シヨート ストーリー George Winston 2
そこは、椎の木のという障碍者支援をしている大学のサークルのやっている模擬店だった 勧誘されても入らなかったが、ほんとうに優しい人たちの集まりで、あたたかさがしみるような雰囲気だった。
しかし、私はそんな優しい人間ではなかった。女性に興味がないわけではなかったが人の入る余地はなかった。ある意味、とにかくある意味で社会不信で人間不信で、早く力をつけて自分で、社会を変えたいと思っていた。そんなに頭がよくないのに、司法試験に早く受かりたい、一日でも早く社会で出て政治家になりたい。中学3年の時からそう決め、迷ったら負けだと思って勉強しつづけていた。
「さっき、サークルの模擬店で占いやってた時、私を占ってくれたよね。すごくあたってたよ。タロット占いしてる姿にあってたよ。」話をききながら、高校の終わり頃、私を慕ってくれていたのに、答えることをしなかった女の子のことを思い出していた、長い時間一緒に彼女とは過ごした。いっぱい、いろんな優しい音楽や優しい漫画を教えてくれた。うぬぼれながらおもった、私にはこんなタイプの女の人がよってくる、心の本丸に入ってこない。そしてあの時がそうだったように踏みにじってしまう。またそうなる。
いろいろ話して、日が沈み、嬉しそうに彼女は「ありがと、小田原とかで会おうよ、ちょうど横浜と静岡の中間じゃない。手紙もかくね。まってるよ・・」
友達のうちにとまると言って彼女は嬉しそうに去っていた。
私は、自分がその時は後悔しなかったが、何年か後で後悔本気で後悔するぐらい残酷な手紙を出すことにした。
「僕のことわざわざ会いに来てくれて、ありがとう、君がこんなに素敵だとは思わなかった。私のこと理解してほしいから読んでほしい本がある、福永 武彦が書いた 草の花という本を読んでほしい。」
つづく