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35話 猿族

どうもアルフです。


遺跡にいた猿は225匹。


猿達は外に出たかったが、外に出れば人間に殺されるので、ここの遺跡に留まっていたという。話をして俺達と一緒に外に出た。


騎士団は驚いていたが、古代人の血を継ぐ猿族だと伝えると、領主が保護する事になった。猿達の話しでは、この施設は巨大で、来るときに見えた逆の道は果てしなく続いているという。それを領主達に約して伝えると、喜び明日から発掘に乗り出すという。


猿族は俺が通訳になり領主が連れてきた学者を挟み、翻訳した言葉を伝える。その夜は猿達と領主邸で懇談会になった。意外と猿達も服を着せてみると、厳ついオッサンやオバさんに見えるから不思議だ。領主は街には他の種族が住んでいるから、仲良くなれるだろうといいそれを猿達に伝えると喜んでいた。



宴も終わり宿に戻る。



今日は大活躍ですね。伝説がまた出来ましたね?とメテーレ達が言ってくるが、本当の大活躍はこれからだ!猿族の言葉を覚えた俺はベッドの上で猿になる。ワイは猿や!床上手な猿や!密林の中で枝から枝へ、泉の水を飲み、山頂を見上げる。神の息吹が甘い霧を吐く。この世界は広い。上った巨木の枝から遠くまだ多くの山がある。ハンギングした岩肌をトラバースし、ワンハンドで突起した岩をコレでもか!と掴み握り上げれば、山頂にブロッケンが現れる。


女神に何故、貴方は望むのですか問われる。そこに答えはない。生まれ行く命も、消え行く魂も。数億の命がたとえ岩肌にぶつかり、消え行くとしてもそれは運命だ。そこに答えはない。打ちては引く波に答えも、また同じ形もありえない。


俺の中から盛り上げる波が今打ち寄せる。胸肩グーフィーの波が3つ綺麗にセットで入ってくる。手前の波はドルフィンで潜り、直ぐに方向を変えて、思いっきり漕ぐ。テイクオフして直ぐにカットバック!面ツルの波壁が綺麗なスプレーを拭いてくる。連続してブファァとスプレーが吹き上がる!3つの波を乗りこなし一息つきながら、波待ちで水平線をみる。


ああ、偉大なる大地と海!


翌朝も空は心なしか黄色く見えた。





翌朝は遺跡を管理する職員を伴って猿族が1匹訪問してきて、王城まで一緒に行きたいというので、またくるから勘弁してくれ伝えた。折角、長年待ちわびた王に会えたのにと残念がるので、街の人と猿達を呼んで広場で、また懇談会をする事になった。連日かよ……。まあ猿達も街の皆と仲良くなれるし、街の人も英雄に会えたと喜んでいるからいいか。


それにしても遺跡が軍事施設じゃなくて良かった。核弾頭とかあってチョドーンとか勘弁だ。そんな事を猿に話すと、猿は通路には邪悪な鉄で出来た魔物が数匹いるという。強いのか?と聞くと、その魔物は猿達が50

匹で一斉に掛かれば、どうにか倒せるという。じゃ、大丈夫か。あとは冒険者やこの街の騎士がどうにかするだろう。


一応、その事は領主や街の人に伝えておく。街の人は、また遺跡発掘でこの街の景気が良くなると凄く喜んでいるが大丈夫だろう。うん。


そして猿も街の人達もお酒が進んだ時に、猿のボスが壇上に立ち上がり、ウキィウキィと話し始める。といっても他の人は言葉が分からないので、仕方なく俺が翻訳するハメになる。


内容は、邪悪な神を信じる民が魔王を呼び出し世界は滅ぼされた。古代人の王は神殿で眠りにつき、再び復活して魔王と戦う……そんな感じだった。まぁ、そういう解釈が楽だしね。この方が王だ!と猿が俺を指差すので、そこはあえて、王の使いだと意訳しておいた。俺が王だと広まり、この国の王様からオマエ邪魔とか言われて暗殺されるのは勘弁だしね。


宴は最高潮になった時、猿族の踊りが始まる。これが本当のモンキーダンスだよな!と隣にいるメレーレ達に笑いながら言ったが、あまり受けなかった。そりゃそうか。


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