの出会いの一場面のようにぶつかった私は、手に持っていた洋服屋さんの買い物袋と、下着屋さんの買い物袋を地面へと落としました。

 買い物袋から、買ったばかりの洋服と下着が床へと散乱し、私は軽くパニックになります。

 すると、私にぶつかった男の人が、洋服と下着を申し訳なさそうな顔をしながら一つずつ拾って下さいました。

「す、すいません」

 私は男の人に、自分の不注意を謝りました。

 お店で、新しい洋服を買って気分が高揚していた私は左右の確認もせずに、店を飛び出したのですから。

「いえいえ。僕の方こそ、不注意で申し訳ありませんでした」

 なんて優しい人なんだろう。

 私は心の底からそう思いました。

 男の人は私の洋服と真っ赤な下着を拾うと、もとあった紙袋の中へと丁寧に入れて下さいました。

 どこか照れくさそうに、繊細な手つきで私の下着オパンティーを仕舞う、その仕草は子供が初めてサツマイモ掘りをしてサツマイモを掘り起こし喜んでいるような表情にどこか見えて、私は母性本能がくすぐられました。

「あ、あのぅ……」

 私は無意識の内に乙女のような可憐な声を発していました。

 そして気付けば私は、男の人と電話番号を交換するまでの仲になっていたのです。

 そうです。逆ナンという奴です。

 彼と電話で連絡を取り、話し続けていると、時間が嘘のように早く流れるのを感じました。

 彼との電話が終わりに近づくと、嘘っ! もう電話終わり!? なんていつも私は心の中で思っていました。

 周波数が彼と近いのでしょうか? 彼とは驚くほどフィーリングが合いました。

 彼はまるで運命の人(殿方)だわ。

 私には彼が白馬の王子様にしかもう見えなくなっていました。

 彼の発する一つ一つの言葉はまるでダイヤモンドのように輝きを放っているように私には見えました。

 彼の行動一つとっても気品が感じられ、黄金のオーラを身に纏っているかのように私には見えました。

 彼のまばたきは、一つ一つが新鮮でまるで、小説を読んでいるかのよう。次はどんな表情をするのかな、次はどんな展開が起きるのかな。

 彼の鼻くそをほじる所作はどこにも無駄がない。プロフェッショナルだ。

 鼻くそをほじっていても、どこにも汚さは感じられず、むしろとても崇高な行為に私には見える。

 それは自分の愛する動物の糞を嫌な顔一つせずに行っているような、どこか慈愛に満ちた顔で、私の乙女心は胸キュンしっぱなしである。

 彼のするオナラはまるで、ビッグバン。

 私の不意をつき、私に彼の新たな面を見せてくれる。それは私の心に宇宙を新たに誕生させる。

 もう、彼からは離れたくないし、離れられない。

 これが執着心だっていうのは分かっている。

 分かっているけど……。でも、でも、やめられないの……。

 だって私は、女の子なんだもんっ!

 彼と出会って半年が過ぎた。

 彼と会うたびに彼の良い面を垣間見ることが出来て、私はもうメロメロで、彼しかもう見えないの。

 彼は海が大嫌いということが分かった。

 彼はかなづちで、海の近くまで行ったことがないみたい。

 実は私も彼と同じで海はあまり好きではない。

 だって、海ってまだまだほとんど知られてないって、言われているし。

 私は海に少しだけ入ったことはあるけれど、本当はとても怖くて嫌だった。

 やっぱり私と彼は相性抜群なのね。

 彼は私に自分のことを話してくれた。

 海は嫌いだけれど、海と、自然と一体になってみたい。そんなことを彼は言った。

 波に乗って、海と、自然と一体になってみたいと。だから彼は妄想波乗りをすると。

 私はその話にとても興味を持った。

 だって素晴らしいじゃない。自然と一体になれるなんて。彼は海が怖いからなんとかあがいてあがいて、その結果妄想波乗りに辿り着いた。

 私もやってみたい!

 いつしか私はそう思うようになっていた。

「ねえっ。お願いがあるの……」

 ベッドの上で私は彼に猫なで声で聞いた。

「なんだい?」

「私にも妄想波乗りを教えて欲しいの……」

 彼は意外そうな顔をした後、心良く了承してくれたわ。

 そして私は今、ダーリンと一緒に妄想波乗りをしているの。

 ゆらゆらゆらゆらゆーらゆら。

 波と戯れ、ゆーらゆら。

 波に乗り、海に乗って、風を感じ、太陽を感じる。

 それが終わると、家に帰り、彼に乗ってあそこを感じる。

 なんて素敵なday by day。

 私の幸せがいつまでも、いつまでも続きますように。

 ハンモックに揺られながら私はそう願い続けていた。

 

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