表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
攻撃できないB級盾使いの俺、勇者と四天王の保護者兼“常識枠”になる 〜面倒事に巻き込まれた俺の世直し旅〜  作者: 街角のコータロー
プロローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/19

第11話:揺れのあと

夜が明ける。


 森は静かだ。


 静かすぎる。


 カイルは起きていた。


 眠れていない。


 焚き火の前で、剣を見つめている。


「寝ろ」


 俺が言う。


「……少しだけ、考えてました」


「考えすぎは体に悪いぞ」


 冗談のつもりだが、あいつは笑わない。


「僕、怖かったです」


 素直だ。


「勝てるかじゃなくて」


 少し間を置く。


「選んだのに、守れなかったらどうしようって」


 そこだ。


 成長の副作用。


「震えて当然だ」


 俺は隣に座る。


「震えねぇやつは、何も背負ってねぇ」


 カイルは黙る。


「でも」


「でも?」


「先生やダグラスさんがいるって思ったら」


 少し笑う。


「踏み出せました」


 依存ではない。


 信頼だ。


 悪くない。


 だが。


 シオンが近づいてくる。


「甘えるな」


 きっぱり。


「昨日は一人だった」


「……はい」


「昨日の一歩は、己の足だ」


 厳しい。


 だが正しい。


「誇れ。だが酔うな」


「はい、先生」


 ようやく笑う。


 ほんの少しだけ。



 同時刻。


 聖堂騎士団の野営地。


 隊長が報告を受けている。


「勇者が介入し、暴走体を討伐」


「……勇者?」


「名はカイル」


 沈黙。


「上へ報告だ。異端の可能性も含めてな」


 政治の匂いだ。



 さらに遠く。


 黒衣の男が森の残滓を拾い上げる。


「核は破壊された」


 だが笑う。


「十分だ」


 霧の中に、微かな“亀裂”が見える。


「勇者は揺れる」


「揺れれば、隙が生まれる」


 指先で空間をなぞる。


 遠く、王都の方向。


「次は、信仰だ」


 闇が閉じる。



 昼。


 村人たちが礼を言いに来る。


「ありがとう!」


 子供が笑う。


 守れた。


 だがカイルは少し遠い目をしている。


「どうした」


「……僕、強くなります」


「もう十分強ぇ」


「違います」


 首を振る。


「選び続けられる強さが欲しい」


 いい目だ。


 だがまだ若い。


 シオンが頷く。


「ならば修練を増やす」


「望むところです、先生」


 俺は肩をすくめる。


「面倒事が増えるな」


 カイルが笑う。


「巻き込んでます」


「自覚あんなら上等だ」


 だが空は重い。


 見えない圧がある。


 聖堂騎士団。


 王都。


 黒衣の男。


 静かに、包囲が始まっている。


 俺は盾を背負い直す。


 紋章は光らない。


 ただの鉄だ。


 それでいい。


 祈りは“常に”じゃない。


 本当に必要な時だけでいい。


 世直しの旅は続く。


 だが。


 次は村じゃ済まねぇ。


 もっと大きい。


 もっと厄介だ。


 面倒事に巻き込まれちまったみたいだな。


 本格的に。




もし「面白い」「続きが気になる」と思っていただけましたら、ブックマークや評価、感想などをいただけると執筆の励みになります! よろしくお願いいたします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ