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(新)幼馴染と行く異世界転生~亜人を保護しましょう~  作者: 春風
第4章.魔物編 不思議な縁の魔物達
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15.雑談、雷撃槍蜂

 雷撃槍蜂ライトニングホーネット女王(クイーン)を眷属にした翌日。



「―――という感じだな」

「な、なるほどですの………。(ワタクシ)中々とんでもない御方の配下になった様ですわね………」



 クリカトル学園内学生寮のリビングにて、()()()()少女―――『メープル』に、俺に関する諸々の事情を説明していく。

 それを、逐一驚きながらメープルが聞いていて、聞き終わり次第呟いたのが先ほどのセリフだ。失礼しちゃうね。





 お察しの通り、この鎧少女『メープル』は昨日仲間にした『雷撃槍蜂ライトニングホーネット女王(クイーン)』だ。





 見た目の特徴としては、金に近い黄色の髪を後頭部はそのまま真っ直ぐに、両側頭部付近のみ編み込んだ背中までのロングヘアーで、更に頭頂部前方から触角みたいな二本のアホ毛みたいなのが生えている。

 中々に特徴的だ。

 異世界で、編み込みロングで、あの口調なので『貴族令嬢』に見える。


 また、身長が175cm近くある高身長で、足もスラッと長い美脚の持ち主で素晴らしいほどのモデル体型だ。………その女性の象徴部分も含めて、モデル体型だ。



 眷属スキルは【王槍(キングジャベリン)】。

 能力は、一日に一回だけ使用する事が出来て、その戦闘の間【槍術】のLvを『6』にする、というもの。連戦なら能力は継続する。


 武術系のスキルのレベル最大値は『5』なので、一日一回だけ世界の理を超えた存在になれるという、純粋なチートスキルだ。

 俺も限界突破系のスキル欲しい。ああいう系のスキルは、本当に男のロマンだと思う。


 眷属化の際の望みは『王の栄えある一番槍として相応しい力を所望させていただきますわ!』。



 そう、この子、根っからの武官タイプなのだ。



 しかも、初めから凄腕の実力者だった。

 昨日、人間形態の肩慣らしという事で最近急成長中のシロと勝負していたのだが、なんと普通に勝っていた。

 いくら【王槍(キングジャベリン)】を使ったからといっても、あの速度の猛攻を捌き切っていたのは素晴らしい技量だ。

 あの感じで行くと、俺の師匠と並ぶかもしれん。『純金冒険者(アウルニウム)』級の実力は固いだろう。


 因みに戦闘技能は、『(ランス)二刀流』+『【雷属性魔法】&【毒魔法】』でした。

 この子、前衛()後衛(魔法)両方出来て、更に両職共に(槍 術) ()(投 擲)魔法(魔力付与・直接攻撃)をこなせる逸材だった。優秀過ぎる。思わず、クリス先生が『二重乙女(ツインガールズ)』のメンバーに欲しがってたよ。



 それと、『メープル』という名前だが、俺がつけた。



 名前の由来は―――


『蜂と言えば蜂蜜だよな』

  ↓

『蜂蜜食べてぇな』

  ↓

『あ、でも楓の木の蜜でもいいなぁ』

  ↓

『メープル、俺好きなんだよな』

  ↓

『名前、メープルでいいか』


 という感じだ。


 正直、フィーリングである。

 Don't Think Feel!


 それをメープル本人に教えたら―――



「蜂蜜が欲しいんですの?それくらいなら、(ワタクシ)が集めてきますわよ?金属蜂(メタルホーネット)のドロップがいっぱいある?舐めないでくださいな。あんな堅物蜂が集める蜂蜜なんか目じゃありませんわよ」



 という事で、定期的に最上級の蜂蜜をゲットできることになりました。

 よく考えたら、『金属蜂(メタルホーネット)の蜂蜜』も大量にあるので、これはお菓子作りが進みますわ。





 それと、メープルの話を聞いたクリス先生からの情報なのだが―――




雷撃槍蜂ライトニングホーネットは、メープルを最後に全滅した可能性が高い』




 らしい。



 雷撃槍蜂ライトニングホーネットは、絶滅寸前の希少種の一種として研究者の間では知られているんだとか。



 絶滅寸前の主な理由は4つ。


1.魔物中で珍しく『一騎打ちを好む』性格。

→相手がいくら多勢であろうが単騎でしか戦闘をしない為、集団戦で倒されることが多い。


2.女王(クイーン)をトップとした群れを作る。

女王(クイーン)が居ない場合、群れを作らないので単騎で行動する為、上記の理由で死ぬことが多い。


3.拠点を持たず、常に移動しながら生活している。

→安定した生活を送ることが難しい為、成体までの成長する個体が少なく、もし群れの危機が発生しても落ち着いて回復する事が出来ず、群れが滅びやすい環境である。


4.女王(クイーン)しか卵を産む事が出来ない。

→只でさえ、群れであっても成長するまで生存しないのに、群れが無ければ増えすらしないというのは、相当に過酷だ。



 逆に良く絶滅しなかったな、コレ。


 それほどに成熟した雷撃槍蜂ライトニングホーネットは強いのだろう。



 雷撃槍蜂ライトニングホーネットの群れは百年単位で目撃されておらず、既に絶滅したものだと思われていたらしい。

 その数百年ぶりの群れも今回の一件で滅んでしまっており、生き残りもメープルたった一人だ。


 これは『種族』としては、ほぼ詰みだ。


 これからの事はメープル次第なので、そこは尊重して守っていこうと思う。





 さて、メープルとの会話に戻ろう。





「とんでもないとは、ご挨拶だな」

「実際とんでもないんですもの。(ワタクシ)は間違っておりませんわ」


 紅茶を飲みながら、メープルと情報に齟齬が無いかやり取りをしていく。


 メープルと会話してて思ったが、コイツ自分の意見ははっきりしているタイプだ。

 元女王(クイーン)というのもあるのだろう。冷静に物事を考えているし、合理的に判断出来、思った事をしっかりと言える、指揮官向きな発想能力をしていた。

 『前衛・後衛・指揮官』と三拍子そろったメープルは、単騎で回復以外全てこなせる超万能職(オールレンジャー)なので、活躍の場は多い筈だ。

 あの場面でメープルを攻撃しないという判断をした自分を褒めたい。


「只の魔物であった(ワタクシ)達を人間と同じ見た目にしておいて、とんでもなくない訳が無いでしょうに」


 そう言ってメープルは、リビングにいる面々を一瞥する。




 そこには、メイド服を着て窓を拭く水色の髪色をした美少女、テーブルを拭く赤髪の美少女、修道服を着てこちらに祈りを掲げるヴェールを被った美女、ソファに座って服を編む灰色髪の美女がいる。



 上から順番に、ラピス・ルビィ・シトラス・アッシュである。





 只の蜂だったメープルを人の姿にしたスキル【主君同体(オールオブワン)】。


 効果は、眷属下の魔物を眷属主と同じ様な見た目にする、というスキルだった。


 効果の対象は『眷属主と全く違う見た目をしている者』という条件であり、これに引っかかったのが、ゴブリン(シトラス)ハーピィ(ラピス)不死鳥(ルビィ)アラクネ(アッシュ)雷撃槍蜂(メープル)だった。



 シトラスは、うっすらと黄緑がかった肌色で、深緑色の髪を真っ直ぐ伸ばした髪型をしている。また、エルフよりは短いが人間より尖った耳をしている。

 身長は一般的な女性ほどだが、一般的を逸脱した母性の象徴(爆乳)の持ち主であり、その体を修道服で包んでいる。ぱっつんぱっつん。

 優しそうな垂れ目で、左目にある泣きぼくろも相まって、非常に柔和な美女である。

 俺らが出会った時にシトラスがリリスを助けていた事もあって、リリスが今のシトラスにとても懐いており、人化してからはよく引っ付いている。パッと見だと母娘だ。



 ラピスは、一般的な肌色に水色の髪を少し長めのショートヘアーにしているのだが、若干のくせっ毛持ちだ。

 身長は小柄で、体のサイズに見合った平原の持ち主でもある。成長期がまだなのかもしれないから、拗ねてシトラスのをツンツンするのはやめてほしい。あの動きは目に毒だ。

 昨日一日で分かったが、この子は元気な子だった。何でもチャレンジし、失敗するがすぐに反省できる頑張り屋さんだ。ただ、間違った方向にも一直線なので、ストッパーが欲しい。

 ルビィの方が身長は大きいが『ルビィの姉』を名乗っており、良き姉として奮闘している。



 ルビィは、赤髪褐色のパイナップルヘアーだ。

 身長、胸共に一般的な女子と同じで、少し物静かな子だ。

 ラピスの事を『お姉ちゃん』と呼び慕い、常に一緒に行動しているお姉ちゃん子なのだが、ラピスがやらかす事にちょくちょく巻き込まれているようで、中々苦労しているようだ。

 今朝もラピスに何か吹き込まれている様で、頬を赤く染めて俺の事をチラチラと見ている。ラピスは何を言ったんだよ………。



 アッシュは、アラクネの時の人間体に人間の足が生えた姿なので、あまり変化は見られない。

 ただ、今まで蜘蛛の胴体で苦労していたようで、椅子に座って感動していたり、廊下を走り回ったりしていた。

 今は落ち着いたようで、俺用の服を作ると息巻いていた。




 そんな感じで、眷属皆がこの寮内で過ごせるようになり、この寮も少し手狭になってきた。

 まぁ、皆人と集まるのが好きな様で、各々自由に楽しそうに過ごしているので、俺もあまり気にはしていない。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





「やぁ、急に呼び出して済まないね」


『いや、今は丁度手が空いてたトコだから、気にすんな。それで、用事は何だ?』


「ちょっとばかしお願い事があってね。一緒に学園トーナメントの見学に行かないかい?」


『構わないが、今回の学園トーナメントで何かあんのかよ?』


「いやね、トリスから話を聞いたんだが、学園の貴族生徒や教師連中が今回の学園トーナメントを利用して、レイを晒し者にしようとしていると聞いたのさ」


『レイが学園生なのは今初めて知ったが、晒し者だァ?そいつは穏やかじゃねぇな。学園長は止めらんなかったのか?』


「あぁ、止められなかったらしいよ。一人を除いて全ての教師や学園に子供がいる貴族連中が強硬させたらしいのさ。流石のトリスでも、それだけの連中は抑えきれないだろうさ」


『何でまたそんな事になってんだよ。あそこはそんな殺伐としたトコじゃなかっただろ?』


「年度末に進級クラスを決める実力テストがあるのは知っているだろう?」


『あぁ、知ってるぜ』


「あの頃に、レイにドラゴンの調査を依頼しただろう?あの日が丁度テストの日だったのさ」


『マジか、そいつは悪い事をしちまったな………』


「いや、それについてはトリスと相談して、冒険者ギルド公式の指定依頼としてクエストを発行して、その難易度に応じてクラスを決める事でテストを免除させる方向で決まっていたのさ。ほら、アンタに書かせた書類あっただろう?あれを証明書にしたんだよ。『ドラゴンの調査』が出来る人物なんて、Aクラスで当然だろう?」


『あぁ、アレはその為の奴だったのか。なら、何でそんな事になっているんだよ?』


「『あの程度の書類で、テストを免除してAクラス行きなんておかしい』というクレームが入ったのさ」


『ハァ?グランドマスターが作成した正式書類じゃねぇか。何でそんな文句が入るんだよ?』


「貴族や教師連中は調子に乗っているのさ。トリスが所用で空けてる数年の内に、学園を好き放題していたようだからね」


『腐ってやがるな』


「あぁ、全くその通りだよ。レイはそんな教師連中に早々に見切りをつけて、信頼できる教師の授業しか受けなかったようでねぇ。それを教師達は気に入らないのさ。レイは実力を隠して回復士(ヒーラー)として入学したらしいが、そんなレイの事を最初に冷遇したのは、アイツらが先だと聞いているけどね」


『それ本当にあの学園の教師かよ?回復士(ヒーラー)はパーティを組む上で絶対に一人は欲しい必須職じゃねぇか。そんな基礎を疎かにして教鞭を垂れるたァ腹が立つな』


「あぁ、アタイも同意見だ。それで連中『実力があるって言うならトーナメントで優勝できますよね?』とか言って、レイを強制的に参加させたのさ。そこで、レイを晒しモノにする心算なのさ。Aクラスだから優勝できるっていうのは、暴論にもほどがあるだろうに」


『………その塵、燃やしてもいいんだぜ?』


「アタイだって、この手で一人ずつぶん殴りに行きたいくらいだね」


『元シスターのセリフじゃねぇな』


「そんな事は知らないよ。アタイは本気で腹が立っているのさ」


『何だ何だァ?まだあんのかよ?』


「あぁ、そうだよ。レイには銀狼族の奴隷がいるんだけどね」


『は?アイツ、奴隷なんて持ってんのか?』


「あぁ、そうだよ。勘違いしないで欲しいが、レイは世間一般から標的にされやすい獣人の娘を守る為に、渋々奴隷にしているだけであって、実際に奴隷として扱ってなんて全く無いよ」


『そうなのか?』


「寧ろ、妹分として家族の様に可愛がっているのさ。実際、カミアも娘のように接しているし、アタイにとっても、第二の孫のつもりで接しているよ」


『それなら問題はねぇわ。まぁ、そんな事をする奴じゃないのは、話を聞いてれば分かるがね』


「そうだろう?でね、その銀狼族の子はシロって言うんだけど、可愛くて優秀でイイ子なのさ」


『ほう、今度紹介してくれよ』


「いいけど、アンタにはやらないからね?」


『わぁってるよ。んで、そのシロって子がどうした?』


「シロもレイと同じ学園にいるんだけど、進級テストで凄い事をやったのさ」


『へぇ?』


「なんと、教師連中諸共学園生徒を蹴散らしたのさ。優秀だろう?」


『そいつぁスゲーな。腐りきってても教師を蹴散らすとは、スゲェ実力の持ち主じゃないか』


「だろう?でも、それが原因で貴族に目を付けられちまってね。シロが奴隷って事を利用して、金や権力で奪おうとしてる奴らがいるのさ」


『はぁ?腐ってる奴多くねぇか?それも、止めらんねのかよ?』


「正直、押さえるので精いっぱいだ」


『あの学園、権力とは切り離されてるんじゃねのかよ?』


「都合の悪い事に、『レイを潰したい教師陣営』と『シロが欲しい貴族息子達』で利害が一致しちまったのさ。教師が殆ど敵に回ってるのが現状だよ」


『………それ、あの学園が存在する理由真っ向から潰してねぇか?』


「一般の生徒は問題無いんだよ。貴族のドラ息子共が、屑教師共のバックアップを受けちまってるのさ」


『その腐り具合、本気で気に入らねぇ。俺が介入してやろうか?』


「いや、教師陣営を蹴散らす算段は立っているのさ」


『ほう、それは?』


「トリスも相当ブチ切れてるようでね、『レイが負けたら学園長を辞めてもいいわ。その代わり、貴方達もその覚悟はあるのよね?』ってさ」


『つまり、カウンター式で屑教師の首を全て飛ばすつもりなのか!?いいねぇ、俺そういうの大好きだ』


「だろう?アタイのパーティメンバーは面白い奴らばっかだよ。アンタも含めてね。教師連中は回復士(ヒーラー)何かに負けるはずが無いと高を括っているようで、【契約(アグリメント)】にも乗ったらしいよ。どうせ、今頃貴族連中と一緒に、次期学園長に誰を据えるか算段を立てているんだろうさ」


『あのレイなら、学園生程度に負ける訳が無いな。確約された勝利じゃないか。ていうか、あんな『回復士(ヒーラー)』見た事ねぇよ』


「でも、あの子、ギルドカードの検査での適正職は『回復士(ヒーラー)召喚士(サモナー)』なんだよ?信じられるかい?」


『はぁ?マジで?回復士(ヒーラー)召喚士(サモナー)が、ドラゴンと殴り合いできるとか正気の沙汰じゃねぇな』


「それでこそ、アタイの自慢の孫さ。それで、アタイらもレイやシロ、トリスに協力してやろうと思ってね」


『ほうほう、聞かせろ』


「それはね―――」

次回から、いつも通り閑話の後、次章に移ります。

ス、ストックを………。

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