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ウチの嫁が最強すぎて魔王すらワンパンなんだが  作者: 東条賢悟
第六章 王国の賢者と帝国の勇者
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第177話 裏工作

僕が王都マガダに入った日。この時点に話を戻させていただこう。


既に僕は、ベナレスの自邸を出立する前から、王都で暗躍する者たちがいることを察知していた。ラクティフローラ、ベイローレル、そしてアッシュ隊長といつでも宝珠システムで連絡が取れるため、僕を狙う人物がいるという情報は逐一聞いていたのだ。


また、僕にはフェーリスがいる。彼女の【猫猫通信(キャッツ・アイズ)】がある限り、あらゆる密談は意味を為さなかった。遠く離れた地にありながら、僕は王都の様々な情報を手に入れることができたのである。


その上で訪れた王都だった。


僕は、宿でチェックインした後、直ちに仕事を開始し、ある建物に向かった。そこは、王都の中心に近く、大通りが交差する角に建てられた最優良物件だった。すぐ真向かいには王立図書館があるという、一等地である。


「レン先生、お待ちしておりました。全ての準備は整っておりますぞ」


僕のことを先生と呼び、歓迎してくれるのは、我が商会と提携している『キャンドル商会』の代表、レイプシードさんである。


「ありがとうございます。レイプシードさん。諸々、お手伝いいただき、申し訳ない限りです」


「何をおっしゃいますか。我がキャンドル商会は、あなたのお陰で、さらに発展することができたのです。この王都でも、アロマテラピーはもの凄い反響ですぞ。既に貴族のご婦人方から、絶大なる支持をいただいております」


「そうですか。それは良かった」


「彼の方も立派に仕事をこなしておるようです。あのような部下をお持ちとは。レン先生は、やはり人物を見極める目がおありですな」


レイプシードさんが示したもう一人の男。彼は、『プラチナ商会』立ち上げ時からの仲間、元盗賊である7人の男衆の1人、『イベリス』である。


「イベリス、どんな気分だ?」


「はい!緊張していますが、やる気は十分です!」


「レイプシードさんから、お褒めの言葉をいただいた。よくやったな」


「ありがとうございます!旦那!」


「これからお前は、『プラチナ商会マガダ支店』の店長だ。ウチの商会、初の支店開設。その成否はお前の双肩に掛かっている。よろしく頼むぞ」


「はい!!全身全霊で頑張ります!!!」


実は、我が『プラチナ商会』の宝珠は、ここラージャグリハ王国でも、既に多く出回っていた。噂を聞きつけた貴族や有力商人が、商業都市ベナレスへ次々と買い出しに来ており、王国内でも支店を開設することを要望されていたのだ。


そして、その実現に向けて水面下で着々と準備を進めていた。『宝珠システム』で通信できる僕は、ベナレスの自邸にいたまま、イベリスに次々と指示を出し、開店準備を整えてしまったのだ。


また、その際、かつてレイプシードさんのキャンドル商会を苦境に立たせてしまった経験から、ロウソクや灯油を扱う商会に対し、レイプシードさんを通じて業務提携を申し込んでおいた。


アロマテラピーのアイデアを差し出す代わり、使用権として、わずかな報酬をいただく。いわゆる”特許権”の考え方を取り入れたのである。これは、利益が目的ではなく、王国内の様々な商会と無用な軋轢を生むことがないよう、懐柔するための策である。ゆえに我が商会の取り分は小さくした。


既に王都では、貴族の間でアロマテラピーが大流行の兆しを見せていた。


レイプシードさんは、半月前から職人と共に王都に赴き、ここで提携を希望する商会に対して、アロマキャンドルとアロマオイルの生成方法を、指導料をもらいながら広めていたのだ。その結果、中小規模の商会は、ほとんどがキャンドル商会の傘下に入ることになった。


そして、我が『プラチナ商会』も、満を持して王都マガダに支店を開くことにしたのだ。顔の広いレイプシードさんのツテで、最高の立地条件にある店舗を買い取ることもできた。


店員には、僕の自邸に住み込みで働いている従業員や侍女の中から、王国出身の者や王都に憧れを持っている者たちを選出し、彼らを移住させることにした。その分、自邸や本店が人手不足になるが、最近、人身売買の裏取引を潰し回ったお陰で多くの少年少女を引き取ったため、彼らが新しい従業員と使用人になってくれた。


僕が支店長に任命したイベリスもまた、王国出身である。また、7人の男衆の中で、顔立ちが最も男前だった。


商会立ち上げ当初は、ウィロウとともに素材採取の仕事を任せていたのだが、次第に僕の事業全体に興味を示しはじめ、会計係のオリーブに勉強を教えてやる場にも進んで参加するようになった。


ちなみに余談だが、この勉強会にはシャクヤも参加しており、さらには8歳のスタンプも加わった。彼は、難しい話に苦戦しながらも、僕の理論を学びたいと自ら志願したのだ。


そして、僕の経営を手伝うようになったイベリスは、新たに従業員を雇い入れてからも、後輩の指導をよく行ってくれた。男衆の中で、新規メンバーへの面倒見が最も良いのが、彼であった。


よって、支店長を任せるなら、彼こそが適任であると判断したのである。


顔立ちも整っているので、王都のような都会で社交界に出しても遜色ない。商業都市ベナレスでは、ハンターが多く集まるため、顔に傷のあるエルムのような男が営業部長でも問題ないのだが、やはり王都で貴族を相手に商売をするのであれば、顔も綺麗な方がよい。


身なりを整えて、すっかり紳士になったイベリスの肩に手を置き、僕は微笑しつつ、しみじみと語った。


「数ヶ月前は盗賊だったヤツが、王都で店舗を構える。こんなことがあるんだな」


「う……うっ……旦那っ……」


涙ぐむイベリスを見て、僕は笑った。


「おいおい、泣くのはまだ早いぞ。商売が軌道に乗り、本当に成功したと心から言えた時に泣くんだ。今は我慢しよう」


「はいっ!はい!!」


イベリスが決意を新たにしたところで、レイプシードさんが目下の課題を報告してくれた。


「ところで、レン先生、予想どおり、いくつかの商会は、こちらの申し出を断り、敵に回るようです。特にハゼという男が経営する『ワックス商会』は数百年来、王室御用達で商売をしてきた、国内でも最有力の商会です。あれが大臣クラスと結託すれば、一筋縄ではいかない勢力となりましょう」


「やはりそうですか。王家と繋がりのある大商会なら、今さら僕たちのような新参者と対等な関係を結ぼうとは思わないでしょうね」


「宰相閣下もレン先生を狙っていると噂されております。あの方に目を付けられては、王都で商売もできないことでしょう。このまま祝賀会に参加されては、その場で捕えられる危険性もあります。よくよくご注意いただかないと」


深刻な表情で心配してくれるレイプシードさんだが、それを聞く僕は余裕の笑みを浮かべた。


「ええ。騎士団とは和解が済んだんですが、どうもゴード宰相からは、今も根深く恨まれてるみたいです。でもご安心を。既に手は打ってありますから」


ちょうどその時、打ち合わせ場所として指定しておいた、この新店舗に来客があった。ハンターの実行部隊隊長アッシュさんと”斧旋風”バードックである。


「やあ、レン!本当に『プラチナ商会』というのは、すごいな!王都のこんな場所にいきなり店を構えるとは!」


「よお!!”商賢者”!この前は、ありがとな!!」


アッシュさんはともかくとして、バードックからも僕は好かれていた。前回会った時、地底魔城のボロボロになった謁見の間で、牡丹の超重力によって重傷を負っていた彼を僕が完璧に治療してあげたのだ。彼は全身の骨が砕けており、僕が治療しなければ、重度の後遺症が残ったに違いない。


「見ろよ!”商賢者”!!今はもうすっかりこのとおり!なんともないんだぜ!!オレはあの日、目覚めた瞬間にもうダメだと思ったもんだ!あの傷じゃあ、おそらく命は助かっても一生寝たきりだった!!!それがどうだ!!お前さんの魔法は、あらゆる治癒魔法を遥かに超えた奇跡の魔法じゃねぇか!!!いくら感謝しても、し足りねぇぜ!!!」


豪快に笑う彼からは唾が飛んでくるが、僕は圧縮空気の魔法で、密かにそれを空中でキャッチする。僕は、苦笑と微笑を交えつつ、彼に依頼した。


「では、バードック、アッシュさんからも伝えてもらったとおり、王国の重鎮が僕の身を狙ってるんだ。今は騎士団がアテにならないことから、腕利きのハンターを探している様子だ。そこで、君から彼らに接近してくれないか?」


「うん?どういうことだ?オレに敵に回れって言うのか?」


「そうだ。君が敵側にいてくれれば、こんなに安心なことはない」


「なーーるほどなぁ!!!そいつは面白そうだ!オレはよ!権力持った連中が、泡吹くとこを見るのが死ぬほど好きなんだ!!あいつらに仕える気は微塵もねぇが、そういうことなら、ちょっくら付き合ってみるか!!」


「形としては依頼主を裏切ることになるけど、もちろん君の名に傷が付くことはない。なぜなら、僕の罪状も、最終的には消えることになるからだ。契約そのものがご破算になる」


「ほう!!そこまで言ってくれるのか!さすがは”商賢者”だぜ!!!」


「だから、契約内容は、”偽りの勇者”を捕えること。そうなるように話を進めてくれ」


「ブハハハハハハッ!!安心してくれ!オレの名に傷が付こうが何だろうが、お前さんのためなら、オレは何だってやってやるよ!!元からそのつもりなんだ!」


「ありがとう。頼りにしてるよ」


最強のゴールドプレートハンターを味方につけた僕を見て、レイプシードさんもイベリスも目を丸くしていた。




さらに翌日、僕はある人物と連携を取っていた。第一王女ラクティフローラである。彼女とフェーリスからの報告を総合すると、宰相ゴードが第二王子ヘンビットを後ろ盾にして僕の捕縛を画策していることがわかった。


『お兄様、我が兄がご迷惑をお掛けしてしまい、本当に申し訳ない限りですわ』


電話で心配するラクティフローラに、僕は微笑して指示を出した。


「心配してくれてありがとう。ラクティ。でも、全ての鍵は、君にある。例のモノを国王陛下に届けてもらえれば、きっと喜んでいただけるだろう」


『はい。それにつきましては、ご安心ください。本日、お父様にお会いする約束を取り付けましたし、既に魔法の宝珠はお見せしておりまして、大変、感心しておられましたわ。特に”冷蔵庫”なるものは画期的だと鼻息を荒くされておりました』


「だろうね。こっちの地域は特に暑いから、絶対に役立つと思う」


『うふふっ、でもそれ、作ってほしいってお願いしたのは私なんだよ、ラクティちゃん』


と、横から通話に参加したのは嫁さんだ。この時、彼女はラクティフローラのもとにいた。僕からの献上品を内密に王女の屋敷に届けてくれたのだ。ハッキリ言って、隠密行動においてもウチの嫁さんの右に出る者はいないのである。


『まぁ!さすがでございます!お姉様!』


「いや、要望どおりに”冷蔵宝珠”を作ったのは僕なんだけどな……」


『それと、お兄様!部屋の温度を調節する”えあこん”と部屋の湿度を上げる”加湿器”!これらも本当に素晴らしいモノですわ!』


「うん。”空調宝珠”と”加湿宝珠”だね。乾燥しやすく昼夜の温度変化が激しい砂漠気候では、重宝されると思うよ」


『他にもね、”洗濯機”と”乾燥機”と”掃除機”もあるんだよ!今度、見せてあげるね!』


『まぁ!楽しみでございます!』


このように、なぜか嫁さんの方が鼻を高くして僕の開発した製品を自慢した。


そう。僕はこれまで、日常で使う家庭用電化製品を宝珠システムからの派生品として開発してきたのだ。初めは全て、広すぎる自邸で使用人に使わせていたのだが、侍女長のカメリアをはじめ、同居人たちから商品化を勧められた。


これらを商品展開するタイミングを窺っていたのだが、その顧客第一号を王国の国王にし、献上品とすることで信頼を得ようと考えたのだ。


また、本当に国王の気を引くための本命の献上品は、別にある。


「では、ラクティ、くれぐれも『マナ・アップル』の献上、よろしく頼むよ」


『はい!お任せください!ずっと健康が優れなかったお父様ですもの!環聖峰中立地帯の奥深くでしか採取できない貴重素材マナ・アップルを見れば、目の色を変えることは間違いありませんわ!』


「ありがとう。僕からの信義の証だと伝えてほしい。そして、ご所望なら、我が商会から定期的に送り届けるようにすると」


『かしこまりましたわ!お父様のためにも、代わって感謝申し上げます!』


こうしてラクティフローラは、国王ソルガムに僕からの献上品を渡しに向かった。ここ数年、体の調子が優れなかったソルガムは、『マナ・アップル』を目にした瞬間、横たわっていたベッドから起き上がったという。


直ちにそれを食すと、元気を取り戻した。


さらに我が『プラチナ商会』から、定期的に持参することが可能であることを聞くと、彼は二つ返事で僕の罪状を取り下げる旨を約束した。


名目は戦勝記念の恩赦である。ちなみに恩赦とは、国や時代によって差異はあるものの、主に為政者が罪人の罪を赦免する制度だ。国家的な慶事の際に行われることが多く、王国にもその考え方が存在したのだ。


また、賢明なるラクティフローラは、第二王子が暗躍していることから、第一王子をも味方につけることを考え、国王の考えを伝えに行ったという。話を聞いたクインス王子は、楽しそうに笑いながら協力要請を受け入れた。


「だったら、せっかくの機会だ。その『プラチナ商会』の敵対者がどれだけいるのか、あぶり出してから事を決しようじゃないか。これは面白いことになるぞ。祝賀会当日は、私が合図するまで、ラクティは待機しておきなさい」


という提案が彼から出され、そのとおり動くことに決まった。

これらのことは、すぐにラクティフローラが僕に報告してくれた。




以上のように、全ての準備は前日までに出来上がっていたのだ。あとは、宰相ゴードをはじめ、僕を陥れようとする者たちを全員あぶり出し、鼻を明かしてやるだけである。


ただ、唯一の誤算があったとすれば、こちらの計画が露呈しないよう、自分の仲間たちにも話しておかなかったことである。ローズもダチュラも本気で心配し、シャクヤに至っては単独行動に出て、自ら矢面に立ってしまった。


彼女を巻き込むつもりは微塵もなかったので、その立場の危うさを懸念し、僕と嫁さんは激しく動揺した。そして、彼女と第二王子の確執の結果、中央広場で即刻、斬首の刑にされるという、僕たちの予想を大きく超えた決定をヘンビットは下したのだ。


出番を待っていたラクティフローラは、大ホールのそばでその声を聞き、さすがに焦ったようである。合図も待たずに彼女は飛び出し、さらに国王を会場に招き入れたのだ。


「もう!クインス兄様!いつまで経っても合図してくださらないんですもの!危うくレン様が処刑台送りになるところだったではありませんか!」


全ての勝敗が決した直後、ラクティフローラは怒り口調で会場にいるクインスに近寄った。


「いやいや、ごめんよ。ラクティ。ヘンビットの暴走ぶりがあまりにも面白くてさ、あいつがどこまで行くのか、つい見ていたくなったんだ」


「ヘンビット兄様も、あそこまで言わせてしまったら、とんだ恥さらしじゃありませんか!ちょっと可哀想すぎですわ!」


「アレは、あいつの身から出た錆だろう。それにしても、驚いたのは国王陛下だよ。あそこまでお元気になられるとは。『マナ・アップル』とは、そんなにすごいのか……」


「ふふんっ、そうなのです!これが、魔王と対等に渡り合えるハンターが営む商会の底力なのです!王都でふんぞり返っている貴族や商人とは、ひと味もふた味も違うのですわ!」


「まったく……我が妹ながら恐れ入るよ」


自慢げに語るラクティフローラを見て、苦笑するクインス。だが、その視線を国王に移しながら、一瞬だけ不穏な表情を見せた。


「……それにしても、アレは元気になりすぎだ。ちょっと誤算だったな」


ボソッと呟く彼の声は、小さすぎて王女の耳には入らなかった。


「え、なんですか?クインス兄様?」


「いや、なんでもないよ。ラクティ」


微笑して答えたクインスは、大ホールの正面に移動した。ちょうどそこには、全ての算段が崩れて肩を落とした第二王子ヘンビットが、意気消沈してトボトボと戻ってきたところだった。


彼の横に立ち、クインスは見下した笑みを浮かべた。


「お前は『プラチナ商会』の宝珠を見たことがないのか?アレは素晴らしいモノだぞ。お前はチョロいから、自分を褒めてくれる人間はみな善人だと思っている。誰を味方にし、誰の味方になればいいのか。それを見極められないクセに偉そうに出しゃばるから、こんな失敗をするんだ。やはりお前は能無しだな」


この瞬間、ヘンビットは憤怒の表情で兄のクインスを睨みつけた。そして、胸ぐらを掴もうと襲い掛かるが、剣技を学んでいるクインスは、それを鮮やかに避けてしまった。


ガッシャアアンッ!!


勢い余ったヘンビットは、そのまま料理の置かれたテーブルに突っ込んでしまい、それらをひっくり返しながら、自身もまた床に転んだ。宴会でのこうした音はよく響くため、会場全体から注目を集めてしまった。


「………………っ!!!」


憤激しながら立ち上がったヘンビットは、悔しそうに俯いて体を震わせたが、そのまま足早に会場から出て行ってしまった。彼を後ろ盾にしていた宰相ゴードと軍事大臣シャガ、そして商人ハゼも、慌てて追いかけた。


彼らの姿は、僕に敵対心を持つ者が王族であろうとも敗北することを、この場の全ての人たちに印象付けた。僕に対して、密かに悪態をついていた貴族や有力商人は、気まずそうに下を向いた。


その様子を見ていたバードックが、僕の背後で豪快に笑う。


「ブハハハハハハッ!!!無様な姿だったなぁ!!これでオレの役目も終わった!じゃあな、レン!!オレは食いそびれたメシをこれから、たらふく食わせてもらうわ!!」


「ああ、ありがとな」


「いいってことよ!!!」


彼は悠然と料理の並んだテーブルへ歩いて行った。いくら演技とはいえ、このような公式行事で、王侯貴族に囲まれながら、あそこまで大胆不敵な行動ができるのも彼くらいであろう。


これにて、僕たちの完全勝利である。

僕と嫁さんの名誉は取り戻された。


かつてウチの嫁さんを勇者と見なさず見下し、あげくの果ては”偽りの勇者”として僕を罪人扱いした王国に、今、本当の意味で凱旋したのだ。


これでようやく第三章で受けた屈辱を全て晴らしたことになりますね。長い旅路でした。

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