小話3
「なぁ、最近さ、烏帽子様、女の人とよく歩いてないか?」
「あ、俺も見た。栗色の髪の人だろ」
「俺、よく行く定食屋で見かけるんだけど、なんかめちゃめちゃうまそうに飯食ってるぞ」
「…思い返せば、俺もうまいって評判の飯屋の近くでよく見る気がする」
「なんだ、飯友じゃん」
「だな、あの烏帽子様に彼女なんてないな」
「なー」
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学生目撃談。
環さん2kg増の裏側
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「佐々木主任、なんだかご機嫌ですね」
「いや~、タマさん。いじりがいがある人って楽しいよねぇ」
「そうですね」
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イ 事務員で烏帽子様に後任に環さんを連れてくると言ったあとの主任。
10月からはわざとでした。環さんは主任と性格が若干似てます。
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「あぁ、炬燵を出したのですね」
遊びに来た烏帽子様が、一昨日出した炬燵に気がつく。
「最近、寒くなってきたからね、思いきって出しちゃった。あれ?」
お茶を用意して振り向くと烏帽子様が消えていた。
何事かあっても、私といるときはいつも断ってからいなくなるのに、おかしい。
「烏帽子様?」
「はい」
返事はあるけど、姿が見えず。
「どこ?」
「ここです」
炬燵から手が生えた。
キッチンの反対側から炬燵に潜っていて見えなかったようだ。
「冬限定生物コタツムリです」
誇らしげに言われても…。
子供か!?いや、子供じゃないからあんなことになっているんだな。ちゃーんす。
炬燵の上に、用意したお茶を乗せて、目に付いたコタツムリの弱点を攻撃する。
「うひゃ!!うひゃひゃ、環さん、や、やめて。ひゃ」
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烏帽子様は、だいたい176cmくらい。環さんは157cmくらい。
炬燵に潜っても反対側から足の先が出ていました。
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