小話4
「佐々木さん、あれは、わざとだったのでしょう」
「タマさんのこと?」
「そうですよ。10月に連れてきたのは、わざとなのでしょう」
「だって、6月くらいからだっけ?なんか言いたそうにしてるけど、言わないし。そのくせ、今まで興味なかった新人さんの話題ばかりふってくるんだもん。バレバレですよ」
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バレバレだったって。烏帽子様。
本編終了後の一幕
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ちびすけの報告例
1 神様から
「ねぇ、兄さん」
「なんですか?」
「今日は環さんとカレー鍋をしました。環さんは男爵です」
意味がわからない。環さんに髭は生えていない。詳しく聞こうにも、ちびすけ酔っているし。
いちいち聞き出すのも面倒なので、ちびすけの記憶を覗いてみた。
……ちびすけよ、兄さんはなんか納得がいかない。
兄さんは初めて見てからだいぶ経っているのに、ちびすけは会って2日目で夕飯にお呼ばれするなんて。
兄さん、一生懸命働いているのに。
「…ちゃんと明日お礼を言っておきなさいね?」
2 狛犬から
「ねぇ、兄さん」
「なんですか?」
「今日は、環さんが神社の草むしりに来てくれました」
あ、しまった。最近、ウチの周りのことするのをすっかり忘れていた。大変だったでしょうに。
「阿吽が懐いて、これから夕方遅くなったときは送ることになりました。よかったですよね?」
阿・吽、ちびすけ、GJ!!
最近、友人に教えてもらったGJの使い方が、ばっちりわかりました。
「ええ!!女性の一人歩きは危ないですからね」
3 約束から
「ねぇ、兄さん」
「なんですか?」
「今日は、環さんと大学祭に行く約束をしました。初日です。兄さんはいつも出雲大会議から1日に帰ってくるみたいだから、私が行ってもいいでしょう?」
「31日に帰ります。大学祭の約束は、兄さんが行きます」
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「あの、小さい方の烏帽子様って、結局分身なの?いまいち、わからないんだけど」
「うーん。説明が難しいですね。細胞分裂の途中で止めた状態?どちらも私だけれど、別々に動くという風に理解していただければ」
「あ、こういうこと?」
環さんがおもむろに親指と人差し指で輪をつくり、頬に当てる。
「これは、たこやきっ!!と言いながらする技なんだけど、この輪っかの部分が烏帽子様の力で、たこ焼きの具の部分が小さい烏帽子様ということでいい?」
「まぁ、そのようなものですかねぇ?その具の部分がしゃべって動けるなら、それに近いかもしれません」
「私は、1ヶ月、たこ焼きと話してたのねぇ」
「それは違います」
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ちび烏帽子に関して無理やり作った設定
わかりやすくしようとしたら、食べ物にいってしまいました
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