3/5
3
〈06:00〉
ピピピピッピピピピッピピピピッピピ…
目を覚まされた。
「…………」
おかしい……俺はあれから目覚ましなんかかけていない。
ではこの厚かましい音は何故出ているのだろう。
ピピピピッピピピピッピピピピッピピ…
「……ん…あぁ」
そうだそうだそうだった…今日はばぁちゃんの墓参りに行くんだった。
6月30日…ばぁちゃんの命日……。
「達哉ー!起きたー?」
自室の扉の向こうから母さんが俺に問いかけた。
「うーん…今起きたとこー」
「そう、なら早く行っちゃうわよー」
「はーい」
俺は寝巻きから学校の制服に着替え部屋を出た。
「じゃ行くわよー」
母さんは愛車のミニバンを走らせた。
車内は静かだった。
「母さん……俺がさー死んでもさー、あんま落ち込まないでよー……」
「……………」
「後、墓参りとかしなくてもいいから」
「……………」
「……………」
母さんからの返事は無かった。
俺は眠気が残ってたのか、また寝た。